映画『エンダーのゲーム』感想(あらすじ&ネタバレあり)
エンダーのゲームとは
時は未来。昆虫型のエイリアン”フォーミック”との宇宙戦争が巻き起こり、それ以来お互いに にらみ合いが続き50年。
人類はフォーミックの襲撃に警戒をしつつ、人類の存続を願うべく世界中から優れた少年少女達を集め、フォーミックと戦う為の訓練を叩き込んだ。
その中の一人 少年エンダー。
そのエンダーの成長と葛藤を描いたSF映画です。
話がスルスルと進んでいくので、じっくり映画を楽しむ人はちょっとついて行けないかも。
原作があることを映画を観た後に知ったのですが、一応内容は部分的ですが理解できました。
ただし観ていて所々不明な部分や不可解な場面があったので、その辺は原作の内容を多少拾いきれていなかったのかも知れない。
原作がどう描かれているか分かりませんが、観た後にもスッキリしない部分が多いです。
予告編
あらすじ(ネタバレ)
この作品を観るには
感想とか
エンダーのサクセスストーリー
本作はいじめられっ子エンダーがリーダーシップを見せるまでの成長を描いた作品で、中盤からのエンダーの様変わりが観ていて「おお、かっこいい!」と思わせてくれます。
特にエンダーがドラゴン隊のチームリーダーになったときのメンバーに対する対応や態度には感動させられます。
そしてエンダー自身のフォーミックに対する葛藤など。
ただ、この葛藤が場面場面ですぐに解決して
「どうしよ・・・」→「よしそうしよう!」
とすぐに立ち直ってしまう点が、ちょっとついて行けなかった。
「エンダーが悩んでる・・・」より「また情緒不安定か」と思えてしまったのは残念。
不可解な部分が多い
冒頭にある世界設定がほとんどダイジェストなので、いきなりその内容をきっちり理解して入り込めなかった。
エンダーの兄が何故エンダーに対して強く当たるのかなど、不可解な部分が回収し切れてないのが気になって、スッキリしない。
最終的にオペレーションしかしない子供達が何故宇宙空間で体を張って打ち合いゲームなどをしなければならないのか。
何故それが訓練とされるのか。
状況判断と対応を伸ばすための訓練だとしても、体を張る必要はあったのか。
全部シミュレーションで訓練すればいい話なのかと言う疑問は、作品自体の批判になりそうなのであまり深く突きません。
ただ、この訓練にどんな意味があるのか明確な説明が無いため、そこが最後までモヤモヤしてしまった。
どこかもの足りない
話がスルスルと進んでいく一方で、何故そうなったのか、どんな経緯を経たのかをスッキリと飛ばしているので、感情移入が難しい。
仲間との信頼関係ももうちょっと濃く描いてくれれば、最後みんなが集結する場面でもっと盛り上がったと思う。
そして意識不明になったボンゾのその後について全く触れられておらず、この辺もモヤモヤ。
これは1作完結で描くような作品でないように感じました。
無数の戦艦が美しく舞う
残念ながら近くの映画館では3D上映されていなかったので、仕方なく2Dで観たんですが、この作品の一番の見所であるシミュレーション場面。
見事なVFX映像は、非常に美しく細かな描写に感心する部分もありました。
が、しかし全体を通すとそれも一部分で、戦っている最中も結構顔アップが多いので、その映像をたんまり楽しませてくれなかったのは残念。
もうちょっと観客をもう一人のドラゴン隊として映像を見せてくれたら鳥肌ものだったかも知れない。
そして宇宙空間での演出。
これは先に公開されたゼログラビティを観た後だと少しショボく見えてしまった。
冒頭で宇宙空間にあるバトルスクールに向かうロケット内での、子供達が腕をプカプカさせるだけという無重力の表現に少し笑えてしまったが、それ以外ではそれなりの無重力感を出していました。
目を引く豪華俳優陣
主人公エンダー役のエイサ・バターフィールド。
「ヒューゴの不思議な発明(2011)」から数年しか経っていないのに、結構大人に成長しており、髪型もだいぶ違っていたので、また印象がガラッと変わって、違った表情を見せてくれました。
そして誰もが知るハリウッドスター、ハリソン・フォード。
ハリソン・フォードと言えば体を張ったアクションが特徴ですが、今作では大人の企みを持った冷血な大佐役。
私の見解ですがハリソン・フォードの良さが全く出ていないように感じてしまい、宝の持ち腐れ感が否めませんでした。
そしてこちらも名優ベン・キングズレー。
英雄メイザー・ラッカムを演じるのですが、特異な師匠肌を見せてくれるのかと期待したら、昔話を語るだけ語って、それ以降はあまり登場せず。
ちょっと本作はハリソン・フォードとベン・キングズレーの使い所を持て余してる。
個人的注目はボンゾ・マドリッド役のモイセス・アリアス。
キャラクターの小者っぷりを見事なまでに表現してくれている。
エイサ・バターフィールドは比較的表情が固めなので、微妙な表情の変化など、特に長けて見えた。
今後の活躍に期待できます。
続編について
原作である小説は長編短編を含め、20以上の話が作られており、現在も続編が書かれている最中。
今作はそのシリーズの中から「Ender’s Game」と「Ender’s Shadow」の2つの話をまとめたものとなっている。
この様に原作もまだまだストックが沢山あるということで、続編の話は出ていないものの、可能性は低くないと思いますが、全米での映画公開後、するするとランキングを落としていったのがちょっと気になるところ。
DISCUSSION