オープン・グレイヴ 感染 とは

Open_Grave
オープン・グレイヴ 感染
(原題:Open Grave)
日本公開日:2014年6月14日

死体の山がひしめく山奥で記憶を失った男女6人が一つの家で出会い、状況が把握できない中、ウィルスに感染した者達に追われながらも、それぞれが記憶を取り戻そうと葛藤を描くホラー映画。

オススメポイント

一人で見る:

友達と見る:

デートで見る:

家族と見る:

お子様と見る:

恐さ:

グロテスクな表現や出血シーンも多いので体勢の無い人は注意。

パニック映画と言えばこの人 となってきているシャールト・コプリー主演作。 ゾンビ映画では無いが、出てくる感染者はもはやゾンビ。

予告編

これより下記にはネタバレが含まれます

※これ以降は筆者の感想と共に作品の内容に深く関係する記述が多く含まれます。またこれは筆者の私見であり、矛盾や間違い等がある場合があります。それら全て含め、予めご了承頂いた上でご覧下さい。

あらすじ(ネタバレ)

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暗闇の中で目覚める一人の男。

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体中の激痛に何とか起き上がり、ポケットに入っていたライターで辺りを照らすと、そこには大量の死体が。
そこは無数の死体が捨てられた巨大な穴だった。

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すると穴の中で慌てふためく男を見下ろす一人の女性が。
男は女性に気づき、助けを求める。
女性は姿を消してしまうが、すぐにロープを下ろしてくれる。
昇ろうとする男は死体が寝転ぶ中に拳銃を発見し、護身用として持ち歩くことに。

ロープを登り切った先に女性の姿は無く、木々が生い茂る山道をひたすら歩く男。
すると目の前にぽつんと建つ一つの家を見つける。

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家に入ると奥の部屋から話し声が。
拳銃を構え、部屋に入るとそこには知らない男女5人の姿が。
お互いに銃を向け合う。

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状況が把握できない6人は混乱し、お互いに情報を求めるが、全員が目覚める前の記憶が無いと。
電話もパソコンも無い家に集まった記憶喪失の男女6人。

そこで身分証を持っていた4人の名前が分かる。

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金髪の女性が”シャロン”。

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大きながたいをしている男性が”マイケル”。

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ひょろっと長身の男性が”ネイサン”。

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最年長の男性が”ルーカス”。

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そして男を穴から出してくれたアジア系の女性は英語が理解出来ず言葉も発しない、謎のまま(本編では名前は出ないが、以降役名の”ブラウンアイ”で表記)。

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(最初穴に落ちていた男は後に名前が分かるが、以降”ジョン”で表記)

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身分証の他に車のキーも持っていたが、家の近くに車は無く、何かヒントは無いか全員で家の中を捜索することに。
するとジョンが食料庫にあったカレンダーで18日に○がつけられているのを発見。

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すぐにブラウンアイを呼び、これは何か問うが、言葉を発しないブラウンアイは見釣り手振りで説明しようとしても伝わらず。

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そして家の中に大量の銃器を発見。
すぐに周囲を探索しようと提案するジョンだが、ルーカスが夜明けを待とうと。

その後、シャワーを浴びるジョンに一瞬過去の記憶が流れ込み、頭を抱え込む。
そんな時、ブラウンアイが突然家を飛び出したと騒ぎになる。

武器を持って夜の山中でブラウンアイを追いかけるジョン、ルーカス、シャロン。
マイケルとネイサンは家を守るために残ることに。

山道を歩く3人は悪臭に気付き、辺りを見渡すとそこら中の木に人の死体が括り付けられているのを発見。

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そしてしばらく歩いた先の小屋でブラウンアイを発見。
ブラウンアイの傍らには首輪が付けられた様子のおかしい女性が。
ブラウンアイは女性に食事を与えていたが、女性が3人を見た瞬間に様子が豹変。
3人に向かって敵意を露わに襲いかかろうとするが、ジョンが殴りかかり、気を失わせる。

するとルーカスが小屋に取り付けられた監視カメラを発見。誰かに監視されていると。

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一方、家で何か記憶のヒントを探すマイケルとネイサンは、家にあった書物を物色。
するとネイサンがラテン語やフランス語など色々な言葉も読めることが分かる。
さらにマイケルは拳銃を巧みに扱えることが分かり、きっと警察官だったと推測。

3人が家に戻り、あったことを共有。

そしてジョンが家にあった鉄で出来た開かずの扉を開けようと試行錯誤してるところにネイサンが。
ネイサンはジョンとシャロンに対して親近感が強いことを告白。昔から知っているみたいだと。
尚も扉を開けようとするジョンだが、今日はもう寝た方が良いと言う言葉にこの日は寝ることに。
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翌朝、話し合ってジョン、ルーカス、シャロン、ネイサンの4人で車を探しに行くことに。

家で待機していたマイケルとブラウンアイ。
マイケルは、俺が行けば力になれたのにと、家に残ることに不満を述べていると、森の方から助けを呼ぶ人の声が。
マイケルはブラウンアイに家に入って鍵を閉めておけ!と声のする方へ向かうことに。

すると平地のフェンスに鉄線で括り付けられている裸の男が。

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マイケルは助けようと痛がる男を気遣いながら鉄線を取り除こうとする。

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が、鉄線が緩んだ瞬間、男がマイケルにつかみかかり、男は近くに落ちていた木の破片に手を伸ばし、そのままマイケルの首元に突き刺す。

一方、車を探していた4人は無事に車を発見。
これで森を出ようというジョンに、途中でガソリンが無くなったらどうする、家で作戦を練り直そうとするルーカス。
そして家に戻った4人は姿の見えないマイケルを追って事件現場へ。
そこで倒れ込むマイケルを発見。
鉄線でからみついている男からマイケルを遠ざけるが、そのままマイケルは帰らぬ人に。

その後ジョンとシャロンは車に乗って周囲を探索に。
そこで病院のような建物を発見。

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壁には18と書かれ、車も発見するが燃料は無かった。

すると背後に人影が。
シャロンが人影を追うと建物の中に少年の姿が。
制止するシャロンをよそ目に鍵がかかってる扉を無理矢理こじ開けようとするジョン。

すると建物の中から 帰れ!ジョン! と少年の声が。
ジョンはここで自分がジョンという名前であることを知り、その自分を知っている少年に話を聞くためさらに強引に扉を開けようと鍵に銃弾を当てるなどの行為を。

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その狂気にシャロンはジョンの精神を落ち着かせるように諭す。

一方家では、具合の悪そうなルーカスが。
心配するネイサンに大丈夫だと言うルーカスは近くに居たブラウンアイを見つめ、突然ブラウンアイに掴みかかり襲おうとする。
ネイサンが止め、正気を取り戻すルーカス。

眠ったルーカスの側で、前日に小屋で女性をかくまっていたブラウンアイに、その女性に会いたいと言うネイサン。
そして2人は小屋へ向かうことに。

しかし小屋には女性はおらず、逃げ跡が。
そこでネイサンが、ここを知っていると記憶を少し取り戻す。
そして湖の向こうに何かがある・・・と必死に制止するブラウンアイに 知りたいんだ と一人山の奥へ。
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そして山奥で一つの集落を発見。
人はおらず、地面に落ちていた割れたメガネを取り、かけてみるネイサン。
すると色々な記憶が蘇ってくる。

一方で一人家に戻ったブラウンアイは目覚めたルーカスと鉢合わせ。
ルーカスは、 キミを知っている と詰め寄り、様子のおかしいルーカスから逃げようとするブラウンアイ。
家中を駆け回り何とか逃げ切るブラウンアイ。

するとルーカスは家の外で地下室を発見。
そこで監視カメラの映像が流れるなど色々な資料を見つけ、一つのビデオカメラを見つけ、テープを再生。
そこにはジョンが映っており、試験台の上にはルーカス自身が。
その映像からジョンはルーカスに対して薬物実験をしていたことを知る。

さらに山奥の集落で辺りの様子を見ていたネイサンは、ある家から声が聞こえ、そこへ行く。
そこは牢屋のように改造された部屋の奥に小屋から脱走した女性と、女性が抱く その娘と思われる遺体が。

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すると突然女性がネイサンに向かって襲いかかろうとする。
咄嗟に鉄格子の扉を閉め難を逃れると、突然ネイサンの記憶が蘇り、苦痛にその部屋を出ると、そこにはさっきまで居なかった様子のおかしい住民達がゾロゾロとネイサンに向かって歩いてくる。

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さらに家に戻ろうと車を走らせるジョンとシャロン。
車の中でシャロンは詳しく思い出せないが、ジョンのことを知っていると。
ジョンは相変わらず何も思い出せないが、自分が悪いことをした感覚に時々襲われると告白。

と離していると突然目の前に大木が倒れ込んでくる。
何故木が倒れてきたのか不思議に思った二人は道から外れた茂みに入っていくと何人かの人影が。

人々は斧を持って無心に木を切っている。
ジョンが話しかけようとするが、シャロンが様子がおかしいと止める。
が、ジョンはさらに呼びかけると、それに気付いた異常者が急にジョンとシャロンめがけて走り向かってくる。

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必死に車で逃げようとするがエンジンがかからず、背後に斧を持った異常者達がすぐ背後に来るが突然動きが止まる。

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背後を見ると木に吊された死体が。

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この悪臭に寄ってこないんだ、と直ぐさま理解するジョン。

九死に一生を得た二人が家に戻ると、出迎えるように猟銃を構えたルーカスが。

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ルーカスは 俺に何をした? とジョンに問い詰める。
戸惑うジョンとシャロンに、このビデオに全て記録されていると。
みんなの腕にある注射の跡も全てジョンによるものだと。

そしてルーカスが主導でジョンは手を縛られ、最初に目を覚ました死体の穴に落とされる。

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すると落ちた衝撃か、突然ジョンに色々な記憶が蘇る。

一方家では相変わらず具合の悪そうなルーカス。
シャロンが落ち着けようとするが、急に荒ぶり、再びブラウンアイに襲いかかる。
が、今までとは違い、明らかに動向がおかしく、シャロンを突き飛ばすルーカス。
隙を見て逃げるブラウンアイだが、ついに覆い被さられてルーカスに無理やりキスをされてしまう。

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そこに銃を持ったシャロン。
発砲するが銃弾は大きく外れ、そのまま逃げていくルーカス。

そして穴で途方に暮れていたジョンの元に再びロープを下ろすブラウンアイ。
穴から出たジョンは答えを探すために車で、シャロンと行った少年が居た施設へ向かう。

家ではシャロンが地下室で資料を見て色々な記憶をたぐり寄せる。

そして施設に着いたジョンは閉じられていた扉が開いているのを発見し、銃を構えて中へ。

そこにあったテントの中を物色。
しかし有力な物は何も見つからず途方に暮れるが、ふと目をやった先にあった地図を見ると、突然記憶がフラッシュバックするがハッキリ思い出せず、そこを後にする。
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帰路で不審な車を見つけるジョン。
その車にあった自動車登録証にはジョンの名と、奥にはジョンとシャロンが仲良さげに写った写真が。
それを見た瞬間ジョンは全ての記憶を取り戻す。

すると突然背後から車が。
車はジョンが乗ってきた車に激突し、停止。

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その車にはルーカスが乗っており、明らかに異常なルーカス。

ジョンに襲いかかるルーカスだが、ジョンの制止も叶わず、首を絞められてしまう。
記憶を取り戻したジョンはキミを助けていたんだ!と言うが、正気を失ったルーカスはさらに首を強く絞めようとする。
ジョンは手の届くところにあった石を手に取りルーカスの頭を一撃。

一方家では帰宅したネイサンがシャロンと外に群がる異常者達に取り囲まれていた。
二人は既に記憶を取り戻しており、ジョンとネイサンは兄弟であることも思い出していた。

そして夜が明けると同時にどこからか銃声が鳴り、家の周りに居た異常者達が次々と減っていく。
ネイサンは 今日は18日だ! と。救助隊が駆けつけてくれたんだと家を飛び出す。

見えない救助隊に向かって、生存者として大声でアピールするネイサン。

するとそこにマスクを被った武装集団が。

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向けられた銃口にネイサンは、助けに来たんじゃ無くて殺しに来たんだと気付く。

そして運命のタイミングか、そこにジョンが。
ジョンの目の前で打たれるネイサン。

武装集団に見つからないよう、近くに居たシャロンと逃げるジョンだが、彼女が必要だとブラウンアイを探すことに。
しかし突然背後から異常者がシャロンを切りつける。

すぐに異常者を倒すが、傷を負ったシャロンはどんどん衰弱していく。

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そして向かった先は最初に落ちていた死者達の穴へ。

果たして二人の運命は。
そしてブラウンアイは一体何者で何故必要なのか。
ジョンに隠された真実とは。

エンドロール後はなにもありませんでした。

この作品を観るには

感想とか

全てが謎

この映画のキーポイントであるのが、一人として最初から一切記憶が無いと言う点。

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これは登場する人物もそうですが、映画を見ている私たちにも一切何も語られず物語が進行していきます。
その中で、登場人物達と同じように記憶と理解を得ていくわけですが、このプロセスが非常に見ていて楽しい。

主人公一人だけが記憶を失ってるわけでは無く、全員が状況や自分自身の素性も覚えていないと言う所が斬新。
感染映画であると同時に推理も絡んでくるので、ホラー映画と言うより推理寄りです。

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ただし、これ系の映画に期待される最大のオチも、ちょっとだけ予想できてしまったというか、もう一つインパクトが欲しかった。

ホラー率は低め

ホラー映画とされている本作。
上で挙げた通り、地道に謎を一つずつ回収していくストーリー構成になっているのですが、お待ちかねのホラーシーンが少し少なめというか。

低予算なのは見ていて分かるんですが、感染者の登場が少し物足りないかな?と。
見終わった後に、あまり恐怖しなかったなーと思ったのが本音。

感染者はワンシーンに出てきても1体、多くても5体ぐらいに追われるだけで、緊迫感や絶望感があまり感じられなかったのが残念。

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本編ラストで「実はこんなに感染者と被害者居ましたよー」ってずらーっと死体が出るのですが、いやこの規模の集落にその数は流石にやりすぎ…って。

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0か100000か って言うぐらいのやり過ぎ感を最後に出してくるって言う驚きもありましたが、それがこの映画にとってプラスだったかは疑問ですね。

これを「ホラー映画」であったり「ゾンビ映画」であったりと期待して見ると肩すかしを食らいます。

テンポは遅めな上に…

この映画では自分の記憶を探ると同時に突きつけられる謎も解明していくという複数の推理があり、その為か話の進み具合が遅めでした。

さらに、登場人物は記憶を失っているのにも関わらず、記憶を失ったことに対する恐怖心も無く、すぐに行動に移るアグレッシブさは勇敢なのか、ただのバカなのか。
また、解決への答えが小出しなので、途中で少しダレてしまう方も居るかも知れません。

それだけスローテンポで進むのに、何故か登場人物の理解は凄く早くて、そこだけちょっと不可解でした。

特に感染者が死者の腐臭を嫌うと言う理解が早い!
「あれ?感染者が追ってこない」→「この死体の臭いのせいだ」って理解がもうすんごく早い!
ここはもう少し裏付けというか、失った記憶の断片からヒントを得るとか欲しかった。

この映画の登場人物は疑いを全く持たない教育を受けて育ったんだなと思って見るのが一番です。

流石のシャールト・コプリー

「第9地区」で衝撃的なデビューをしたシャールト・コプリー。

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「第9地区」もそうでしたが、これが5作目だとは思えないほどの存在感というか、緊迫の表現がホントに素晴らしい。
映画自体は低予算感があったけど、シャールト・コプリーの迫真の演技でだいぶ価値が上がったのは間違いないと思います。

次回作は

軽く調べた感じでは続編の情報は出てきませんでしたが、物語としては展開がある終わり方だったので、続編を作れない終わり方では無かったです。
シャロンやルーカスも確実に死んだという映像が無かったので、まだまだ作り方はありそう。

この作品を観るには