映画『アナベル 死霊館の人形』感想(あらすじ&ネタバレあり)

押し出されたエヴリンが目を覚まし、部屋のドアを叩くが、ミアには届かない。

そこに急いで帰ってきたジョンが。

annabelle_30

ジョンは家のドアをぶち破り、奥の部屋に行くと、人形を抱いて窓の縁に経つミアが。

やめろ!と制止するジョンとエヴリン。

だが、娘を助けるというミアは二人の意見をまるで聞かない。

そしてついにミアは窓の外へ身を投げ出す。

果たしてミアの運命は。
レアは戻ってくるのか。
そしてエヴリンがミアの為に取った行動とは。

エンドロール前に現在アナベルの人形はこうやって管理されていますとの説明が入ってエンドロール。

この作品を観るには

感想とか

「死霊館」との関係性

本作は2013年に公開された映画「死霊館」のスピンオフとして位置づけられていますが、「死霊館」を見ていなくても問題が無いほど「死霊館」との物語はリンクしていません。

冒頭は「死霊館」そのままのアナベルと言う人形のエピソードを語る看護師のシーンが流れますが、それ以降は、「死霊館」に出てきたウォーレン夫妻もアナベル事件に大きく関与していないので「こういう夫婦が居る」としか出てこず、最後は「人形はウォーレン夫妻の家に厳重に保管されています」という説明で終わりました。

時系列も 「アナベル」→「死霊館」 なので本作を見た後に「死霊館」を見ると、「死霊館」にもアナベルが出てきて事件を起こすので、より楽しめるかと思います。

実話?

前作の「死霊館」と同じく、この作品も実話を元に描かれています。
アナベルという呪われた人形も実在していますが、
実際のアナベル人形はこの映画のように不気味なものではなく

annabelle_36

こんなに可愛らしい「ラガディ・アン」と言うキャラクターのぬいぐるみです。

annabelle_47

これが実物のアナベル人形です
が、見た目に反して、その人形が起こした事件は気味が悪いものばかり。

信じるか信じないかはあなた次第ですが、このエピソードも踏まえて見るとより怖さが増すと思います。

怖さは弱め

「死霊館」と比べると、全体的に怖さの雰囲気が弱く、恐怖ポイントも少なかったです。

平凡な日常に差し込む恐怖というものを描きたかったのか、その代償に怖さの雰囲気作りが甘く感じました。

普通の家庭にある不気味な人形。
その人形が不気味なだけで、ほかの情景にあまり恐怖感がありませんでした。

annabelle_45

ギャップを狙ったと思われるこの雰囲気も終盤に向けて徐々に恐怖感が上がっていけばもっと入り込めたのかも知れませんが、
「怖い! → 休憩 → 怖い! → 休憩」
と最後の最後まで平穏な日常が差し込まれるので、ビクビクする気持ちが落ち着いてしまったのが残念でした。

出てくる悪魔の姿もあまり恐ろしさが無く、結構ハッキリ見えてしまっていたので、もうちょっと悪魔の部分をボカすなりして、よくわからない恐怖ってのもアリだったんじゃないかと。素人ながらそう思いました。
この人形の後ろに悪魔が居るのですが、

恐怖演出は凄い

しかし、一つ一つの演出は素晴らしく、ゾクゾクしました。

特にドアの向こうに居る少女が走って向かってきて、それと同時に閉まるドアをはね除けてドアが開いた瞬間に女性の霊に変わって襲いかかってくるカットは予告編で何度も見たのに鳥肌が立ちました。

ちなみにこのシーンは1976年公開のホラー映画「ザ・ショック」のオマージュなんだとか。

他にも人形だと思って叩きのめしたのが実は自分の子供だったシーンは色々な怖さが混じっており、絶望感が凄かったです。

それら恐怖シーンのアイディアは見たことなかった演出も多く、どうせこうなるんでしょ?と言う展開もありましたが、想像してなかった展開もあったので面白かったです。

人形も下手に動かさず、微動だにしない恐怖感があって良かったです。
まぁ最終的に動かしちゃったときは「ああ…」って思いましたが。

もっと悲しんで!

ここは見た人の大半が突っ込んだ部分だと思います。

ラストで、夫婦の妻が悪魔に命を差し出して子供を助けようと自殺を図るのですが、そこで友人が代わりに自らの命を差し出し、夫婦の制止を振り切って自殺をしてしまうシーンがあるのですが。
死んでしまった友人を悲しんだ、直後に悪魔によって隠されていた子供が返されて、すぐに笑顔で夫と共にハッピーモード。
死んでしまった友人を悲しむ余韻が短すぎて、ここはもうちょっとどうにかならなかったのかと。

序章作としては有り

これが「死霊館」までを含めた作品だと見れば全て納得のいく出来だと思います。

「死霊館」への展開を考えてみると、とても良い序章となっています。
とくにこのアナベルという恐怖キャラクターがその後またひと悶着起こすので、その辺りの興奮があるかも知れません。

しかしやはり「死霊館」と比べると怖さはもうちょっと欲しかった。
こちらが先に公開されていればと悔やむ部分はあります。

続編は?

なかなか好調だったようで、既に続編の製作がアナウンスされています。

脚本は引き続き本作でも脚本を担当したゲイリー・ドーベルマンが続投。
監督はジョン・R・レオネッティから変更になる模様です。

公開時期はまだ未定ですが、こちらはあくまでもスピンオフ。

本筋の「死霊館」の続編「The Conjuring 2」は2016年6月10日に全米公開予定です。
こちらはジェームズ・ワンが再びメガホンを取ると言う事で期待です。

前編「死霊館」の感想

この作品を観るには

1 2 3