何故だと言うディランに、あなたが私を愛しているからと言うレベッカ。
もうこの生き方には限界だと、一方的に交信を閉じるレベッカ。
悲しむディラン。
その後、立ち寄ったバーでレベッカの視界が舞い込んでくる。
それはどこかに隔離されようとしている光景。
ディランをそれを見ると、考えるよりも先に行動に出ていた。
持っていた有りっ丈の全財産を握りしめて、飛行機に乗りレベッカの元へ。
そこで待ち受ける新たな弊害。
果たして二人の運命は。
ディランとレベッカは出会うことができるのか。
この作品を観るには
感想とか
不思議な絆
それまで接点のなかった男女二人が、ある日突然テレパシーという不思議な力で繋がる。
離れた場所の相手と会話ができるだけではなく、相手の心情や見ている情景、触れた感触や肌で感じる温度など。
普通では共有できない部分も共有しているので、ただの遠距離恋愛では味わえない付加価値の面白さが目を引き、飽きずに見ることができました。
少女漫画
その交信のやりとりも、どこか思春期を思い出させるように四六時中キャッキャ楽しく会話する二人。
周りからの目を気にして電話をかける振りも、最終的には周りが見えなくなるぐらい交信に夢中になってしまう所は、まさに思春期を思わせる。
王道の恋愛映画と言うより、特殊な設定がある少女漫画を見ているような感覚でした。
交信している相手と会おうという意思表示が無いまま、後半からラストにかけて、相手を求めてただひたすら前だけを向いて突っ走る感じなんてまさに少女漫画さながら。
結果的に、この後がどうなるのかなんて関係無い!と言った具合に走り続けたまま終わるので、少し消化不足というか、この後待ち受ける困難が気になって、完全にスッキリした気分になれなかったのが少し残念でした。
結局 夫は良い奴?
この映画で一番可愛そうな、浮気される夫フィリップ。
元々精神的に障害を持っていた妻に付きっきりで看病し、共に乗り越え結婚。
妻が別の男と浮気後、妻に再び精神的に危ない兆候が現れ、フィリップが妻を精神病院に入れるが、妻はフィリップが浮気を疑って監禁したと思い込み、フィリップが恐怖でしかなくなり、浮気相手と脱走。
その脱走の際に妻から顔面パンチを食らうフィリップ。
全て妻のためを思ってやったことが裏目に出てしまったフィリップ可愛そう。
何より、浮気されるフィリップが最後まで良い奴だったのかも知れないと言う立ち位置なのもどうかと思いました。
妻が精神的に病んでいた際に、フィリップから性行為されたというエピソードも、病んでた上に”多分”というニュアンスだったのも、フィリップを完全な悪役にし損ねている大きな要因。
なので最後までフィリップが悪い夫に成りきれていなかったので、主役二人の恋愛を素直に喜べなかったのが残念。
この映画の本当のテーマは恋愛とは別の、もっと深く暗いテーマなのかも知れません。