マン・オブ・スティール とは

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マン・オブ・スティール
(原題:Man of Steel)
日本公開日:2013年8月30日

ご存じアメコミヒーロー代表作品「スーパーマン」の新作映画「マン・オブ・スティール」。
2006年に公開された「スーパーマン リターンズ」とは直接的なつながりの無い、一からのリブート作品となっています。

オススメポイント

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予告編

続編の感想(ネタバレ&あらすじ)

これより下記にはネタバレが含まれます

※これ以降は筆者の感想と共に作品の内容に深く関係する記述が多く含まれます。またこれは筆者の私見であり、矛盾や間違い等がある場合があります。それら全て含め、予めご了承頂いた上でご覧下さい。

あらすじ(ネタバレ)

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舞台は惑星クリプトン。
高度文明維持の結果、惑星が惑星としての維持が不可能になり、崩壊が始まる。
クリプトンの指導者の一人であるジョー=エルは、妻のララ・ロー=ヴァンとの間に子供を授かる。

文明が進みすぎ、人工的に子供を作り出していたクリプトンでは実に数世紀ぶりの自然分娩により誕生した子供、カル=エル。
クリプトンの議員達が集まる中、今後の対策を話し合う。
ジョーは既にクリプトンの再建は手遅れである。と。
そこにまた指導者の一人で有り、ジョーの友人であるゾッド将軍が仲間を引き連れて、クリプトンの議員達を殺害しにやってくる。

ゾッド将軍は この議員達が居たことによってクリプトンは崩壊した。こんな議員達の無能な血統は途絶えさせるべきだ。 と、ジョーに共にクリプトンを立て直そうと話を持ちかける。
ジョーはゾッド将軍の同族に牙をむいた行動に愛想を尽かし、決別する。
ゾッド将軍の仲間により連行されていたジョーは、隙を突いて妻のララの元へ。
ジョーは惑星クリプトンの先人達全ての遺伝子情報などが記憶されているコーデックスを、機器を使いカル=エルの体内へ移植。
小型宇宙船でカル=エルを一人、若い惑星へ送り飛ばすことに。

発射数秒前のそこにやってきたゾッド将軍はジョーにクリプトンの再建のために必要である盗んだコーデックスを渡せと。
ララの手によりカル=エルとコーデックスを載せた宇宙船は発射。
それに発狂したゾッド将軍は怒りに任せてジョーを殺害。
その後、ゾッド将軍は議員達により拘束、ブラックホールを使って追放されることに。

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ゾッド将軍はララに、なんとしてもカル=エルを見つけ出し、コーデックスを奪い返すと宣言。
ゾッド将軍とその仲間達は凍結され宇宙の彼方へ飛ばされる。
ジョーの言ったとおり、惑星クリプトンは崩壊、ララは星と運命を共にした。

それから30年後。舞台は地球。
カニ漁船で働くカル=エル。
船は近くのガスプラントが火災事故に遭っているとの信号を受信。
それを聞いたカル=エルはガスプラントに乗り込み、逃げ遅れた作業員達を身を挺して助け出す。
全員を救急ヘリに送り込んだ後、ガスプラントの大爆発と共に海へ投げ出されるカル=エル。
気を失い、幼い頃の記憶へフラッシュバック。

カル=エルはクラーク・ケントと名付けられ、カンザスの農家で育ち、小学校に通っていた。
授業中、異変を感じたクラーク。
周りの同級生や教師の様子がおかしい。見る者全てが透けて見え、先生の内蔵まで透過して見えてしまう。
パニックになったクラークは教室を飛び出し、倉庫に逃げこもってしまう。
教師はクラークの里親である母、マーサ・ケントを呼び出し、倉庫にこもったクラークに語りかける。
クラークはマーサの言葉を聞き、何とか精神を安定させ、不思議な症状を抑えることができた。

その後、通学バスに乗っていたクラーク。
同級生にちょっかいを出されるも相手にしないクラーク。
すると次の瞬間、バスのタイヤがバースト。
操縦の自由を失ったバスは対向車を避けるように橋から川へ転落。
沈んでいくバスが急に上昇。近くの岸辺まで運ばれる。
その当事者がクラークであることが数人の同級生に目撃され、その保護者がクラーク宅へ。

クラークが起こした不思議な出来事はこれだけじゃないと真実を問われるが、クラークの母マーサはそれを受け流す。
外では自分が起こした事により悩むクラーク。
里親の父であるジョナサン・ケントはクラークに「自分の秘密は守れ」と。
クラークは「助けちゃダメだったの?ああするしかなかった。見殺しにも出来ないし、何が最善だったの?」と混乱。
しかしジョナサンはクラークの秘密を世の中の人が知れば世界が混乱してしまい、皆がクラークを恐れ、遠ざけてしまう と。
クラークは自分の不思議な力についてジョナサンに問いただす。
ジョナサンはついに告げるときが来たかのように倉の地下に隠してあった、クラークが乗ってきた宇宙船を見せることに。

そこでジョナサンは一緒にあったキーをクラークに渡し、クラークはこの宇宙船に乗ってきた。クラークは地球外からやってきた特別な存在だと。私の息子であることは当たり前だが、クラークには別の父親もあり、別の名前もある。
クラークが地球にやってきた意味がある。その意味をこれからずっと突き止めなければならないとクラークに諭すジョナサン。

現代に戻り、クラークは偽名を名乗り、酒場で働いていた際に「アメリカが”何か”を発見した」と軍人達が話しているのを耳にした。

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そして舞台は北極。
軍内で雑用係として潜り働いていたクラークはやはり偽名を名乗り、取材にやってきたデイリー・プラネットと言う新聞社で働くロイス・レインと出会う。
そこでの取材で発見した”何か”は、約2万年前のものである可能性がある。と。

そして夜。
クラークは自ら氷山の中にうもれる”何か”を目指して掘り進んでいく。
そんなクラークを見つけたロイスもクラークを追って氷山の奥へ。
そこでクラークは巨大な宇宙船を発見。
乗り込み、ジョナサンから受け取ったキーを宇宙船に差し込む。
すると尾行してきたロイスが宇宙船の保護システムに干渉してしまい、警備システムに襲われる。

駆けつけたクラークによって助けられ、負傷したロイスに手当をし、その際に気を失ってしまったロイスを置いてクラークは宇宙船を操縦して行方を眩ます。
ロイスは早速会社に戻り、そのことを記事にしたいと編集長に持ちかけるが「そんな得体の知れないものは載せられない」と断られ、予てからロイスがバカにしてたゴシップサイトにたれ込みを計る。

宇宙船ではクラークが意識が具現化されたジョー=エルのビジョンによって、惑星クリプトンの歴史や、ゾッド将軍、そして一番聞きたかった自分のこと、自分の名がカル=エルであったことについて知ることが出来た。
そこでエル家に引き継がれている”S”は”希望”と言う意味の家紋であることを知り、同時にスーパースーツを受け継ぐ。

自らの力を解き放てと、クラークは今まで抑えてきた力を一気に解き放ち、ついに空を飛べるようになる。
ロイスはクラークを追い、今までクラークが暮らした土地を巡っていた。
そしてクラークが育った農家までやってきて、そこでクラークと再会。
クラークに取材を試みるが、クラークは自分の素性は明かせないと、ジョナサンの墓の前で過去について語り出す。

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— 回想 —
クラークがジョナサンとマーサと車で外出中の出来事。
すると目の前で起こる巨大ハリケーン。
逃げ惑う人達、ジョナサンはクラークとマーサを近くの陸橋の下へ向かわせ、ジョナサンは現場に残り人々を陸橋へ誘導する。
途中で愛犬を車へ残してきたと言うマーサ。クラークが車へ向かうとするが、ジョナサンが制止。
ジョナサンが愛犬を救いに行くが、突風により飛んできた車で脚を負傷。
逃げ切れないと悟り、助けに向かおうとするクラークだが、遠くから「来るな」と合図するジョナサン。
そのままハリケーンに飲み込まれて、亡くなってしまった。

クラークの力を使えば助けられたが、クラークの秘密を守るために自分の命を差し出したジョナサン。
その意思を守るために今は自分の素性は明かせないと。
ロイスはそれに心を打たれ、取材を中止するが、すでにゴシップサイトにリークした記事は公開されており、それに編集長がロイスの謹慎休暇を提示。
編集長はロイスの取材中止には意味があることを悟り、地球人がもしもエイリアンが居ると知ったら混乱する。君の判断は正しいと。

久しぶりに実家の農家に帰ってきたクラークは母と再会。
そこで宇宙船で自分の事を知れたと。
共に母の愛情を再確認。

一方国防総省では謎の宇宙船の飛来を確認。
その後突然全世界のテレビ電波をジャック。
宇宙船からの電波はゾッド将軍によるもので、テレビジャックにより、カル=エルを差し出せ、差し出せば危害は加えない、差し出さなければ安全は保証できない。と放映。
ゴシップに関連した記事をリークしたロイスはFBIから追われ、拘束されてしまう。

教会にやってきたクラークは牧師に相談。
「自分は地球を救うために身を差し出すべきか」
「ゾッド将軍は身を差しだしても地球に危害を加えないとは思えない」
同族も信頼できなければ、地球人も信頼できない。
との言葉に牧師は「ならまずはあなたが信頼してみては?」と諭す。

軍の前にスーパーマンの姿で現れるクラーク。
ロイスを出せと、拘束され、尋問を受けるスーパーマン。
自分は敵じゃないと言い、自らをゾッド将軍の元へ。
しかしゾッド将軍はロイスも差し出せと、ロイスも同行することに。

宇宙船に乗せられたスーパーマンとロイス。
スーパーマンは隙を見てロイスにキーを渡す。
事前にマスクを付けられたロイスは大丈夫だったが、宇宙船の中はクリプトンの環境にされており、それに順応できないスーパーマンは異常に気付いた時には手遅れで意識を失ってしまう。
気を失ったスーパーマンの意識の中に入り込んだゾッド将軍はコーデックスを渡せと。
当然スーパーマンはそのことについては知らず、
目を覚ました時に無理矢理血液を採取されてしまうスーパーマン。

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一方、倉庫に閉じ込められたロイスは、そこでキーの差し込み口を発見。
そこにキーを差し込むと、ジョー=エルの意識が具現化されたビジョンが現れ、同時に船の管理権をジョー=エルが使役。
ロイスに、ゾッド将軍を倒すためのファントムゾーンを作れ、と指示。
ロイスを導き、脱出ポッドへ。

しかしそこにゾッド将軍の仲間が。脱出ポッドを破損させられ、なんとか脱出するも脱出ポッドの制御を失ってしまう。
ジョーはスーパーマンに「お前ならみんな救える」との言葉をかけ、ロイスの元へ送る。
間一髪でロイスを救出したスーパーマン。

一方では地球にゾッド将軍と仲間2名が飛来。
クラークの実家へ、マーサにコーデックスの有りかを問い詰め、クラークが乗ってきた船を発見。
しかしそこにコーデックスは無く、さらに在処を問い詰めていた所にスーパーマンが。
母に迫るゾッド将軍に怒り、ゾッド将軍がつけていたマスクを破壊。
スーパーマンがクリプトンの大気に慣れていないのと逆に、地球の大気に慣れていないゾッド将軍は、力の制御が保てなくなり、船へ引き返す。
そこでゾッド将軍の仲間2名との格闘の末、何とか追い払うことに成功。

スーパーマンの元に駆けつけたロイスは、ゾッド将軍を倒す方法が分かったと。
それはスーパーマンが乗ってきた小型宇宙船を使ってファントムゾーンを作り、そこにゾッド将軍らを吸い込ませるというものだった。
一方でゾッド将軍はスーパーマンから採取した血液を調べ、コーデックスはスーパーマンの体内の細胞にあることを知り、スーパーマンを殺して手に入れる作戦に出る。

そしてゾッド将軍はまず地球をクリプトンと同じ環境にすべく、宇宙船を使い、地球を改造。
しかしそうなると当然クリプトンに対応できない地球人類は死に絶えてしまう。
ニューヨークの真ん中で重力を操り、街を破壊しながら環境変化の実行に出るゾッド将軍。
スーパーマンはニューヨークの裏のインドにも環境変化のために設置された宇宙船を壊すべく、インドへ向かい、ロイスを含めた軍はニューヨークへ。

色々な挑戦を試みるも、人類の科学では歯が立たず、どんどん破壊されるニューヨークと逃げ惑う市民達。
インドに向かったスーパーマンも宇宙船が発するクリプトンの力に順応できず、本来の力が出せない。
しかしなんとか宇宙船を破壊。ニューヨークでの異常は収まった。
そしてロイスとクラークが乗ってきた宇宙船を載せた軍用飛行機で、ニューヨークにあるゾッド将軍の宇宙船へ。

しかしそこにゾッド将軍の仲間が。
ここも間一髪で襲撃を避け、クラークの宇宙船をゾッド将軍の宇宙船の上に落とし、ファントムゾーンを発生させることに成功。
落ちるロイス、駆けつけるスーパーマン。吸い込まれるゾッド将軍の仲間達。
そして地上へ無事生還したスーパーマンとロイスは熱いキスを交わす。

しかしそこには一人たたずむゾッド将軍の姿が。
クリプトンの為に身を捧げ、仲間も居なくなった自分は存在する意義が無くなった、お前のせいだ!とスーパーマンに襲いかかる。
対抗するスーパーマン。ニューヨークの中で激しい戦いが始まる。

地球で育ち、戦闘訓練も受けていないスーパーマン。対して戦士としての訓練も受け、戦闘に特化したゾッド将軍は戦いの中でさらに覚醒。
それでもお互いの力はほぼ互角。
そして美術館に落ちる二人。

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ゾッド将軍を押さえ込むスーパーマンだが、ゾッド将軍の破壊光線が市民に向けられる。
同族か地球人か。最後に選んだのは地球人。
ゾッド将軍の首をへし折り、同族を殺したことに心を痛めるスーパーマン。
その後、国との和解を経て、スーパーマンは再び行方を眩ます。
そして事件が起こった時、そこに居ても不思議でない職場、新聞社 デイリー・プラネットで働くことを決意し、出社するクラーク。
そしてエンディング。

エンディング後のおまけはありませんでした。

この作品を観るには

感想とか

全体的に後半部分まで非常にスローペースで物語が進行していきます。
ドラマ部分7割、アクション部分3割といった所でしょうか。
スーパーマンとして登場するのは丁度物語の中盤部分で、全体的に物語が冗長なので、そこまでちょっと盛り上がりに欠けます。

新人スーパーマン

まず、なんと言ってもマン・オブ・スティールのスーパーマンは凄く人間くさい。
今までのスーパーマン見られる、いわゆる”いぶし銀”的な安心感がありませんでした。
クリストファー・ノーランが現代でのスーパーマンの位置づけを、スーパーマン自身の悩みを持たせると言う答えで作り上げた結果、どのように強靱なスーパーマンが生まれたのかという、クラーク(スーパーマン)のサクセスストーリーとなっていました。
今回の敵はスーパーマン永遠の宿敵レックス・ルーサーではなく、ゾッド将軍に向けられており、それに関する物語がとても丁寧に描かれています。

残念だと思った点

まず、この新たなスーパーマンを見て特に残念だと思った点をいくつか。

スーパーマン特有の安心感という物がない

スーパーマンが来てくれれば何とかなる!という安心感が感じられなかった。
なにより、”人”を助けるということより、”地球”を守るということにこだわりすぎて、観客からの新スーパーマンに対する信頼という物が得られていなかったと思う。
まさに皮肉にも”信頼”を押し出していた今回のテーマがスクリーンの外に向けられていなかったと言うことになる。
今までに無い、悩みを持つスーパーマンに視点が移っている分、失った代償がでかかったのか。

ニューヨークの街が破壊され、市民達が崩壊するビルの瓦礫から逃げ惑っている中、そんな市民に目を向けないスーパーマン

これが一番残念だった。
戦いの中でも、危険に陥る市民一人一人を気にかけ、助け出して欲しかった。
スーパーマンにはそれぐらいの勇士が欲しいし、対象が目の前に居る敵だけで、逃げ惑う市民には目も向けない。
最終的には市民を守ったことになるが、あろう事かビルを立て続けに破壊していくスーパーマンなんて見たくなかった。
しかし、これもスーパーマンになったばかりで、ここからスーパーマンとしての形を築く為のスタートだと思えば容認できるが。。。

スーパーマンが飛び出す際にあのテーマ曲が流れない

やはりこのテーマ曲が流れると「きたー!」と言う感情があふれ出す分、ちょっと盛り上がりに欠けた。

お決まりの台詞がない

「鳥だ!飛行機だ!いや、スーパーマンだ!」というこの台詞も「スーパーマン リターンズ」では違った形で見せていてファンをニヤリとさせた部分でもあるので、ラスト、デイリープラネット社での新聞の記事でチラリとでもいいから出して欲しかったかな。

ラスボスへの止めが地味

あれだけ激しい格闘を行って、最終的な止めがチョークスリーパーからの首をへし折るという荒技。
目の前の地球人を選ぶという、今作のテーマの一番の見せ所だとしても、その決着方法が首を折るという地味でショッキングな方法はいかがなものかと。
という感じで、過去のスーパーマンにある王道をある意味で裏切った演出が成されていました。
これが、ザック・スナイダーのスーパーマンだ!と言わせるような仕上がりになっていますが、過去のスーパーマンが好きだった人には物足りなく、異質だと感じるかも知れません。私もその一人です。

格闘シーンの革命

逆に関心、感動した部分はなんと言っても格闘シーン。

こればかりは実際に全貌を見てもらわないと伝わらないと思いますが、最近のハリウッド映画を超越するような映像は本当に見物でした。
一部では”リアルドラゴンボールだ!”などと言われていますが、過言では無いクオリティでした。
特にラストでのゾッド将軍との格闘シーンの、夜のニューヨークビル街を飛び回り戦うシーンはとても美しく、迫力も満点でした。
カメラワーク、VFX、なによりスーパーマン自身のスピード感は文字通りスーパーでした。

より深く描かれた関係性

特に今作のスーパーマンはそれぞれの繋がりがより濃く描かれています。
生い立ちから、巡った土地での出来事、出会い、そして家族との思い出。
やはり里親の父であるジョナサンに絡む話が本当に泣ける。
それもラストにも持ってきたり、感動部分はほとんどジョナサンが持って行っていた。
クラークが人々から非難されないため秘密を守るべく、自らの命を捧げる所など。
久々に実家に帰ってきたクラークに歓喜する母の姿も、またうるっときます。

ダークなスーパーマンは見た目だけ

そんな新スーパーマン、クラーク・ケントを演じたヘンリー・カヴィル。
ファーストビジュアルが公開された時は、その風貌から新しいスーパーマンはダークなスーパーマン!?と思わせたほど、

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一見するとちょっと悪そうな見た目ですが、蓋を開けてみれば悩めるスーパーマンとしての姿を見事に表現していたと思います。
ロイス・レインを演じたエイミー・アダムスはディズニー映画「魔法にかけられて」のイメージが強く、最初はキャリアウーマンっぷりが似合いってない感じがした。
しかしそこはベテランの彼女が成せる技なのか、次第に違和感なく見ることが出来た。
と言ってもキャリアウーマンとしての描写が前半しか無いからなんだろうか。
ゾッド将軍を演じたマイケル・シャノンは悪役が似合うのなんの。
ジョナサン・ケントを演じたケビン・コスナーは何を言うまでも無く、見事な頼れるかっこいい父親を演じられてました。
マーサ・ケントを演じたダイアン・レインも成人した息子を見守る母親として健気な雰囲気が感動を誘い、農家の妻としての風貌も似合っていて、とても良かったです。

ローレンスはいいヤツ

そしてなんと言ってもデイリー・プラネット紙の編集長を演じたローレンス・フィッシュバーン。
最初にこの作品でその名を見た時、絶対に悪役だと思ったら編集長という驚き。
部下のことをよく分かっている頼れる編集長。ローレンス・フィッシュバーンを起用したんだからこれぐらいのシーンは入れなきゃ!って特に入れる必要も無かったような無理矢理入れた感満点の何故かかっこいい場面が設けられていたり。
他にもラッセル・クロウなど、日本でも名の知れた豪華な俳優陣に似合うような見せ場がいくつか設けられていました。

何について調べますか?

そして、これは一緒に見に行った友人が感じたということなんですが。
意識が具現化したジョー=エルのビジュアルがゾッド将軍に、地球侵略を阻止しようと問い詰めるシーンで。
ゾッド将軍がコンピューターに「こいつを消すことはできんのか!?」との場面

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これを彷彿とさせるw
その消すことは出来るのか?の問いにすかさず「出来ます」と言うコンピューターにもちょっと笑える。

しかしテンポが悪い

全体的に物語のテンポが悪く、無駄が多いので、それが作品全体のたるみの原因なのか、物語がつまらなく感じてしまいました。
進行場面もあっちに行ったり、こっちに来たり、要所要所でフラッシュバックにより過去の話を挟んだりする部分が非常に多く、ちょっと見てて「またかよ」感があったかな。
要所要所にスーパーマンとしての盛り上がりがもうちょっと欲しかった。

人間らしいスーパーマン

とにかく先に挙げたように、今作のスーパーマンはとても人間らしい。
自分をアメリが人だと豪語するように、地球で育ったと言う経過をより主張している。
現代のスーパーマンをいかに描こうかと悩んだ結果、現代の悩める30代という結論に至ったのだろう。
完璧なスーパーマンがいかにして、どんな苦労を経て完璧(鋼鉄)な男に仕上がったのかと言う、その元を描いた作品に成っており、個人的には「スーパーマン リターンズ」のような王道なスーパーマンも好みだが、またこの人間くさいスーパーマンもある意味ではアリなのだろうか。
物語の見せ方の部分は残念だったけど、映像はかなり力が入っており、見応えはあります。

続編について

これが序章作品だとしたら、いよいよ続編では”頼れるスーパーマン”の誕生を期待してしまう。
先にゾッド将軍を持ってきた辺り、次ではレックス・ルーサーと言う粋な展開を考えているのか。
続編は2015年5月に公開が予定されているバットマンとの共演作になっており、よりスーパーマンらしいスーパーマンの姿を見ることは出来るのか。
今作「マン・オブ・スティール」の中にもバットマンに関するシーンがいくつか隠されているので、見つけてみるのも楽しいかも知れません。
その続編は同じくザック・スナイダーがメガホンを取ると言うことで、迫力ある戦闘シーンを期待しましょう。
続編の感想(ネタバレ&あらすじ)

この作品を観るには