映画『進撃の巨人(実写版)』感想(あらすじ&ネタバレあり)

その手は巨人の口を内側から裂くように広げ、巨人の中から巨人が飛び出してくる。

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人間しか襲わない巨人だが、飛び出してきた巨人は、他の巨人を次々と倒していく。

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さらに無作為に人間を食べるという脳しか無い他の巨人とは違い、その巨人は知性のある戦い方を見せる。

と、全ての他の巨人を一掃し、その巨人は調査兵団を襲おうとする。

果たして調査兵団の運命は。
そしてその異質な巨人の正体とは。

この作品を観るには

感想とか

別の視点から描かれた作品

至る所で言われているとおり、原作の要素はほとんど残されていません
相違点は沢山あり、役名こそ原作と同じキャラクターも多いですが、キャラクターのイメージは映画オリジナルにデフォルメされています。

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エレンの意思が弱い

原作では巨人に母親を殺された恨みから巨人を全て駆逐するという強い意志がありましたが、
映画ではシキシマという男に対する嫉妬と、思いを寄せるミカサを見返すというものに置き換わっていました。

さらにエレンの家族は幼い頃に失ったという設定も付け加えられ、原作のエピソードは根本から無かったものに。

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監督曰く、「復讐よりもミカサの影響の方がエレンにとって重みがある」と取った結果、エレンがミカサの心を取り戻すという形に改変。

故に、ミカサのエレンに対する気持ちも軽くなり、倒れもがくエレンを見捨ててしまうキャラクターに(ミカサが後にエレンの死を知って怒り狂うシーンはあります)。

この結果、私個人の意見では、ミカサやシキシマへの対抗心が強く描かれてしまったが故に、巨人への対抗心が弱くなり、タイトルにもなっている巨人が蚊帳の外に出てしまったように強く感じました。

シキシマが気持ち悪い

原作のリヴァイと呼ばれる人類最強兵士に置き換わる映画オリジナルキャラクターとして、シキシマという男が登場します。
登場して早々、数々の巨人を軽々と倒していくのはカッコいいのですが、そのキャラクターの行動一つ一つがかっこわるいというか気持ち悪い

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二人っきりの男女の間に林檎をポイッと投げて仲裁したり、自分のかじった林檎を女に食べさせたり、行動一つ一つがナルシスト過ぎて寒かったです。
見終わった後に、劇場のどこからか「シキシマ気持ち悪かった」という声が聞こえ、思わず心の中で「確かに!」と同意してしまいました。

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長谷川博己さん批判ではありません
かっこつけが空回りして全然格好良くありません。ネタで笑えるなら良いのですが、完全に痛い人でした。

巨人がかなりチープ

やはりこの映画の主軸である巨人はどう描かれるのかが気になるところ。

最初に出てきた大型の巨人は、街に住む者に対する恐怖感もあり、その後に出てくる巨人達も、狂気感があり、原作に出てくる巨人に似た描かれ方で迫力もそこそこありました。

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が、ラストで出てくる巨人化したエレンが、かなりチープ
巨人の着ぐるみを着た人間がミニチュアのセットで暴れているかのような作りに、すぐに萎えてしまいました。
CGで足された煙でかなりごまかしているようでしたが、身体の動きが硬く、それまでの巨人が丁寧に描かれていた分、満を持して出てきた巨人化したエレンのチープさにげんなり。
もしあれがCGで描かれていたのなら、あれがこの映画の技術力の限界なのか。

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特撮映画ならまだしも、あれが2000年当初の映画なら絶賛されたでしょうが、2015年の今では目の肥えた観客にはどう映ったのか。

他にも、巨人に飲み込まれるシーンも、ウォータースライダーを滑走しているかのようなカメラアングルや、日本映画の悪い所が出てしまっているようで、凄く良い雰囲気が作られていた分、カメラアングルやカメラワークで残念な点が多くありました。

続編は

今作はエレンが巨人化するところまでの物語になっています。

続編の「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」は2015年9月19日公開予定です。

でもやっぱり石原さとみさんは可愛い

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