映画『NY心霊捜査官』感想(ネタバレ&あらすじあり)

その悪魔祓いはラルフが想像していたものよりも壮絶で、悪魔祓いを経験していた神父の精神をも揺るがす脅威だった。

悪魔の運命は。ラルフの家族はどうなったのか。

この作品を観るには

感想とか

実話?フィクション?

いわゆるエクソシスト系のオカルト映画なんですが、

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この映画の原作「エクソシスト・コップ NY心霊事件ファイル」の著者でありこの作品の主人公のラルフ・サーキ自身の体験談に基づいた物語になっており、映画が始まってすぐに「ラルフ・サーキの事実に基づく」とのテロップも表示されることから、これは実話かも知れませんよ という前置きがあります。

原作本

原作を読んでいないので、多少映画用で過大にデフォルメされているかも知れませんが、
実話なのかそうでないのか、受け手に委ねるというなんともモヤモヤする題材です。

ただし、作品内で描かれる家族とのトラブルや相棒との関係などの人間ドラマは非常にリアリティがあり、心打たれる内容でした。

NY心霊捜査官

この映画の邦題「NY心霊捜査官」。
もうぱっと見、ちょっとコミカルなオカルト映画かな?と思ったのは私だけじゃ無いはず。

原作の「エクソシスト・コップ NY心霊事件ファイル」に準えたのなら分からなくも無いですが、映画の原題が「Deliver Us from Evil」となっており、ちょっとミステリアスに語りかける様なタイトルはこの映画の雰囲気にピッタリ。
一方「NY心霊捜査官」というタイトルだけを見て、ここまでシリアスでグロテスクな内容を想像できるのか疑問に思います。

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この映画のターゲットとなる、シリアスなオカルト映画好きには伝わらなさそうで、このタイトルはもうちょっとどうにか出来なかったのかと。
きっとタイトルだけを見て鑑賞し、ガッカリしたり良い意味で期待を裏切られたとか言う方も多そうです。

警官と神父の名コンビ

嫌な予感を感知する特殊な能力を持つ警官と、

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悪魔祓いを副業にし、悲しい過去を持つ神父。

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全く接点の無い二人がある事件をキッカケに知り合い、お互いに過去の過ちや汚点を語り合い、最後には二人で悪魔と対するのですが、なかなかの名コンビっぷりを見せてくれます。

警官には最初ピッタリの相棒が居るのですが、途中で殺されてしまい、それまで(警官&相棒)と脇の方に(神父)となっているんですが、最終的に(警官&神父)という、昨日の敵が今日の味方ではないですが、その相棒ドラマも見ていてなかなか魅力的なポイントでした。

特に最後の悪魔祓いのシーンは一番の見所なんですが、そこでタッグを組んだ二人の名コンビっぷりは見応えがありました。

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ただし、そこもそれまでミステリアスでクールに描いていた分、その悪魔祓いのシーンも、あれ?実話だよね?と再確認したくなるほど盛り上げすぎて少し浮いてしまっていた様な。

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謎シーン

粗を探すのはあまり好きではないのですが、一つだけ。
最後に取調室で悪魔祓いをするのですが、2人だけにしてくれと、警官と神父の二人で悪魔祓いをするのですが、そこで同僚の黒人が隣のマジックミラールームに入ってこっそり悪魔祓いを目にするのですが、あのシーンはどういう意図があったのか。

最初、悪魔祓いを見てしまったこの黒人に悪魔が乗り移ってもう一つパニックがあるのあなーと思っていたら、本当にただ傍観してるだけで終わってしまいました。
わざわざ意味深にあの黒人にスポット当ててシーン割りする意味があったのか、謎でした。

続編は?

原作を読んでいないので分かりませんが、内容を丸々映画化したのなら続編の期待は薄いです。
が、最後の警官と神父のコンビはなかなか魅力的だったので、このまま終わらせるのは少し勿体ないように感じてしまいます。
これから二人で悪魔祓いの旅に出るという展開も面白くもあります。

ただし実話原作からフィクション作品に繋げるというのは考えにくいので、これ以上の展開は無いと思います。

この作品を観るには

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