映画『チャッピー』感想(あらすじ&ネタバレあり)

と、ニンジャを捕らえていたムースの照準がヨーランディに。
放つ銃弾が当たり、倒れるヨーランディに駆け寄るチャッピー。
と、近くに手榴弾のリモコンが。
チャッピーがそれを手に取りスイッチオン。

大破するムース。
テトラバール社ではムースの制御を失い、落胆するヴィンセント。

すでに絶命してしまったヨーランディに悲しむチャッピーと、駆け寄り泣き崩れるニンジャ。

その後、チャッピーは敵を倒してくる!とニンジャに言い、ディオンを乗せた車を走らせテトラバール社へ。

と、そこでヴィンセントと鉢合わせるチャッピー。

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果たしてチャッピーはこの事態をどう乗り越えるのか。
そしてディオンの運命は。

ラスト10分で物語は急展開を迎えます。

この作品を観るには

感想とか

ロボアクション×ロボドラマ

アクション性もさることながら、ドラマ部分も魅力的に仕上がっている本作。
ロボット達の迫力ある戦闘シーン

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感情を持ったロボット チャッピーの切ないサクセスドラマ

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最終的な部分をもうちょっと掘り下げて欲しかった点はあるものの、ロボットによるアクション、ドラマ 双方でとても見応えがある作品でした。

愛くるしいチャッピー

ただの人工知能ロボットと言う訳ではない、見た目は完全な機械なのに人の子のような無邪気さと素直さを持っているチャッピー。

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純粋さ故の過ちや、その成長過程が、どこか愛くるしい
そのチャッピーの成長過程がこの映画のほっこりポイント。

シャールト・コプリー

ニール・ブロムカンプ監督と言えば俳優シャールト・コプリーと言う具合に、毎回タッグを組む二人。
今作ではチャッピーのモーションキャプチャをシャールト・コプリーが担当。

人間が演じるロボットの動きも、チャッピーという人間くさいキャラクターの魅力として とても上手く表現していたと思います。

人工知能だけで終わらないテーマ

この映画のメインは人工知能ロボット チャッピーの行く末ですが、映画ラスト10分で急に動き出す本当の未知の領域こそがこの映画の真のテーマ
人工知能を超えて、人間の意識までもロボットに植え込むことができてしまう、人格と肉体の関係性が崩壊する果てしない物語

正直、後半までニール・ブロムカンプ監督らしい飛び抜けた展開がなかったなーと思っていた矢先の、この展開に思わずきたー!と目を見開くほど興奮しました。
本編ラスト10分の超展開に、こんな隠されたテーマがあったのか と、とても関心させられました。
ただのロボット映画だけでは終わらせない所がとても良かったです。

日本はオリジナルとは違うカット編集版

完全版ではR15指定でゴア表現(グロテスクなシーン)があったのを、日本では多くの方に観て貰うためにと、配給会社である日本のソニー・ピクチャーズがRG12指定に引き下げるため、グロテスクなシーンを省いて編集
これでお子様も鑑賞できます。としたのはよくある話で。

しかし、このカット編集を当のニール・ブロムカンプ監督が把握していなかったという話題がネット上で騒がれています。

ソニー・ピクチャーズは「監督の賛同を得た上で」と説明

しかし、Twitter上でファンにこの事について指摘されたニール・ブロムカンプ監督は寝耳に水のように「何も知らない」と。

https://twitter.com/NeillBlomkamp/status/588384478533287936

加えてワールドワイド版の編集しか知らないという。

https://twitter.com/NeillBlomkamp/status/588378251858292736

特にこの映画を楽しみにしていた分、できればワールドワイド版である完全版を見たかったと思うのは当然のこと。
たとえ作風を損なわない形で編集を加えた。としても編集された時点で損なわれてしまった要素があることは事実

特に死による展開と暴力の表現が大きく影響する物語だったので、そこを押さえ込んじゃ元も子もないと思います。

よくある監督の知らないところで確認もきちんとされず勝手に話しが進んでしまっていたのでしょうか。

テンション

日本人が見れば誰もが呆気にとられる、ラストの感動シーンでスウェットにカタカナで書かれた「テンション」の文字。
正直、ジーンと来ていた中で、服に書かれた「テンション」の日本語を見て思わず感動も吹っ飛び、そのシュールさにニヤリとしてしまいました。

ディ・アントワード(Die Antwoord)

日本ではあまり馴染みがないかも知れません(私も本作を見た後に知りました)が、ディ・アントワードという南アフリカの二人組ラップグループが本作には芸名そのままの役名(ヨーランディ、ニンジャ)で出演。

その「テンション」スウェットも、実際にディ・アントワードがライブで履いていたもの。

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この二人、日本が大好きらしく、よく日本に観光にきているとか。
テンション」スウェットもファンを喜ばすポイントだったのかも知れませんが、あの場面での「テンション」はシュールすぎて人によっては笑ってしまう方も少なくないかと思います。

何より、ディ・アントワードを知らない日本人にとっては、あのシーンはこの映画最大の謎だったと思います。

この作品を観るには

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