映画『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』感想(ネタバレ&あらすじ有り)

アンダー・ザ・スキン 種の捕食(原題:Under The Skin)
日本公開日:2014年9月27日

アンダー・ザ・スキン 種の捕食 とは

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ミニバンに乗った謎の美女が次々と男を誘惑し、家に連れ込まれその女に捕食される。そんな女の姿をしたエイリアンが人間と触れ合う中で食料としてしか見ていなかった人間に興味を持ち始める。

オススメポイント
一人で見る:
友達と見る:
デートで見る:
家族と見る:
お子様と見る:
完全に一人で見る映画だと思います。R15指定。
エロシーンと言うか裸多め。
眠いときに見ると本当に寝てしまいます。

変人を演じさせたらピカイチのスカーレット・ヨハンソン主演。
監督のジョナサン・グレイザーは数々のミュージックビデオを手がけており、この作品もだいぶ独特の世界を広げた映像が盛り込まれています。

この独特な世界観は万人受けしませんが、奇妙で不思議な雰囲気に引き込まれたい人向けのミステリアス映画です。


予告編

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これより下にはネタバレが含まれます

※これ以降は筆者の感想と共に作品の内容に深く関係する記述が多く含まれています。最低限の配慮はしていますが、今後作品をご覧になる際、先入観により純粋に作品を楽しめなくなる可能性があります。またこの感想は筆者の私見であり、矛盾点や間違いがある場合があります。それら全て含め、ご了承頂いた上でご覧下さい。


あらすじ(ネタバレ)

冒頭から意味不明な映像が続きます。

そして場面は山奥?の道路。
ライダースーツを着た男(名前はありませんが、ここではあえて”ライダー”と呼びます)がグッタリした女性を抱えてミニバンに詰め込む。
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その後、その女性は別の部屋に運ばれ、そこに居た別の女(名前はありませんが、ここではあえて”スキン”と呼びます)が、倒れている女性の着ていた服を脱がし、それを着ていく。
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そして裸になった女性は涙を流す。
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早朝。
ある建物の前に止められたミニバンに乗り込むスキン。
そのままショッピングモールで服や靴、メイク道具などを購入。
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ミニバンに戻ると、メイクをバッチリ決めて、そのままミニバンで町に繰り出すスキン。
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運転中も、街中を歩く男性を品定めするかの様に見回していく。

そして住宅街で車を止めると、道路を歩いていた男性に話しかけ、道順を教えて貰う。
その際に「これからどこか行くの?」とのスキンの質問に、人に会いに行くと言う男性。それを聞いたスキンはありがとうと言葉を残し無表情で車を発進。

そして次々と道順を聞いては、その後の予定や、一人暮らしなのかを聞きまくるスキン。
そして深夜、ある男性に道順を聞いた時に、その男性は一人暮らしだと知ると、家が近いなら送っていってあげると男性を助手席に乗せる。
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そしてお互いに他愛もない会話を繰り返し、次の場面へ。

同じように道を聞いては男性を乗せるスキン。

車を走らせながら男性を魅了する様な発言をし、男性もまんざらでも無い様子でスキンへ好意を抱く。

そしてある家に男性を連れ込むスキン。

スキンの後を着いていく男性。
前を歩くスキンが服を一枚一枚脱いでいくと、男性も同じように服を脱いでいき、真っ裸になったと思った瞬間、さっきまで歩けていた床にどんどん埋まっていき、ついに全身が床の中に。
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振り返り、脱いだ服を着ていくスキン。

その後、スキンはある海岸へ。
そこで一人の男性と出会う。
男性と少し会話をした後、ふと男性が沖の方を見ると、一人泳いでいる子供の姿が。

どうやら子供が波で帰って来れなくなった犬を助けるために海に出てしまった模様。
それをさらに助けようと親までも海へ。

それを見た男性も助けようと沖へ。
そして親らしき男性を抱えて浜辺まで戻るが、助けた親は直ぐさま沖へ泳ぎに戻ってしまう。
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男性はその親を助けた労力で動けない状態。
そしてスキンはその場に行き、躊躇無くそこにあった石で男性の頭を強打。
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その男性を車まで引きずり助手席に乗せて車を発進させる。

その夜、その男性が住んでいたであろうテントを回収に来るライダー。

そして深夜。
人気の無い道で男性を見つけたスキンは男性を追いかける。
が、男性が向かった先には多くの人が。
それを見たスキンは帰ろうとするが、そこに突然やってきた大勢の女性達に連れられて、クラブの様な場所に入れられてしまう。
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困惑するスキンだが、そこでさっき見つけた男性を発見。
そして男性を上手く口車に乗せて、家に連れ込む。

同じように服を脱ぎ、男性も次いで服を脱いでいき、床に埋もれていく。
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男性は何も発すること無く、真っ暗の中にただようのみ。
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すると男性の目の前に、何度目か前にスキンに誘惑されて来た男の姿が。

その男に近づくと、まだ生きている。
しかし様子がおかしく、所々皮膚がブヨブヨしている。

次の瞬間、その男は一定の方向に吸い込まれ、一瞬で中身が無くなり、皮のみの状態に。
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そして男性の肉片かと思われる赤い物体が流れる様子。
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その後も同じように男性を誘惑しては家に連れ込むスキン。

そして場面は変わり、スキンとライダーのみの空間に。
スキンをジロジロと見つめ、去って行くライダー。

その後、深夜。
ある場所で同じように道を聞く手順で男性を乗せるスキン。
しかし男性は障害を持っている様で、心を打ち明けない。
そんな男性にもお構いなしに誘惑し、言葉巧みに家に連れ込む。
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そして同じように床に埋もれさせる。
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翌朝。鏡を見つめるスキン。
そして家を出ると、そこには昨夜連れ込んだ障害を持った男性の姿も。
その男性を残し、車でどこかに行くスキン。

男性は裸のまま自宅に戻ろうと野原を歩く。
そしてある家に着いた所、計ったかの様なタイミングでライダーがやってきて、その男性を連れ去っていく。

一方、スキンは何かに目覚めた様にある場所へ。
そこは山奥の普通のレストラン。

そこでショコラケーキを注文するスキン。
そのショコラケーキを口に入れ、味わうが、それを吐き出し、悶絶するスキン。

そして道を歩いていると、男性に「バスならもうすぐ来るよ」と教えられ、何の理由もなしにバスに乗ることに。

一緒のバスに乗った男性は様子のおかしいスキンに話しかけ、助けてやろうか?と。
最初は無視していたスキンだが、最後に男性に助けを求める。

そして男性の家に招待されたスキンは、男性から料理を振る舞われたり、お笑い番組を見たりする。
そして夜になり、ベッドをスキンに貸し、男性は別の部屋へ。

その後、スキンは真っ裸になり、目の前にあった姿見で自分の身体をじっくり観察する。

翌朝、男性に連れられてある遺跡の様な場所へ。
そこで男性と良い感じになり、目をつむるスキン。
男性とキスを交わし、場面は男性の家へ。
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そして性交渉が始まるが、股に違和感を覚えるスキンはそれを拒否。
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そして翌朝、一人山奥へ。

そこでそこの監視員のような男性と出会う。

そのまま山奥にあった避難所で眠るスキン。
深い眠りについた時、不審な感覚が。
目を覚ますと、さっきの監視員がスキンの身体をまさぐっていた。

驚いたスキンは監視員を押しのけ、山奥へ逃げていく。
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しかしついに監視員に追い詰められ、レイプされそうになるスキン。
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服がもがれる中も、逃れようと林の中でもがくスキン。

そして服が脱がされたとき、監視員はそのスキンを見て、驚き去って行く。

果たしてスキンの招待とは。
そしてスキンの運命は。

摩訶不思議

不思議な映画はいくつもありますが、ここまで謎のまま進行する映画も珍しいぐらいに、ラストの10分ぐらいまで、それが一体何なのか分かりませんでした。
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冒頭から意味不明な映像と不可解な音声で始まり、最後まで主な登場人物の名前や関係性も明かされず、最後に明かされたそれが何だったのか、詳しく追求されないまま終わります。
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エイリアンが人間を捕食する過程を描いた映画なのですが、この物語の前提や全体像は、結局見る側に全てを委ねられたようで、見た後はモヤモヤ感が残りました。

が、見ている中でその雰囲気に飲み込まれていく感じは、この映画独特で非常に奇妙でミステリアスな演出でした。

全体的に悲しい物語

捕食のために、ひっそりと人間を連れ去っていくエイリアン。
その連れ去る中で触れ合った人間に感化され、人間という生き物に興味が湧き、自ら人の生活に実を寄せていくが、上手くいかず順応できない。

そんな葛藤の果てに、逆に人間に殺されてしまう。
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簡単に述べるとこれだけの映画なのですが、そこまでの過程や映画全体のスローテンポでダークな雰囲気と音楽。

そしてほとんどセリフの無い内容に時折挟まれる不思議な映像。
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それらの映像一つ一つに奇妙な演出が成されているので、なかなか印象的に見た後も記憶に残っていました。

ハマり役なスカーレット・ヨハンソン

奇天烈なキャラクターを演じれば、たちまち魅力的なキャラクターに引き上げてしまうヨハンソンの演技は見ていていつも圧巻されます。

少し前に公開された映画「ルーシー(2014)」でもそうですが、
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人間の形をした別の生き物を演じさせたときに出す彼女の独特の奇妙な雰囲気と、それをカバーする様に包み込むヨハンソン自体の容姿は、もはや「宇宙人や超人類を演じさせるなら私でしょ」と言わんばかりのオーラさえ感じます。

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