映画『ワールド・ウォーZ』感想(ネタバレ&あらすじ有り)

倉庫の扉を開けるが、Zはジェリーを襲おうとしない。

Zからジェリーは見えない存在となり、難なくみんなの居る棟へ帰還。
そこでさっき打ったウイルスのワクチンを投与してもらうジェリー。
そしてZに効果的なウイルスワクチンを作り、全世界へ配当。

果たして全世界で起こっている豹変事件は終結するのか。
そしてジェリーの未来は!?

この作品を観るには

感想とか

王道ゾンビ映画

いわゆるゾンビ映画なんですが、特徴的に特化した部分も無く、よくある「音に敏感」「人を襲う」「噛まれたらゾンビ化」など王道のゾンビ路線を走っている王道ゾンビ映画です。
そこに「致命的な病を持っている人は襲わない」と言うオプションを付け加えたり、独自路線も見えたんですが、他に目新しいものも無く、相変わらず主人公は特殊な経歴を持ってる強いパターン。
結果的に安心して見れる構成なので、悪くはないですが、どこかで見た感があるのも事実。

ホラーゲームを見ているような感覚

と、典型的なゾンビ映画だったわけですが、個人的に思ったのは友人がプレイしてるゾンビゲームを見ている感覚に近かったです。

飛行機に燃料が無い!
燃料を入れるため、ゾンビを交わしつつ飛行機へ向かえ!
飛行機に燃料を入れるから、その間ゾンビを倒せ!
燃料を入れた!ゾンビが来る前に離陸しろ!

とか。
ニュアンスはバイオハザードに似てる。
後半、WHOの場面でゾンビの隙を見て部屋を通過するとかステルスゲームさながら。

展開の早さ

先にも書いたとおり、話のテンポや状況、場所、人物がぽんぽんと移り変わるので、見てて飽きるような所が無かった。
どこぞのバイオなんちゃらは閉鎖空間でてんやわんやなのに比べて、この作品は世界観全体が広く出てて良かった。

無駄なキャラクター達

ただ、人物が沢山出てくる代わりに、こいつ必要だったか?的なキャラクターもいくつか。

特に冒頭でジェリーを助けた少年トミーとか、後半存在が空気すぎる。
ジェリーの居ない場所でトミーが家族を守るとかあっても良かったんじゃ無いかと。

後々キーマンになりそうなキャラは死んでいくか、後半全く出てこないパターンが多かった。

無駄な代償

移動手段も色々あって、ピンチな状況はゾンビに襲われるだけじゃないってのも良かった。

けど、飛行機の破片が脇腹に突き刺さるシーンは必要あったのか謎。
すぐに治るし、痛がる演技はあっても、それが代償になるポイントも無いし。

続編があるなら、キャラクターの後処理も含めて是非そこで この怪我の後遺症などで処理して欲しい。

お子様と一緒に楽しめるゾンビ映画

G指定と言うことで、ゾンビとの攻防戦は倒す迫力が少し足りなく感じた。
血も少なければ、ゾンビにとどめを刺すシーンは全部画面外で行われる。
この辺はグロさを求めてた人には物足りないかも。

ゾンビらしさは一級品

しかしそのゾンビの演技が素晴らしく良かった。
大勢出てくる部分はCGですが、全速力で壁とかに見境なしにぶつかる感じとかの奇妙さ。

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個人的にゾンビの演技って、無理に不自然さを出しちゃって、どこか笑えてしまうポイントがあるんですが、きちんと綺麗に不気味さが出てて魅了されました。
感染した時の人の演技も、なかなか味が出てて良かったです。

ビクッ!は控えめ

さらに、こういう映画によくあるビックリシーンも少なくて良かった。
急に出てきて、映像より音でビックリさせるとか個人的に嫌いなんですが、覚えてるだけでも2カットぐらい?健全だと思います。

ただ(出るぞ出るぞ)って思って何も出なくて(安心した今この瞬間出るか?)と思ったら結局何も出なかったカットもいくつかあったのはちょっと頂けない。
例えるなら「殴るぞ!」って拳突き上げられて、ずっと殴られそうでハラハラしてんのに全然殴ってこずに、殴るふりを永遠とされて「もういっそのこと思いっきりやって!」という感じ。

意味の分からないポイントでのギャグシーン

また、全体的に真面目でシリアスな構成になっている所で、一カ所だけウケ狙いなカットがあったのが謎。

ゾンビに襲われてる中、一人の男が「引き金に気をつけろよ」と言われてすぐに転んだ拍子で誤って引き金を引き、自滅してしまうシーンとか「ん?ここで笑うシーンかよw」って。
いくつかギャグシーンがあるならまだしも、後にも先にも同じようなギャグシ-ンは無く、特に緊張感の強い中で ポンッ と笑いを投下。

まさに主人公がゾンビに囲まれてる緊張感ある中でのギャグだったので当然客からの笑いも起こらず。
あのカットは何が狙いだったのか。

お約束でイライラ

そしてこの様な映画には付きものなのが、「え。バカなの?」と言う展開。

ゾンビが潜んでる中、物音を立てちゃ行けないのにバッドタイミングで電話を掛けてくる妻。
でゾンビに気付かれる

外はゾンビだらけなのに大勢で大音量で騒ぎ歌って、ゾンビを刺激して壁突破されちゃう

とか。
もうアホかと思って呆れるような展開も、まぁお約束なんだけど、お約束過ぎて見てて呆れた。

前半部分は非常にスピーディーで見てて退屈しなかったが、後半のWHOの部分のステルスゲーな部分はちょっとつまんなかった。

もっと言えばラストの投げやりな結末は頂けない。
「戦いはまだ続く」ってオチなら、もっと謎な部分を残して次回作に持ち越して欲しかった気持ちもある。

色々カットになった残虐なシーンもいくつかあるらしいので、それらはBlu-rayや続編での公開を期待してしまう。

消化不足な終わり方でしたが、映画内容は面白かったので、サバイバルゲームやゾンビゲームなどのゲーム好きな人は結構楽しめると思います。

この作品を観るには

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