メイズ・ランナー とは

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メイズ・ランナー
(原題:The Maze Runner)
日本公開日:2015年5月22日

何者かに記憶を奪われ、四方が壁に覆われた集落に突然送り込まれた主人公トーマス。
同じように記憶を奪われた仲間達と壁の向こうに張り巡らされた巨大迷路に立ち向かう。

オススメポイント

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家族と見る:

お子様と見る:

この世界観にのめり込めれば、一緒に迷宮を走り回っているようで楽しいです。難しく考えずに、簡単に構えて見ると楽しめると思います。ハンガーゲームのような映画をイメージしてると、良い意味で裏切られます。性的なシーンはありませんが、グロテスクな描写が多少。

ジェームズ・ダシュナー著書「メイズ・ランナー」シリーズを映画化した全三部作の第一作目です。 監督には、これが長編初作品となるウェス・ボール。さらに注目の若手俳優ディラン・オブライエン、キー・ホン・リー、トーマス・サングスター、ウィル・ポールター。などゾロゾロ。

予告編

これより下記にはネタバレが含まれます

※これ以降は筆者の感想と共に作品の内容に深く関係する記述が多く含まれます。またこれは筆者の私見であり、矛盾や間違い等がある場合があります。それら全て含め、予めご了承頂いた上でご覧下さい。

あらすじ(ネタバレ)

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鉄格子の檻の中で目覚める青年。

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勢いよくリフトで上昇していく檻。
状況が把握できないまま、ひたすら上昇していく。
ふと青年が上を見上げると、リフトの終着点が。

鉄格子の扉が開くと、そこには沢山の少年や青年が。

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檻が開けられ、「新入り」と呼ばれる青年は外に出され囲まれパニック。
走って逃げ出すも途中で転んでしまい、皆に笑われる。

立ち上がった青年が見たのは、四方が高い壁に囲まれた封鎖された土地だった。

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その後、竹で作られた牢屋に入れられた青年。
何故かなにも思い出せない。

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するとそこにアルビーという男が。
アルビーは記憶が無いことにパニックになる青年に、皆同じように記憶を消されてここに送られたと。
しかし名前だけはいずれ思い出せると。
アルビーは「もう逃げるようなマネはするな」と、牢屋から出してくれ、集落の説明をしてくれる。

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集落には月に一度、新たな人間と支給品が配送されてくる。
集落には100人以上の男のみが送られ、その支給品を使って畑を作ったり、家畜を育てたり、壁の中で生活をしている。
集落には3つのルールがある。
1.みんなと協力する
2.人に危害を与えない
3.壁を乗り越えない
これを守って、みんな信頼関係で生活していると。

そしてチャックという少年と出会い、寝床に案内される。

すると青年が壁を近くで見てみたいと、そこだけ壁の中で唯一扉が開いている場所へ。

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チャックは見るだけ、絶対に外に出ようとするなと念を押す。

すると扉の向こうから人が走って入ってくる。
出てきた人と挨拶を交わすチャック。
それはランナーと呼ばれる、唯一外に出て良い存在。
ランナー以外、みんな外には出たことがなく、外の状況は噂程度にしか聞いたことがないが、どうやら迷路になっているらしい。

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と、さらに扉に近づく青年。
するとその青年が出て行くと思ったギャリーと言う男が青年にタックル。

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青年は なんでみんな秘密にしているのかと、それに逆上
俺は出て行く!と言うと、突然その扉がうなりを上げながら閉じていく。

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その夜は月に一度のお祭り。
キャンプファイヤーで盛り上がるみんな。

そこでニュートと言う男から色々教えて貰う青年。

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ランナーは複数人居て、そのリーダーはミンホ。
地図を作って出口を探しているが、既に3年を費やしていると。

すると壁の外から轟音が。
迷路は毎晩変化している。
さらに迷路にはグリーバーと呼ぶ何かが潜んでいて、扉が閉ざされた後に迷宮に居て帰って来れた者は居ないと。

すると祭りの盛り上がりは最高潮。
ギャリーが相撲で相手を募集。
そこに青年が。
さっきの扉での因縁の対決。
と、互角の中から倒される青年。と、倒れた際に頭を打ち付けてしまう。
そこで色々な情景が思い出される。
青年は自分の名前が”トーマス”だったことを思い出し、名前を思い出したことで、やっと周りから仲間として受け入れられる。

翌朝、集落の現状について色々聞くトーマス。

今の状態に落ち着くまで色々な出来事があったこと。
トーマスが送られてきたように鉄格子から戻るにも、誰かが居ては動きすらしないと。
唯一の出口は迷路のみだと。

作業に身が入っていないトーマスは森へ肥料を取りに行くことに。
と、森の中でランナーのベンと出会う。
あまり話したことのなかったベンと話そうとすると、どこか様子がおかしいベン。
すると、突然ベンが「お前を見た。お前のせいだ」と言い、トーマスに襲いかかってくる。

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逃げるトーマスの悲鳴にみんなが集まり、ベンを取り押さえる。
と、何かを疑ったアルビーがベンの服をまくると、毒に侵されたようにただれた傷が。
「刺されてる」と言うアルビーの言葉に、急に怯え出すベン。
グリーバーに刺され、感染すると悪化し続け、さらに危険な状況になると言うアルビー。

その後、みんなの手によってベンは迷宮に追放される。

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何故そんなことをするのか理解出来ないトーマスにアルビーが、彼は迷路に帰ったと。
誰一人としてベンの帰りを望んでいないその状況にゾッとするトーマス。

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翌日。
ベンの感染を危惧し、ランナーのミンホに加えてアルビーも迷宮へ。
アルビーはこの集落に一番最初に来た人物で、ここの事は一番よく知っていると。

が、閉門の時間になっても帰ってこない。
集落の皆は必ず帰ってくるから心配するなと言うも、いつもとは違った雰囲気に誰しもが二人の帰りが遅いのを気にしていた。
自然と扉の前に集まるみんな。

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と、扉が動き始める。
その瞬間、迷路の奥で負傷したアルビーを担いだミンホが。

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閉まり始めてる扉に精一杯向かうが、間に合わない。

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と、みんなが諦めかけた時、トーマスは考えるより先にミンホ達の元へ走り出していた。

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そして扉は閉まり、迷宮の中に閉じ込められたトーマス、ミンホ、アルビーの3人。

アルビーはグリーバーに刺されたのか、感染しており、意識は無い。
トーマスとミンホはアルビーを担いで迷路の奥へ。

が、アルビーを担いでいてはグリーバーが来た時に不利になると。
アルビーを隠す為に、壁に張ったツルを利用して上に上げることに。

が、その作業中にグリーバーの姿が。
ミンホはトーマスに誤りを入れて逃げてしまう。
取り残されたトーマスはなんとか身を隠し、グリーバーに気付かれず難を逃れ、たと思った矢先、グリーバーに見つかり迷路を走り逃げる。

どれだけ逃げても追いかけてくるグリーバー。

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と、そこにミンホが、こっちだ!と。

ミンホが向かった先で変化する迷路。
と、トーマスは何かを考え、グリーバーを挑発。
追ってくるグリーバー。
と、変化する迷路に挟まれるグリーバー。

翌朝。
集落の扉が開門し、3人の生還に喜び、グリーバーを倒したことに驚愕するみんな。

そして集会場では、この出来事について話し合うことに。
ギャリーはトーマスの行動に嫌悪感を抱くが、一番近くに居たミンホはトーマスをランナーに任命。
当然ギャリーは反対。

と、突然外が騒がしくなり、月一の支給とは例外に突然鉄格子が届く。

鉄格子の中には、気を失っている女性が。

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その女性の手に握られた紙には「これが最後」との文字。
と、女性がうなされる際に「トーマス」との言葉を。

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決められた日以外に支給が届き、手紙の内容や初めて女性が送られたという異例にざわつく集落。
そして、もしこれが最後の支給だとしたら、あとどれぐらいの有余があるのかなど、とにかく気にするトーマス。
が、周りのみんなは、後で考えようなど危機感がまるで無い。

その様子を見て迷路に行こうとするトーマス。
こんな時間から行くのは馬鹿げてると言うみんなに、殺したグリーバーの様子が見たいと言うトーマス。

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に、ミンホが一人で行こうとするなと、同行することに。
そして迷路に戻り、グリーバーの元へ。

と、グリーバーの本体から放たれるLEDの光のようなものが。
それを取り出すと、何か装置のような機械と、7という表示。

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それを持ち帰り、集落で見直すと、見覚えのあるロゴが。

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それはトーマス等が支給された檻にも書かれていた。
グリーバーを作ったのは、みんなをここに送ったのと同じ人物であると。

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と、再び集会場でトーマスの勝手な行動について、トーマスをよく思っていないギャリーが罰を与えるべきだと賛同を募る。
勝手に迷路に行き来することはおかしいと言うギャリーにニュートが、それならトーマスを正規なランナーとすればいいと。
それにはみんな同意。
呆れたギャリーは集会場を出て行く。

その後、ミンホがこれまで作ってきた迷路の地図をトーマスに見せる。

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ミンホが言うには、迷路のほぼ全ては解明済み。
どこにも出口はない。と。
みんなに少しでも希望を残すために、これまで黙ってきたと言う。

しかしトーマスの行動によって希望が見えてきたという。
迷路には全てで8つの区画があり、規準通りの順番でその区画が開くが、昨日だけはその規準を逸れて7番目の区画の扉が開いていたという。
明日再び調べようと。

その後、目を覚ました女性と話すトーマス。
少女の名はテレサ。
トーマスは集落に来てから何度も見た夢など、テレサと同じ記憶を持っている事を知る。

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と、テレサがポケットにこれが入っていたと、なにかの血清をトーマスに手渡す。

トーマスは一か八かで、それをアルビーに投与。

翌朝、トーマスとミンホは迷路の中へ。
やはり開いているはずのない7区画が開いており、奥へ。

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が、その先は行き止まり。
と、諦めかけた時、グリーバーの体内から取った機械が反応し、扉が開く。

ミンホも知らない未知の空間が広がっていた。

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そしてさらに奥に行こうとした時、何かのセンサーが作動。
突然扉が閉まり始める。
猛ダッシュで来た道を走り戻るトーマスとミンホ。

数あるトラップのような仕掛けもなんとか走り抜けて集落に帰る。

が、そこには激怒したギャリーの姿が。
余計なことをするな。お前が来てまだ3日だ。俺は3年も居るから言う事を聞けというギャリー。
が、トーマスは 俺は見つけた。お前は3年も居てまだなにも見つけてない。

その後、アルビーが目覚めたことを知り、アルビーの元へ。

出口を見つけたかも知れないと言うトーマスに。
ヤツ等が逃がすわけがない…と絶望感にうつむくアルビー。

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全部思い出したというアルビーは、トーマスはヤツ等のお気に入りだった。なぜお前がここに居る?とトーマスに詰め寄る。

と、そこに閉門の時間を過ぎたのに門が閉まらないとの知らせが。
実際に見に行くと、確かに門は開いたまま。

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それどころか、轟音と共に、今まで閉ざされていた他の扉まで開き始める。

と、そこにグリーバーの姿が。
無数のグリーバーが集落に入り込み、次々と人を殺していく。
逃げ惑う仲間達。

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そして集会所に逃げ込むが、そこにもグリーバーの魔の手が、

グリーバーに捕らえられるチャックをアルビーが救出するが、逆に捕らえられてしまう。

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アルビーを掴むトーマスだが、アルビーはトーマスに「皆を逃してやれ」という言葉を最後にグリーバーに飲み込まれてしまう。

しばらくした後に静まりかえり、外に出るとそこには見るも無惨な光景が。

そして逃げ切ったギャリーがトーマスに「お前のせいだ!」と。

ショックを隠しきれないトーマスは
全てを思い出すと言い、グリーバーから外した針を自分に突き刺し倒れる。
意識が朦朧とし、気を失うトーマス。

そして色々な記憶がフラッシュバック。

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しばらくして目を覚ましたトーマス。
周りにはテレサ、ミンホ、ニュート、チャック等。

トーマスは全て思い出し、事実を語り始める。

ここは監獄でも刑務所でもない。実験施設だと。
子どもの頃から施設で実験され、次々と迷路に送り込まれた。

しかしトーマスとテレサは送り込まれる側では無く、送り込む側の人間だった。
そしてこの集落をずっと監視していた。
何故ここに来たのかはまだ分からない。

その事実に落胆するトーマスとテレサ。

それを聞いたニュートが、今何をするかが重要だと。
トーマスがやってきて迷路に入り、出口を見つけたことは事実。
アルビーの死を無駄にするなと、トーマスのやる気を戻す。

トーマスが倒れている間に、集落がギャリーによって制圧。
しかし、トーマスの作戦によって形勢は逆転。
共に出口を目指す同志を呼びかけ、ギャリーの戦意は喪失。

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そして迷路を進み、トーマスとミンホが見つけた出口まで向かうが、そこはグリーバーの巣窟となっていた。

みんなで力を合わせ、グリーバーを倒すが、切りが無い。
戦いで仲間を失いながらも、その中でなんとか閉ざされた扉の謎を解き、辛うじて脱出。

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そしてその先には「EXIT」と書かれた扉が。

果たしてその扉の先には何があるのか。
そしてトーマス達に告げられた本当の事実とは。

さらにトーマス達の前に立ちはだかる最後の障害。そして誰かの死。

その後に待ち受ける更なる展開とは。

この作品を観るには

感想とか

見ている側も迷い込む

この映画では、主人公トーマスの視点で物語が進んでいきます

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いきなり謎の閉ざされた土地に送り込まれるトーマス。
そしてトーマスと共に一つ一つ学習し、謎を解き明かしていきます

主人公以外の他のキャラクターの視点が描かれない為、どのキャラクターが信用できるのか、信用できないのかなど、全てトーマス目線で見極める。その辺りを意識して見ていくと凄く面白いです。

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迷路に迷い込んだ後も、迷路自体はあまり大したスケールではありませんでしたが、どちらに行けば正解なのか分からない中で奮闘するトーマス等の活躍は見応えが抜群でした。

そうした出来事の中で確立されていく仲間との絆。

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展開としてはよくあるパターンもありましたが、映像の構成や展開がきちんとしているので、見ていて飽きを感じませんでした。
映画の登場人物だけではなく、観ている自分も巨大迷路を走り回るメイズランナーのように、一度でものめり込めれば映像でのドキドキや、ハラハラ感をより楽しめると思います。

迷路が迷路ではない

ここを否定するのは原作を否定してしまうことになってしまいますが、きっとこの映画の予告編を見た方のほとんどが「巨大迷路を探索する」という所に魅力と興味を持ったことと思います。

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しかし蓋を開けてみれば、迷路に囲まれた集落でその迷路に怯え、一歩迷路に入れば、迷路を熟知している案内人によって迷わず簡単に攻略できてしまう。
なので迷路の解明に期待した人にとっては残念な展開が繰り広げられます。

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ただこの巨大迷路も、今後起こる展開の中の、小さな一部にしか過ぎず、迷路の出口は、巨大な陰謀に絡む迷路への入り口なのかも知れません。

魅力的なキャラクター

本作には期待の若手や今後注目の俳優が沢山。

ディラン・オブライエン

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キー・ホン・リー。

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トーマス・ブローディ・サングスター。

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などなど、それぞれのキャラクターの個性を十分に引き上げ、どの役者も今後大成しそうな雰囲気が出ていて、とても魅力的でした。

次回作は

本作は全三部作とアナウンスされており、本作の原作である小説も三部作構成となっています。
原作では

「The Maze Runner(メイズ・ランナー)」
「The Scorch Trials(スコーチ・トライアルズ)」
「The Death Cure(デス・キュア)」

という構成で、1作目のメイズ・ランナーの前章に

「The Kill Order(キル・オーダー)」
「The Fever Code(フィーバー・コード)」

の二作も存在します。
残り映画化されるのは「スコーチ・トライアルズ」「デス・キュア」の2作となっています。

また、日本版では本作が上映後に続編「スコーチ・トライアルズ」の予告が上映されました。

続編「スコーチ・トライアルズ」予告編

私は本作をとても楽しく鑑賞できたのですが、次回作も絶対観たい!と思えなかったのが正直な感想で。

意外にも本作が綺麗な終わり方で締めくくってしまっていたので、満足感が大きく、次回作へのワクワク感が薄れてしまったように感じました。
本作で巨大迷路を出たあとすぐに映画が終わっていれば、次回作に少し興味が出たかも知れませんが、一つの物語をきちんと終わらせてしまった上に、その後に繋がる伏線が全然見えなかったので、次回予告を観てもあまり興味をそそられませんでした。
この期待感の無さを良い意味で裏切ってくれることを願っています。

その続編「スコーチ・トライアルズ」は2015年9月18日に全米公開予定です。
本作の公開スケジュールを踏まえると日本では米国より半年以上遅れた公開になるかも知れません。
どうやら日本での好調を踏まえて、全米に続いて近く秋に公開される予定になったらしいです。

こういう配慮は嬉しいですね。

この作品を観るには