映画『ワールド・ウォーZ』感想(ネタバレ&あらすじ有り)

ワールド・ウォーZ(原題:World War Z)
日本公開日:2013年8月10日

“ワールド”という題が付いている通り、世界中を横断するわけですが、主人公のラッキーマンっぷりには賛否両論ありそう。

ワールド・ウォーZ とは

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突如全世界に現れた大量のゾンビ達に襲われ、ゾンビ化してしまう市民。
そのゾンビウイルスの蔓延を防ごうとする主人公の葛藤を描いたホラー映画。

オススメポイント
怖さ:
一人で見る:
友達と見る:
好きな人と見る:
家族と見る:
お子様と見る:
結構なホラー映画なので、耐性の無い人は止めた方がいいです。ホラーゲーム好きなら楽しめると思います。

原作小説「WORLD WAR Z」の実写映画化で、当初は2012年12月公開予定でしたが、大人の事情や追加撮影、描き直しなどがあり、半年の延期を経ての公開となりました。

予告編では世界パニック映画みたいな仕上がりになってますが、内容は完全なゾンビ映画です。ゾンビパニック映画。
ホラー要素もあるので、ホラー苦手なのに予告編だけを見て見に来た人は少し残念かも。
ただ、年齢制限がないG指定であるように血がドバァと出たりショッキングなシーンも画面外であったり、刺激は弱いように感じました。

全体的に話のテンポが速く、飽きずに見れると思います。

原作ではまだ続きがあり、監督は3部作展開したいとの話もあるので興行収入次第では続編があるかも。


予告編

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これより下にはネタバレが含まれます

※これ以降は筆者の感想と共に作品の内容に深く関係する記述が多く含まれています。最低限の配慮はしていますが、今後作品をご覧になる際、先入観により純粋に作品を楽しめなくなる可能性があります。またこの感想は筆者の私見であり、矛盾点や間違いがある場合があります。それら全て含め、ご了承頂いた上でご覧下さい。


あらすじ(ネタバレ)

妻、娘二人と車で外出していたジェリー。

渋滞にハマって動けず、なぜか周りでは警官が慌ただしくしている。
明らかに様子がおかしい中、車外に出たジェリーは警官に「車の中に居ろ!」と注意をされ、運転席に戻った。
その瞬間、ジェリーに注意をした警官が後方から来た大型トラックに踏み潰されてしまう。

トラックは暴走を続け、渋滞で列を作っていた車を次々とはね除け、前進していく。
ジェリーは咄嗟に車でそのトラックの後に着いていく。

ついにトラックは途中で横転、ジェリーは脇道に抜けるが、前方に停車していた車に激突。
なんとか家族全員、車から脱出する。

パニックの人達で溢れかえる中、逃げ惑うジェリー一家。
そこで狂気に満ちた者が人を襲う姿を目撃する。
ジェリーは狂った者が人を襲い、襲われた人は約10秒で同じように狂い出すところを目撃。

走って逃げ、途中で乗り捨てられていたキャンピングカーに乗り込み、それで逃げることに。
エンジンを掛けた瞬間に車の窓から狂った者に襲われるが、妻の足蹴りで難を逃れる。

車で走っている途中、長女が持病の喘息で過呼吸に。
車を側道に止めた時、ジェリーの携帯に着信が。

相手は国連事務次長のティエリー。
ティエリーは世界中がパニックになっている。ジェリーの力が必要だ。とジェリーの居場所を聞き、助けを送ることを約束。

そして長女の喘息を治す吸引薬を最初の車に置き忘れてしまった為、近くのスーパーマーケットへ。

スーパーマーケットはもはや無法地帯。
次々と商品を持ち出す市民で溢れかえっていた。

そこの薬局で何とか吸引薬を手に入れたジェリー。
しかしそこで妻が商品の取り合いで人に襲われてしまう。
ジェリーは車にあったライフル銃で妻と争っていた人を撃ってしまう。

するとそこに警官が。
ジェリーは両手を挙げ、無抵抗だと示すが、警官はそんなことは気にせず、自分の欲しい物を取りに商品棚に。
警官も職務より我が身を、と言う中、駐車場に戻ると、車が盗まれてしまっていた。

仕方無く、近くにあったアパートへ逃げ込むことに。

そこの一室でとある一家と出会う。
その一家の息子、トミーは怖がる娘達を慰めてくれたり、夫婦もジェリー一家に親切にしてくれていた。

そして翌朝。
ティエリーの助けを受けるため、屋上へ上がることに。

トミーの一家にも一緒に来るように促したが、それを拒否。
ジェリー家のみで屋上へ向かうことに。

ジェリー達がトミー家の部屋を出た後、トミー家に狂った者達が襲来。
ジェリー達は狂った者達に襲われなが屋上を目指す。

途中で妻と娘を先に行かせ、ジェリーは抵抗する中、押し倒されてしまう。
その瞬間、部屋から何とか逃げ切った少年トミーがジェリーを助け、屋上へ。

狂った者の返り血を口の中に入れてしまったジェリーだが、10秒を経過しても豹変せず一安心。
屋上にはティエリーが派遣してくれたヘリが。
ヘリに乗り込み、海上にある国連軍の空母艦へ。

空母艦ではティエリーから、大統領が死に、他の代表とも連絡が着かず、指揮官が居ないことでパニックになっていることを知らされる。

そこにあった作戦室では「狂った者達はゾンビである」「いやそんな者は居るわけ無い」と色々な憶測が。
元国連捜査官であるジェリーは、ティエリーに職場復帰を促される。
しかし家族を守りたく、危険な国連捜査官には戻れないと一度断る。
そこに空母の艦長が。
艦長は、ここに役を持たない者を置いておくようなスペースは無い。
国連事務次長であるティエリーだが、指揮官が居ない今は国連より軍の方が優位な立場にいる為、私の力では助けられない。
ジェリーは家族を守るため、職場復帰を決める。

ジェリーは人を狂わす病原菌の元凶を探るため、軍用飛行機で韓国へ向かうことに。
韓国に着いて早々、狂った者達に襲われるジェリー達だが、そこで防衛戦を張っていた軍隊に助けられる。

現地の軍隊の基地へ行き、そこで狂った者達は”Z(ゼット)”と呼ばれており、Zは物音に敏感で、身体を撃てば動きは鈍くなり、頭部を撃てば動かなくなる。
Zに噛まれても10秒で豹変する者も居れば、20分経って豹変する者も居る。
そこに居た脚を古傷で負傷していた兵士はなぜかZに襲われなかった。
など色々な状況や感染のヒントを得ることが出来た。

そして、イスラエルはZからの襲撃に耐えていることを知り、ユルゲンという人物が何かを知っていることを知り、ジェリーはイスラエルへ向かうことに。

軍用飛行機への燃料補給も含め、現地軍の力を借り、大量のZからの襲撃を受けつつ、なんとか離陸。
機内での生存者は既に操縦士とジェリーの二人だけになっていた。

イスラエルへ着いたジェリーはそこでキーマン、ユルゲンと出会う。

ユルゲンはZの発生を事前に予測していたり、イスラエルの高い壁がZの進入を防いでいるなど説明を受ける。

すると突然壁の中にいる現地民がマイクとスピーカーを使い、歌い出す。
音量は次第に大きくなり、ハウリングしたり等、かなり騒がしくなり、ジェリーは「音が大きすぎる!」と、周りの兵士達も慌ただしくなる。
すると壁の外にいたZ達は音に反応し、壁に向かい網突進。
Z達が次々と重なり合い、ついに壁を超える高さまで。
Z達が壁を突破し、市民は大パニック。

市民は次々とZに襲われ豹変。
ユルゲンは近くに居た兵士達にジェリーを守り、逃がすように指示。

ユルゲンと分かれたジェリーは兵士達に促されるまま、Zの襲撃を交わしつつ、乗ってきた軍用飛行機がある滑走路まで向かうことに。
そこで何人かZに襲われない市民を目撃。

Zとの攻防戦の中、不意を突かれZに手を噛まれてしまう女兵士。
ジェリーは咄嗟の判断で持っていたナイフを使い、女兵士の手首を切断。
10秒を数えて、無感染を確認。応急処置をし、そこから逃れる。

助けに来てくれたヘリはZに襲われ、墜落。
走って滑走路へ向かうが、大量に押し寄せてくるZを見てテンパった軍用飛行機の操縦士は一人で離陸し、逃げ出してしまう。
ジェリーは近くで離陸を試みようとしている旅客飛行機に女兵士と二人で乗り込む。

一息つき、女兵士の腕を消毒したり、お互いに自己紹介し、女兵士はセガンと言う名であることを知る。
そこでティエリーに電話連絡。
Zのことを知れたかも知れないと。

機長に近くの世界保健機関WHOへ向かうことを指示。
機内後部では客の飼い犬がある扉に向かって吠えていた。
CAがその扉を開けるとそこには一体のZが。
ZはCAを襲い、周りを襲い出す。

休息し、寝ていたジェリーは後方部のわざつきで目を覚まし、後方部とを隔てているカーテンを少し開けて客達が襲われZに豹変している所を目視。
前方部に居る客達に静かに防衛戦を張るよう、荷物で壁を作ろうとする。
が、一人が誤って荷物のトランクを落とし、大きな物音を立ててしまい、前方部にZ襲来。
次々と人が襲われる中、ジェリーは女兵士のセガンが持っていた手榴弾を投げ、飛行機に大きな穴を開ける。
気圧差で機外へ放り出されるZ達。

それを確認したジェリーとセガンは自らをシートにベルトで固定。
墜落体勢に入った機体と運命を任せることに。
機体は墜落。

目覚めたジェリーの脇腹には機体の破片がぶすりと貫通。
無事だったセガンと共に歩いてWHOへ向かう。

やっとの思いでたどり着いたWHOの玄関前で倒れ込むジェリー。

目覚めるとシートに貼り付けにされ、脇腹に刺さっていた破片は抜かれ、処置されていた。
ジェリーは身元を明かし解放される。

そこでジェリーは、今まで見たZの行動と傾向をまとめ、持論で語り出す。
Zは健全者だけを襲い、欠陥があったり、命に関わるような病を持っている者は襲わないと言う。
つまり、それら命に関わるようなウイルスを健全者に投与すれば、Zからは襲われないと。

それに真実性が無く、疑問を持ちかける研究員達にジェリー自ら実証実験役になることを表明。
しかしそれに使うウイルス薬のサンプルは全て今居る場所ではなく、隣のB棟にある。
しかもB棟はZ達で溢れかえっている。

ジェリーはセガンと道順を知っている研究員のハビエルの3人でB棟に乗り込む。

足音を潜め、ウイルスサンプルのある倉庫までたどり着くが、不意に物音を立ててしまう。
物音に気付いたZ達は3人を襲い、追いかけ回す。
ジェリーは途中、自らが囮になり、セガンとハビエルを逃す。
セガンとハビエルは元の場所へ逃げ帰り、B棟にはジェリー一人。

Zから襲われ、走りさまよっていたら偶然ウイルスサンプルのある倉庫の前に。
倉庫に入ったが、どれが有効なウイルスなのか分からず、手当たり次第適当に箱に詰める。
倉庫から出ようとすると扉の向こう側にはZが。

出れず途方に迷うジェリーはある決心を。
そこにあるウイルスを、どれが何かも分からず自らに投与。
時間が経過し、ウイルスが効いているのか分からなかったが、Zの様子に変かが。
倉庫の扉を開けるが、Zはジェリーを襲おうとしない。

Zからジェリーは見えない存在となり、難なくみんなの居る棟へ帰還。
そこでさっき打ったウイルスのワクチンを投与してもらうジェリー。
そしてZに効果的なウイルスワクチンを作り、全世界へ配当。

果たして全世界で起こっている豹変事件は終結するのか。
そしてジェリーの未来は!?

王道ゾンビ映画

いわゆるゾンビ映画なんですが、特徴的に特化した部分も無く、よくある「音に敏感」「人を襲う」「噛まれたらゾンビ化」など王道のゾンビ路線を走っている王道ゾンビ映画です。
そこに「致命的な病を持っている人は襲わない」と言うオプションを付け加えたり、独自路線も見えたんですが、他に目新しいものも無く、相変わらず主人公は特殊な経歴を持ってる強いパターン。
結果的に安心して見れる構成なので、悪くはないですが、どこかで見た感があるのも事実。

ホラーゲームを見ているような感覚

と、典型的なゾンビ映画だったわけですが、個人的に思ったのは友人がプレイしてるゾンビゲームを見ている感覚に近かったです。

飛行機に燃料が無い!
燃料を入れるため、ゾンビを交わしつつ飛行機へ向かえ!
飛行機に燃料を入れるから、その間ゾンビを倒せ!
燃料を入れた!ゾンビが来る前に離陸しろ!

とか。
ニュアンスはバイオハザードに似てる。
後半、WHOの場面でゾンビの隙を見て部屋を通過するとかステルスゲームさながら。

展開の早さ

先にも書いたとおり、話のテンポや状況、場所、人物がぽんぽんと移り変わるので、見てて飽きるような所が無かった。
どこぞのバイオなんちゃらは閉鎖空間でてんやわんやなのに比べて、この作品は世界観全体が広く出てて良かった。

無駄なキャラクター達

ただ、人物が沢山出てくる代わりに、こいつ必要だったか?的なキャラクターもいくつか。

特に冒頭でジェリーを助けた少年トミーとか、後半存在が空気すぎる。
ジェリーの居ない場所でトミーが家族を守るとかあっても良かったんじゃ無いかと。

後々キーマンになりそうなキャラは死んでいくか、後半全く出てこないパターンが多かった。

無駄な代償

移動手段も色々あって、ピンチな状況はゾンビに襲われるだけじゃないってのも良かった。

けど、飛行機の破片が脇腹に突き刺さるシーンは必要あったのか謎。
すぐに治るし、痛がる演技はあっても、それが代償になるポイントも無いし。

続編があるなら、キャラクターの後処理も含めて是非そこで この怪我の後遺症などで処理して欲しい。

お子様と一緒に楽しめるゾンビ映画

G指定と言うことで、ゾンビとの攻防戦は倒す迫力が少し足りなく感じた。
血も少なければ、ゾンビにとどめを刺すシーンは全部画面外で行われる。
この辺はグロさを求めてた人には物足りないかも。

ゾンビらしさは一級品

しかしそのゾンビの演技が素晴らしく良かった。
大勢出てくる部分はCGですが、全速力で壁とかに見境なしにぶつかる感じとかの奇妙さ。
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個人的にゾンビの演技って、無理に不自然さを出しちゃって、どこか笑えてしまうポイントがあるんですが、きちんと綺麗に不気味さが出てて魅了されました。
感染した時の人の演技も、なかなか味が出てて良かったです。

ビクッ!は控えめ

さらに、こういう映画によくあるビックリシーンも少なくて良かった。
急に出てきて、映像より音でビックリさせるとか個人的に嫌いなんですが、覚えてるだけでも2カットぐらい?健全だと思います。

ただ(出るぞ出るぞ)って思って何も出なくて(安心した今この瞬間出るか?)と思ったら結局何も出なかったカットもいくつかあったのはちょっと頂けない。
例えるなら「殴るぞ!」って拳突き上げられて、ずっと殴られそうでハラハラしてんのに全然殴ってこずに、殴るふりを永遠とされて「もういっそのこと思いっきりやって!」という感じ。

意味の分からないポイントでのギャグシーン

また、全体的に真面目でシリアスな構成になっている所で、一カ所だけウケ狙いなカットがあったのが謎。

ゾンビに襲われてる中、一人の男が「引き金に気をつけろよ」と言われてすぐに転んだ拍子で誤って引き金を引き、自滅してしまうシーンとか「ん?ここで笑うシーンかよw」って。
いくつかギャグシーンがあるならまだしも、後にも先にも同じようなギャグシ-ンは無く、特に緊張感の強い中で ポンッ と笑いを投下。

まさに主人公がゾンビに囲まれてる緊張感ある中でのギャグだったので当然客からの笑いも起こらず。
あのカットは何が狙いだったのか。

お約束でイライラ

そしてこの様な映画には付きものなのが、「え。バカなの?」と言う展開。

ゾンビが潜んでる中、物音を立てちゃ行けないのにバッドタイミングで電話を掛けてくる妻。
でゾンビに気付かれる

外はゾンビだらけなのに大勢で大音量で騒ぎ歌って、ゾンビを刺激して壁突破されちゃう

とか。
もうアホかと思って呆れるような展開も、まぁお約束なんだけど、お約束過ぎて見てて呆れた。

前半部分は非常にスピーディーで見てて退屈しなかったが、後半のWHOの部分のステルスゲーな部分はちょっとつまんなかった。

もっと言えばラストの投げやりな結末は頂けない。
「戦いはまだ続く」ってオチなら、もっと謎な部分を残して次回作に持ち越して欲しかった気持ちもある。

色々カットになった残虐なシーンもいくつかあるらしいので、それらはBlu-rayや続編での公開を期待してしまう。

消化不足な終わり方でしたが、映画内容は面白かったので、サバイバルゲームやゾンビゲームなどのゲーム好きな人は結構楽しめると思います。

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