映画『猿の惑星:新世紀』感想(ネタバレ&あらすじ有り)

激しい争いの末、コバは鉄筋に片腕で捕まり宙ぶらりん。目の前の仁王立ちするシーザーを見上げる状態に。
「猿は猿を殺さない」と言うコバに「お前は猿では無い」と告げるシーザー。

一方、爆破を制止していたマルコムにドレイファスが既に軍事基地と連絡が着き、すぐに軍がやってくると説得。

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しかし一向に耳を傾けないマルコムに、ドレイファスは「俺は人類を守ろうとしている!」とマルコムの隙を突いて爆破スイッチを押す。
そして爆破に巻き込まれるドレイファス等とマルコム。

果たしてシーザーの運命は。
マルコムの思いはシーザーに伝わるのか。

エンドロール後はちょっとした音声のみ。

この作品を観るには

感想とか

10年間の歳月

前作から10年後の世界と言うことで、ウィルスで大半の人類の命が失われ、生き残ったわずかな人等が半ジャングルと化したサンフランシスコ街で生き延び、

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一方で猿たちもサンフランシスコを後にし、すぐ近くの森で新たな住処を築き、立派な一族を作り上げ、

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人間の住み良い環境が減っていく中で猿たちが増えていく様子と、再び相まみえた両者が生き残りを賭けて戦う様子がまさに新世紀。

シーザーの葛藤

良い人間と接してきたシーザーだからこそ分かる人間の良さ。
しかし猿たちのボスとして自分と同じ仲間達を思う気持ちもある。
この二つの天秤に賭けられた苦悩が、見ていて心が締め付けられます。

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猿と人間との関わりを大きく変えてしまうかも知れない決断が本作では何度かあり、その中でのシーザーが下す決断と葛藤も見応えがあります。

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猿は猿を殺さないと言う一族の掟というものも、この作品を深く考えさせられるポイントでもあり、
それ故にラストでシーザーが同士に対する報復への決断にも大きな意味と重さが窺えました。

育ての親との思い出

前作でシーザーを育てたウィル。
今作では監督とキャストが一新され、ウィルの登場も絶望かと。
しかし予告編でウィル家の窓がチラ見できたので、何かしらのエピソードが盛り込まれるのか期待してました。

そして劇中で、衰弱したシーザーが再び家に戻ると言うニクい演出。
と、懐かしのビデオを見るシーザー。

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それまでウィルとの話など一切触れてないので、私はここで涙腺をノックアウトされました。

あんな別れ方をしても、ずっとウィルのことを忘れていなかった。
それよりシーザーという名を捨てないで居てくれただけでも泣けます。

相変わらずの猿へのこだわり

猿の惑星と言うことで、前作動揺、それ以上に猿の動きや見た目などへのこだわりに感心します。
シーザー役は前作からアンディ・サーキスが続投しており、言わずと知れた猿のキャプチャーではスペシャリスト。

特に今作では”表情”にこだわっており、役者の顔にキャプチャーカメラを向けて表情までをキャプチャー。

キャプチャー収録メイキング

ロケット役 テリー・ノタリー 猿の動き講座

シーザー役 アンディ・サーキス インタビュー

より猿が人間に近づいた証として、細かな表情の変化を意識しているのだとか。

少しボリューム不足?

前作が物語の発端となって、猿たちの急激な成長と周りの人間をスルスルと超越していくスピーディーな展開が見ていて楽しかった反面
今作は人間と猿の攻防戦なので、ジワジワと進む物語に少し中だるみ感を感じてしまいました。

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特に今作は猿たちにスポットを向け、猿たちのエピソードを掘り下げる内容となっているので致し方ないのですが、もうちょっと物語を揺るがすような事件も欲しかった。

結果的にいよいよ次回作で大決戦!という橋渡しとも思えてしまう前哨戦のようなものに感じてしまったのも正直なところです。

次回作は

既に2016年7月29日に続編を公開予定であると発表されています。
監督は今作のマット・リーヴスが続投する予定だそうです。

物語も今作のラストで軍が向かってきているとの話もあったので、次回はいよいよ戦争!?と。
今作では猿の人間への考えが濃く描かれていたので、次回作では人間の猿への思いというものを描いて欲しい。

個人的には再びウィルの再登場も期待してしまいますが、どのタイミングで再会するかってのも気になるところではあります。

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まさか既にウィルスで亡くなってるなんてパターンは避けて欲しい。

この作品を観るには

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