映画『心が叫びたがってるんだ』感想(ネタバレ&あらすじあり)

心が叫びたがってるんだ
日本公開日:2015年9月19日

心が叫びたがってるんだ とは

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あることをキッカケに言葉が喋れなくなってしまった成瀬順は、坂上拓実というクラスメートに触発され、音楽を通して今まで溜めてきた自分の気持ちを形にしようと奮闘する。

オススメポイント
一人で見る:
友達と見る:
デートで見る:
家族と見る:
お子様と見る:
青春×ミュージカル×ヒューマン×ラブストーリー映画です。
冒頭からいきなりラブホテルが出てきたり、学校でイチャイチャキスシーンなどもありますが、それよりも感動のインパクトが勝るので気にならないと思います。
後半ミュージカル部分が入ってきますが、学園祭の出し物みたいなもので、ミュージカルが苦手な私でも感動したので、難なく見られると思います。

2011年にフジテレビ系列で放送された『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のメインスタッフが再集結して作られた、完全オリジナルアニメーション映画です。


予告編

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これより下にはネタバレが含まれます

※これ以降は筆者の感想と共に作品の内容に深く関係する記述が多く含まれています。最低限の配慮はしていますが、今後作品をご覧になる際、先入観により純粋に作品を楽しめなくなる可能性があります。またこの感想は筆者の私見であり、矛盾点や間違いがある場合があります。それら全て含め、ご了承頂いた上でご覧下さい。


あらすじ(ネタバレ)

小学生だった成瀬順は、毎日 頭の中で色々な夢を想像しては、一人浮かれ楽しんでいた。
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特に順の住む街の丘の上にあるお城のような建物(ラブホテル)にはとても憧れ、いつか素敵な王子様とお城の舞踏会へ行けることを夢見て。

その日も、そのお城の前で夢に思いを馳せる順。
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と、突然そのお城の中から1台の車が。
順は咄嗟に木陰に隠れ、その車を凝視すると、そこには順の父親が。

順はお城から父親が出てきたことに驚き、父親は王子様だったんだ!とテンションMAX。

すぐに家に帰り、父親のお弁当を作っていた母親に、浮かれ気分でそのことをペラペラと報告。
 パパが丘のお城から出てきたの!お姫様はママじゃなかったけど。 と。
それを聞いた母親は、 それは誰にも二度と喋ったらダメ と順の口を塞ぐ。

そして、それほど日が経たないうちに父親は家を出て行くことに。

家から出て行く父親に困惑する順は、 ママと喧嘩したなら私が仲直りさせてあげる! といつものように明るく取り繕う。
そんな順を見て父親は、 本当に順はおしゃべりだな。 と。
それに続けて一言。

 全部お前のせいじゃないか。

それを聞いた順は言葉を失い、父親はそれ以上なにも言わず、引っ越しのトラックと共に去って行く。
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その後、街の外れの山道で一人、王子様助けに来て と泣く順。
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と、その順の目の前に一つのタマゴが。
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するとタマゴは、 私は王子様だ と喋り出す。
タマゴな王子様なんて居ないと否定する順に、 本当に君はおしゃべりだな と返すタマゴ。
さらにタマゴは 後悔して行きたくなければおしゃべりを封印するんだ。 と順に諭す。
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さらに、おしゃべりを封印すれば、本当の王子様に出会え、本当のお城の舞踏会へ行けるが、おしゃべりを封印できなければ、未来は全てグチャグチャのスクランブルエッグのようになってしまう。と言うタマゴ。

 でもおしゃべりを止めることなんて出来ない と言う順に、タマゴは 君の口にチャックを付けてあげるよ。 と、順の口を塞ぐ。
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それから数年後。
高校2年生になった順は、地元の揚羽高校に通っていた。
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クラスでは誰とも喋らず、一人小さな手帳ノートに何かを書くだけ。
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そんなある日、2年2組の担任の城嶋から地域ふれあい交流会の担当クラスになったと。
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学年から1クラス選ばれる交流会に選ばれてしまい、クラス生徒全員がブーイング。
そして城島は交流会の実行委員を発表。
坂上拓実。成瀬順。田崎大樹。仁藤菜月。の4名。
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呼ばれたことに目を向ける順
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驚く拓実
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困惑する菜月
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そんな中、田崎は、 俺はやらない! と断固拒否。
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その田崎に城嶋が軽いノリで、 命令だから♪ と言うと、それにカチンときた田崎は立ち上がり、一触即発の状況。

と、その瞬間、自分が選ばれたことを理解した一番前の席の順が突然立ち上がり、アガアガと言葉にならない言葉を発する。
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その勢いにクラス中は静まりかえり、所々から 喋った。喋れるんだ。 とチラホラ声が。
そして教室を飛び出す順。
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順の行動で田崎の怒りもどこへやら。


放課後、廊下で田崎に 後はよろしくな と無理矢理押しつけられてしまう拓実。
その後、DTM(デスクトップミュージック)研究会に入っている拓実は、同じDTM研の岩木、相沢等と、音声合成ソフトで曲や歌を作りつつ、麻雀カードでゲームをしていたが、やっぱり文句を言ってくると担任の元へ。

音楽教師である城嶋を求めて、音楽準備室に来るが、城嶋の姿は無く。
部屋を見ていると、そこにアコーディオンが。

拓実は何気なく、それを手に取り、椅子に座って曲を奏で始める。
歌詞は取って付けたかのように、その街の寺にまつわる神話を元にして。
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と、そんな所に、実行委員の辞退を言いに来た順が。
順に気付かず、歌い続ける拓実。
タマゴに、捧げよ。言葉を捧げよ。という歌詞に聞き入る順。
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と、さらに背後から城嶋が。
城嶋が話しかけると、驚いた順は城嶋に、 実行委員を辞退させてください と書かれた紙を無理矢理渡し、走ってその場を去って行く。
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その後、拓実は城嶋に、そもそもあのメンバーで出来るわけがない。特に田崎は…。と。
じゃあ他に候補あげれば、そいつ等に変えてやると言う城嶋だが、言葉を失う拓実。
そんな拓実に、優しすぎると損をするぞと忠告する城嶋。

と、突然、さっき拓実が演奏していた曲を褒める城嶋。
拓実の弾いていた曲は「Around the World」と言う古いミュージカルの曲だった。
と、それにピンと来た城嶋は、交流会でミュージカルをすることを勧める。
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その頃、屋上で一人呼吸を荒げる順。
 見られた。心の中を見られた。 と心の声を発する順。
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その後、家に帰ってきた拓実。
拓実は祖父と祖母との3人暮らし。

家に入ると、なにやら来客が。

客間で祖母が保険会社の人と話をしているとこに拓実が。
祖母の紹介で保険会社の人は順の母親だと知る。
拓実が順の事を知っていることが分かると突然動揺し出す順の母親。

その晩。
祖母から順の母親と、順は普段からおしゃべりで、家でも友達との長電話で電話料金が大変だと言う話をしたと聞く。
学校での順のおとなしさからは想像できず、疑問が残る拓実。
そして順に父親が居ないことも知る。

一方、順の家では、拓実が音楽準備室で歌っていた歌を口ずさむ順。
と、突然家のインターホンが鳴り響く。
その音を聞いた順は歌を止め、気持ちを沈める。


翌日。
音楽室に集まった2年2組は城嶋からミュージカルの映像を見させられ、城嶋から「歌ってのは言葉より気持ちが伝わりやすい」と教えられる。

その後、交流会の実行委員として城嶋に呼ばれた拓実、菜月、順。
案の定、そこに田崎の姿は無く、もうこのメンバーで交流会で何をするか勝手に決めてしまおうと言い出す拓実。
来るのは近所のお年寄りぐらいだから、無難に演奏会でもしておけば良いと言う菜月に、それじゃあつまんないという城嶋。

そこでミュージカルの提案をする城嶋。
どう?と城嶋が順に尋ねると、顔を真っ赤にさせる順。

その後、渡り廊下で、ミュージカルにした場合のクラスの顰蹙を買うことを心配する拓実と菜月。
と、そこに野球部の1年生達が田崎の噂をしており、 大事なときにヒジを壊して、毎日部活に来ては文句ばっかり! と愚痴をこぼす。

それを不意に聞いてしまった菜月は顔をゆがめ 言いたいことがあるならハッキリ本人の前で言えば良いのに とボソり。
すぐにハッと我に返り、部活に行くと去って行く菜月。

拓実は後ろに居た順に、もう帰るわ。と告げて帰宅することに。


が、下駄箱に向かう際も拓実の後を追いかけてきて拓実のことをチラチラ気にする順。
そんな順に不快感を表す拓実だが、ふと何気なく拓実が もしかして成瀬ってミュージカルやりたかったりする? と問う。
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すると、驚き動揺する順はカバンから手帳を出して、 私の心を覗き見してますか? と書いて拓実に見せる。
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いきなりの筆談にとまどう拓実に、言葉にならない言葉を発して、苦しそうにうずくまる順。
と、いきなり心配する拓実を引っ張ってどこかへ向かう順。
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着いた先は、街の寺で、石段の階段に座りながら、順から喋れなくなった原因である父親のトラウマ話や、これまで順がどう思っていたかを、順なりの物語にデフォルメして、ケータイのメールを使って教えて貰う拓実。
あれが…と見据える先の丘には例の城が。

そこで拓実は心を覗いてるわけでも無く、準備室での歌もたまたま即興で作っただけだと誤解を解く。

尚もメールで会話しようとする順に、喋った方が早くないか?と聞くと、突然苦しみ出す順。

と、苦しみながらも順は、喋るとお腹が痛くなる呪いをかけられてる。と書いたメールを拓実に送る。
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その後、順が落ち着いたのを見た拓実は、帰ろうとするが、それを引き留めるように後ろに居る順からメールが。
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 今日先生が言っていた歌の方が気持ちが伝わるって本当だと思いますか? と書かれたメールを見た拓実は戸惑いながら順を見て、 歌は元々何かを伝えるためにあるし、成瀬も伝えたいことがあれば歌ってみたら?歌なら呪いも関係無いかも知れないし と返す拓実。
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その拓実の発言を聞いて、感動するように呆然とする順。
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ハッと我に返った順はそのままダッシュで去って行ってしまう。

呆気にとられたようにたたずむ拓実に、お腹が痛くなったので帰りますメールが届く。


家に帰った順はソファーの上でクッションを抱きながら、嬉しそうにクッションに顔を埋める。
と、そこにまたもインターホンの音が。
外でなにやら会話が聞こえ、しばらくして静けさが戻る。

順は拓実の言っていた言葉を思い出し、クッションに顔を埋めながら大きな声で拓実が作った歌を熱唱する。
と、お腹が痛くならないことに気がついた順は、嬉しそうに優しく歌を歌う。



翌朝。
野球部の朝練習に顔を出していた田崎は、朝練の参加人数の少なさにイライラ。
野球部のキャプテンで田崎とは親友の三嶋は、 俺が頼りないかと謝るが、お前はキャプテンとしてちゃんとやってるとフォローする田崎。
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その後、2年2組のホームルームで交流会の出し物について決めることに。
ミュージカルを含めた候補を実行委員が黒板に書き出し、発表。
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城嶋がミュージカルを推すと、クラス中から不満の声がチラホラ。

続けて、チャレンジするべき!だと言う城嶋に、田崎が声大きく 喋れない女が居てミュージカルなんて出来るかよ! といきなり順を否定。
 そんな使えないヤツ外して実行委員を選び直せ! と城嶋に言い出る田崎の言葉を聞いた拓実は、かみ殺していた怒りを爆発させ、 使えないのはどっちだ!? と突っかかる。
続けて、田崎が後輩から邪魔者扱いされてることを告げると、それを聞いた野球部キャプテンの三嶋が拓実に、 何も知らないくせに勝手なこと言うな! と怒りながら詰め寄る。

周りが騒然とする中、城嶋が制止するも二人の怒りは収まらず。
教壇の端に立ち、大変なことになったと祈るように耐える順。
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すると突然隣のクラスにも聞こえるほど大きな声で、「Around the World」の曲に乗せて 私はやれるよ! と歌い出し、そのまま教室を飛び出す順。

呆気にとられるクラスメート達に、拓実と三嶋の怒りもどこへやら。
お互いに言い過ぎたと謝る拓実と三嶋。


その後、トイレに閉じこもる順をドアの外で心配する菜月。
そこに拓実が。
トイレの外で、二人でどうしようと悩んでいると拓実のスマホに順からメールが。

メールには何度も謝る文章が。
順から拓実にメールが届いたことに驚く菜月。

拓実がお腹痛いか?と返信すると、すぐに順から、 坂上君の言っていた通り、歌なら痛くないです! と返ってくる。

そんな二人のやりとりを傍観する菜月に気がついた拓実は、昼休みに昨日の寺での出来事を菜月に話すことに。

そこで順の気持ちが分かるという拓実は、俺も言いたいこと言えないときがあると。それを聞いた菜月は表情を曇らせる。


一方、この日は野球部に顔を出さなかった田崎はふと三嶋から拓実と菜月の噂について聞いてしまう。

その後、駅で電車に乗り遅れそうになった菜月は、ふと目の前のベンチに座る田崎見つけ驚き、電車を乗り過ごしてしまう。
なんで乗らなかった?と聞く田崎に、オウム返しする菜月。
あまり早く帰ると母親が驚くから、と答える田崎は、暇なら山の上の城に付き合えよと菜月を誘う。

察した菜月は顔を赤らめ拒否。しかもあそこは去年閉鎖された噂を聞いたと。

続けて田崎は俺と付き合えと強引に告白。

突然の告白にまたも動揺する菜月は、今は付き合っている人が居ると断ると、田崎は、なら拓実とは城に行ったことあるのか?と問う。
と、菜月はその質問にしばらく戸惑い 手も繋いだことがないし、メアドも知らない と答え、暇なら実行委員手伝ってよ。と、バスに乗って帰ると言い、その場を去って行く。


一方、家で歌を歌う順。
と、またもインターホンが。

また留守かしら、と近所にするおばさんが帰ろうとすると、突然開くドア。
近所のおばさんは町内会費を回収に来たらしく、順は無言で会費を渡すと、おばさんの世間話が始まり、居た堪れない様子の順。

と、そこに車で順の母親が帰ってくる。
おばさんは順から会費は頂きましたと去って行き、玄関で順と母親二人に。

と、突然顔をしかめて、順に 私が居ないときは出ないで。みっともない… とボソり。
それを聞いた順は家を飛び出し出て行ってしまう。


一方、コンビニに家の切れた電球を買いに来ていた拓実に、順からメールが届く。
書き溜めしていたかのように、次々と長文が届き、返信もままならず、焦る拓実。

と、長文の最後に 私の言葉を歌にして と書かれ、戸惑う拓実の目の前には順の姿が。
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そこで順は拓実に気持ちを伝えようと、吃りながらも始めてちゃんとした言葉を話そうとしたが、途中で腹痛が。
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拓実は苦しそうにうずくまる順を家まで案内し、一旦トイレへ。

その後、居間で順から届いた長文のメールを見直す。
メールの内容は物語になっており、順が経験した事がおとぎ話のようにデフォルメされて書かれていた。

物語は途中で終わっており、拓実が続きは?と聞くと、まだ書けていない、と目の前に座る順からメールで返ってくる。
と、何気なく拓実はその物語について考え込む。

そこに拓実の祖母がカルピスを持ってやってくる。
すると拓実は二階の部屋を使っていいか祖母に聞くと、祖母は驚いた顔で、いいけど。と。

二階の部屋に案内された順は驚く。
そこはピアノや大きなスピーカーがある小さな音楽室のようで、棚にはびっしりとレコード盤などが並べられていた。
そこは拓実の父親の部屋で、音楽が趣味だった父親の影響で拓実は小さい頃からピアノを習わされていたという。

もう何年も使われていない部屋のはずなのにほこり一つ無い部屋を見て祖母への感謝を感じる拓実。

そして拓実は適当に自分g名知っているミュージカルの曲に乗せて、物語が書かれたメールを見ながら曲に合わせて歌い出す。

こんな感じでどうだろう?と順に聞くと、順は感動を前進で表すかのように立ち上がり拍手をする。
照れる拓実は、そんな順を見て、 成瀬は喋らなくても考えてること丸わかりだな と笑い出す。

その後、拓実にバス停まで送ってもらい、別れ際に、拓実が 明日みんなに交流会でミュージカルやりたいって言おうな。だから成瀬の本当に伝えたい気持ち最後まで書けよ と別れる。

帰りのバスの中でポーッと放心する順。


次の日の放課後、菜月にファミレスで打ち合わせをしようと持ちかける拓実。
 遅れそうならメールして と去って行く拓実に、驚いた表情をする菜月。
と、そこに田崎が。

そして拓実と順は先にファミレスで菜月を待っていると、そこには菜月に加えて田崎の姿が。
田崎君も一応実行委員だしっと、異色の面子で打ち合わせをすることに。

そこで順が書いた物語をコピーした紙を2人に渡し、オリジナルのミュージカルをやることを伝える。
拓実は恐る恐る田崎にミュージカルをやることについて聞くと、少しの沈黙の後、何かを順に伝えようと言葉を吃らせる。

するとそこに野球部の1年生達が入ってくる。
田崎に気付かない1年は、慣れたように田崎を呼び捨てにしては、いつも通り田崎の愚痴を振りまく。

それを無言で聞いていた田崎だが、1年が田崎が居る事に気がつき、すぐに謝るが、田崎の怒りは頂点に。

するとそこに居た、田崎が期待していた1年エースの山路が田崎に対抗。
店内に響き渡るほどの怒号が舞う。
1年の鬱憤を代弁するかのように田崎に文句を言い放ち、目障りだ!消えてくれればいいのに!と吐き捨てる。

あまりに言い過ぎな1年に拓実が文句を言おうと立ち上がろうとすると、先に順が立ち上がり、 消えろとか簡単に言うな!言葉は人を傷つけるから!後悔したって二度と取り戻せないから! と精一杯の声を振り絞り、怒りを露わにする。

全員が驚く中、拓実は順に大丈夫か?と聞くと、なにが!?とまだ怒りが収まらない様子の順。
続けてタマゴの呪いは…?と問う拓実の言葉にハッと気がつき、汗を吹き出し膝から崩れ落ちる順。

と、慌てる拓実等と、救急車を呼ぼうとあーでもないこーでもないとてんやわんやする1年達。


病院の夜間救急外来で手当を受けた順。
誰も居ない病院のロビーの長椅子に座る拓実、菜月、田崎、順の4人。

そこに車を飛ばしてやってきた順の母親。

母親も来たし、返ろうとする拓実等の前で、 なんでずっと黙ってるの!? と母親の怒号が聞こえる。
3人が目をやると、 近所の人に色々言われて、恥ずかしい!なにも言わないし、もうわからない! と悲痛に叫ぶ母親。
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順への不満をぶちまけた母親は、 もう全部疲れちゃった… と脱力。

 成瀬。順さんは明るいヤツです。 と突然口を挟む拓実。
拓実等の存在にやっと気がついた母親は、驚いた表情で拓実の言葉を聞く。
順は心の中ではおしゃべりで、今日具合を悪くしたのも俺たちのために無茶したからだと順を必死にかばう拓実。
成瀬はいつもちゃんと頑張ってるんです! と言う拓実の言葉に涙する順。


その後、二人で病院を後にする拓実と菜月。
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順の 言葉は人を傷つける と言う言葉に感化された菜月は拓実との確執について語り出す。

中学の時、拓実の両親が離婚したときに彼女だった菜月はなにもしてあげられなかったと後悔を口にする。
さらに二人が付き合っていることをクラスメートに茶化された時も、拓実の目の前で付き合ってなんかいないと嘘までもついてしまいったことも。

 中学生なんてそんなもん。俺はつまんないヤツだし、俺等釣り合ってなかったし と返す拓実に、 坂上君は弱音を吐かないし、気配りもできるし、いつも助けてくれる! と必死にフォローする菜月。
そんな菜月の必死さに照れる拓実と、自分の必死さに恥じる菜月。

今まで無難に過ごしてきた自分を成瀬が変えてくれた。そんな成瀬を応援したい と言う拓実の言葉に、歩いている足を止める菜月。

しばらく考え込んだ菜月は、 私も成瀬さんを応援する!坂上君も! と明るく取り繕う。


一方、母親の車に乗って家路に就く順。
重い空気の中の車の中で母親が 友達がいたのね… とボソり。
またしばらく沈黙が流れたあと、 町内会費ありがと と言う母親の言葉に、なんとも言えない気持ちで泣きそうになる順。



翌日。
雨の降る学校のグラウンド、部室前。

キャプテンの三嶋と1年エースの山路が喋っている所に田崎がやってくる。
田崎は雨の降る中、傘を捨てて山路に頭を下げる。
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驚く三嶋をよそに、 チームのためだと思って全部お前等に押しつけてるだけだった。今まで悪かった! と。
フォローする三嶋に、 ケガ治して、お前等と甲子園を目指したい! と言う田崎に戸惑いの言葉を捨てて去って行く山路。

清々しそうな田崎の表情を見た三嶋は まずなにをする? と聞くと、田崎は 目の前のことを一つずつ片付けるわ と。


音楽準備室では担任の城嶋、拓実、菜月、順の3人でミュージカルをやることについて相談。
ミュージカルが選ばれたことに歓喜する城嶋は、ここに田崎が来れば怖い物なしだ!と言うが、そんなの奇跡が起きなければ無理だとあしらう拓実。

ミュージカルって言うのは奇蹟がおきるもんだ!と言う城嶋の言葉と同時に、準備室に入ってくる田崎。
突然の田崎の登場に言葉を失う一同。

田崎は無言で順の前へ行き、頭を下げ この前は酷いこと言って悪かった! と紳士に謝る。
さらに呆然とする拓実と菜月に、田崎は よければ俺も手伝わせてくれ! と真剣な表情。

返す言葉もないように驚く二人をよそに、順は携帯電話を取りだし、文字を打って画面を田崎に見せる。
画面には もちろんです!ありがとう! の文字が。

もうなにも理解出来なくなってしまった拓実と菜月に 奇蹟起きただろ? とどや顔の城嶋。


その後、すぐに2年2組のホームルームでミュージカルをやることになったことを発表。
当然の如く、所々から不満の声が連発。
不満の声がさらに不満を呼び、どんどんと不穏な空気になっていく。

と、拓実が 俺も最初はどうでもいいって思ってたけど、ひとりでも本気のヤツが居れば、それに乗っかって、やってみるのも面白いとおもう と菜月がすかさず、 私も実行委員として頑張るから とフォロー。

すると、教室のあちらこちらから、 良いじゃん。どうせやるなら変わったことやった方が面白いし 等、肯定の意見が出てくる。
と、そこにDTM研の仲間、岩木と相沢も 曲は俺たちがやるぜ! と意気揚々。
次第に賛同の声が膨れあがり、ほぼ決定の流れに。

と、そこで配られたプリントに書かれた主役は誰?という話に。
当然成瀬だろ?と順を見ると、首を振って拒否する順。

と、順が教壇から教室を見渡すと、全員が順に注目。
押しつぶされそうな中、順はこれまでとは違い、そこで勇気を振り絞り、右手を高く上げる。
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こうして主役が決まり、それぞれの配役や、裏方などの役回りも決めて、準備が始まる。
分担して、衣装や舞台のセットを作ったり、振り付けを決めたり。岩木と相沢は城嶋と協力して曲作りを進める。


そしてついに物語の結末を書き上げた順は、昼休みの屋上で3人にその結末を見せる。
ドロドロとした結末にタジタジする田崎だが、菜月のフォローもあって、物語の完成を喜ぶ一同。

だが、拓実は自分が王子役だという事へのプレッシャーで押しつぶされそうに。
と、そんな拓実に田崎は まだ人間なだけマシだろ!俺なんてタマゴだぞ! と。
菜月はコーラスと罪人と、メインの役柄を全て実行委員がやることに。

そして、順は最後の歌詞を書き上げるのみ。
そんな順に これで喋りたい気持ち全部言えそうか? と順は力一杯にうなずく。
そんな二人の掛け合いを見てどこか寂しそうにする菜月。

そしてミュージカルの題名が「青春の向こう脛」に決まる。


その後、拓実の自宅でラストの曲の打ち合わせをすることに。
集合の10分前が規則だと言う田崎が一番乗りで、二階の部屋へ。

 仁藤と成瀬は買い出しに行ってもらってるし、他のヤツ等もすぐ来るだろ と拓実が言うと、田崎が突然 お前、仁藤と付き合ってたんだろ? といきなり切り出す。

予想外の話題に驚きを隠せない拓実は、 まぁ中学の時のことだけど とあたふた。
続けて まぁ仁藤、今彼氏いるらしいしな と。
その発言にショックを隠せない拓実。
と、同時にそこへ相沢と岩木が。

一方、拓実の家に向かう菜月と順。
先導する菜月が拓実の家へのルートをスマホで検索しようとすると、その横をそそくさと先を歩いて行く順。
 もしかして坂上君の家行ったことあるの? と聞くと、うなずく順。そして顔色を曇らせる菜月。

すると、順はすぐに菜月へメールを。
 物語を考えるときに一度だけピアノで曲をつけてもらった と書かれた内容を見て、なんとも言えない表情になる菜月。

するとさらに順からメールが届く。
メールには 友達の家に行ったり、友達と一緒に買い物に行ったり、とても不思議な気持ち と書かれていた。
菜月が 友達? とつぶやくと、しまった!と言った表情で即座に ごめんなさい と書かれたメールを追加。
菜月が え? と返すとすぐに順から 実行委員として付き合ってもらってるだけなのに友達なんて言ってごめんなさい と。

それを見た菜月は慌てて、 私も成瀬さんと友達になれてうれしい! とフォロー。
慌てふためく順を見て、順に聞こえないほどの声で 本当に応援したくなる… とボソり。
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そして拓実の家に集まったみんなで最後の曲について相談し、実際に拓実が演奏して、こんな感じでどうだろう?と。
全員が絶賛し、曲も決まり、喜んでいる中、ピアノの前に座る拓実をポーッと見つめる菜月。を見る順。


その後、一階に降りた際に拓実の祖母から頼まれて皆に出す茶菓子の手伝いをすることになった順。
そこで昔話を始める祖母。

それを聞いた順は、携帯電話を取りだし、文字を打ち、祖母に見せるが、老眼の祖母にはそれがよく読めない。
と、そこに拓実がやってきて、祖母が これ何て書いてあるの? と順の制止も間に合わずその文面を読んでしまう。
そこには 拓実くんのご両親は? と書かれており、え?と驚く拓実。
しまった!という表情をする順に微笑む拓実。

茶菓子を運ぶ廊下で、拓実の生い立ちを聞く順。

拓実の父親は拓実に好きなことをやらせてやれと言いピアノを教え、母親は受験が大事だと、拓実のことで毎日夫婦げんか。
そして二人は離婚し、拓実は父親に引き取られ、祖母と祖父の家で暮らすことになったが、忙しい父親は年に1回帰ってくるぐらい。

そんな事を淡々と語る拓実を、見つめる順。


そして打ち合わせも終わり、解散。

菜月は電車で、改札で別れ、田崎と順は歩いて帰ることに。

同じ帰り道で、順の歩く後を着いてくる田崎。

後ろの様子が気になって仕方無い順は、思い切って携帯電話で文字を打ち 電車で帰らなくてよかったの? と。
田崎はリハビリを兼ねてだと言い、もしかして一緒に帰りたくなかったか?と順の気持ちを察するが、首を振って否定する順。

そして 坂上のピアノ凄かったな。クラスのみんなも色々やれるし。俺は今まで何にも知らなかったんだな と語り出す田崎。

順に それに気づける田崎君は立派 と言う文面を見せられた田崎は照れ、先を急ぐ。


翌日。突然 順は拓実に、ラストの展開を変えたいと言い出す。
困惑する拓実だが、順が変えたいというなら と渋々。
が、その新しいラストはハッピーエンド。
前日決めた曲にはとても似合わない曲で、また曲を練り直さないといけないかも、と落胆する。

と、教室で演技の練習をしている中の岩木が、 悲惨な演技なのに、こんな楽しく歌っていいのか? と疑問を投げかける。
すると他の生徒から 歌詞と内容のギャップが面白いんだろ? と。

その言葉にピンときた拓実は、そのまま順と音楽室へ。

アイディアが溢れんばかりにピアノを奏でる拓実。
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そして順に一つの提案をもちかける。

 前のラストも、新しく作ったラストも、どっちも成瀬の言いたいことだから、どっちも大切にしたい。 と、拓実が昔見たミュージカルで、別々の歌詞を同時に歌うという手法を思い出し、それを曲に乗せてみると、見事マッチ。
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どう? と順に投げかけると、メールで すごい と返事をし、同時に涙をこぼす順は心の中で 私の王子様 とつぶやく。


そして交流会の準備もラストスパート。

交流会前日、下駄箱で明らかに拓実を避けるような態度をする菜月。
そんな菜月を見つめる拓実を困惑した表情で見る菜月の親友の明日香。

その日は夜遅くまで体育館を貸し切って全員で最後のリハーサルも無事終了。
いよいよ明日だー!と、舞台の片付けに励む2年2組。

と、そこに部活を終えた野球部を三嶋が引き連れてやってくる。
そこには山路の姿もあった。

舞台袖で田崎が荷物を運んでいると、そこに山路が。
腕を使っている田崎を見て、 もういいですか? とボソり。
と、 やっと医者からOKが出て来週からは練習に出れるから、もうちょっとだけ待っててくれ と田崎が言うと、 ウッス と言い去って行く山路。


と、舞台では菜月が両手にビニール袋を持ってどこかへ行こうとしていた。
それを見た明日香が 教室に行くならこれも持って行って と荷物を渡そうとするが、当然持てない菜月。
と、計ったように、 なら坂上も行って と、その提案に驚く二人。

夜の渡り廊下を歩く二人。
と、そこで拓実は最近菜月が自分を避けているんじゃないかと切り出す。
別にそんなこと、、、と菜月が前を見ると、暗闇に隠れてイチャイチャするクラスメートを見つける。

慌ててその場を離れ、下駄箱付近へ来ると、菜月は いくら付き合ってるからって学校で… とイライラ。
 つきあってる と言う言葉を返す拓実。
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菜月が振り返ると、 仁藤も付き合ってるヤツいるんだってな と言う拓実。
なんでそのこと、と言う菜月に田崎から聞いたと答える拓実は、余計なことを言ってしまったとハッとする。

と、涙を流す菜月。
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慌て心配の声をかける拓実に、 もう後は私がやっておくから、それ置いて成瀬さんの所に行って! と。

そんな所にクラスの皆のカバンを一人で運んで下駄箱でイソイソする順が二人の声に気付き、二人を見る。

順の存在に気付いてない二人はヒートアップ。
拓実は 何故ここで順の名前が出るんだ? と聞くと菜月は 成瀬さんのこと好きなんでしょ? と。

それをすぐに否定した拓実は 成瀬は頑張ってるから応援してるだけ と言うが、 それが好きってことなんじゃないの? と菜月が言い返し、違う違わないの合戦。

勝手に人の気持ちを決めつけるな と言う拓実に そんなのわかんないよ と泣く菜月。

その言葉に そうだよな。思ってることは口にしないと と、拓実は中学の時から抱いていた菜月への後悔を告白する。

それを聞いた菜月は、 あれから私たちの関係がうやむやになって良かった。じゃなかったら終わっちゃうかもってずっと思ってた と、それを聞いた拓実は じゃあ付き合ってるやつって と菜月もまた拓実のことをずっと引きずっていたことを告白。

でもそれじゃあいけないと気付いた菜月は拓実を応援しようと。そんな菜月に拓実が何かを話そうとしたとき、下駄箱の方で何かを落とすような物音が。

それを聞いた菜月は、もう戻ろうと切り出すが、ハッキリさせたい拓実が詰め寄ると、今は聞きたくないと去って行く。


そんな二人の会話を聞いてしまった順は、靴も履かず、学校を飛び出し闇雲に夜道を走り、転んでしまう。
膝が血だらけになり、痛いとうずくまると、どこからかあの声が。
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順が前を向くとそこにはあのタマゴが。
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タマゴは言葉の封印を破った君へ罰を与えると言う。
ほとんど喋っていない!と否定する順だが、 君は心がおしゃべりなんだ と言うタマゴは 坂上拓実が好きだ好きだ好きだ! とさらに順を追い込んでいく。

やめて! と言う順だが、タマゴは もう終わりにしよう。スクランブルエッグだ とドロドロのタマゴの中に埋もれていく順。
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翌日。
いよいよ交流会の当日。

2年2組は順が登校してこないことでパニック。
下駄箱に靴はあったが、学校中探しても見つからず、電話も繋がらない。

と、そんな時、拓実が順からのメールに気付く。
メールには ごめんなさい。ヒロインはできません。 との内容が。
それを聞いたみんなは驚愕。

と、クラスメートの一人が、昨日 順が何か急いでいたことを思い出す。

それを聞いた田崎は、拓実と菜月に そういえば昨日、成瀬が教室にみんなのカバン取りに行ってくれてたけど、見なかったか? と。

それを聞いて、拓実と菜月はあの時の物音の正体が順だったと勘づく。
 成瀬さんに聞かれた… とつぶやく菜月に、なにを?と問う田崎。

理由を聞いた田崎は二人に怒りを露わにする。
そして教室中でそのことが知れ渡り、そんな勝手な理由で居なくなるなんて、と怒りの矛先が順に向かっていった。
このままだと順だけが悪者になってしまうと拓実は 俺たちが言い出して俺たちが台無しにしようとしてる。ごめん と、みんなに謝り、 でも無理して頑張ってきた成瀬に舞台に立って欲しい。 と訴える。
 でも実際来ないんだし と言うクラスメートの言葉に、 俺に探しに行かせて欲しい! と真剣な顔で訴える拓実。
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そんな拓実を見た田崎は、曲を作って歌詞も全部覚えている岩木に王子役を。そして順に振り付けを教えてた菜月にヒロインを代役させる。
戸惑うみんなに、 俺からも成瀬にチャンスをくれ! と頭を下げる。

そして急遽全員が緊急の打ち合わせを、順の不在に消沈していた教室も急に慌ただしくなる。

 頼むぞ と田崎が送り出した拓実は教室を飛び出して、自転車に乗って学校の外へ。
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その頃、廃墟のような建物の中で一人、無言で座り呆然とする順。


そして学校では交流会が始まる。
客席には拓実の祖母と祖父の姿が。
と、祖母がたった今やってきた順の母親を見つけ、隣へどうぞ。と。


そして街中を自転車で走って探す拓実。
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学校ではついに2年2組の順番が。
そしてミュージカルは主役とヒロインが代役のまま始まった。

舞台に出てきたヒロイン役で歌い踊る菜月を見て、順の母親は やっぱりダメなんじゃない… とため息。

舞台袖では、順が来ないことにソワソワ居ても立っても居られないみんな。
と、一人が発した 別に成瀬が来ても来なくても、どっちみちやれることは一緒。一番最悪なのは失敗すること。私たちだけでも成功させよう! との言葉に全員が意気込む。
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一方、拓実は順とのキッカケが出来た寺に来ていた。
全然見つからないことに苛立つ拓実は、ふとそこでの出来事を思い出し、 全ての始まりは、城の舞踏会 と丘の城を見て、走り出す。


果たして順を連れ戻すことはできるのか。
そして2年2組のミュージカルに奇蹟は起こるのか。

さらに待ち受ける意外なラストとは。

若さ故のコンプレックス

メインキャラクター全員が言葉によるコンプレックスを持っている本作。
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思春期だからこそ、純粋に言葉を重く受け止めてしまう。
簡単に人を傷つけてしまう言葉に怯える少年少女に、取り繕った建前の言葉では無く、本音をぶつける大切さを教えてくれる作品でした。

懐かしさ溢れる青春ストーリー

本作は特に青春を忘れた大人に見て欲しい作品です。
クラスで学校行事こなすあの気持ちや、体育館の袖で本番を前に緊張するあの気持ちなど、沢山の青春が思い出され、とてもむずがゆい気持ちにさせられますが、リアルな演出に共感する方も多いかと思います。
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ラストの「えっ!?そことそこがくっつくの?」という展開も、また高校生らしい粋な演出でした。

魅力的なキャラクター

特にこの作品の特徴は、メインキャラクター4人全員が主役とも取れるほど、それぞれに見応えあるスポットが与えられていること。
さらにそれぞれが対比した問題を抱え、お互いに影響されていく様はこの映画の一番の見所だと思います。

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のような幽霊が出てくるSF作品ではなく、序盤に出てくるタマゴにも正体があり、それぞれのキャラクターにきちんと感情移入できるのも重要なポイントでした。

声を奪われた少女

自分の軽はずみな発言が原因で不幸を招いてしまったと思い、口を閉ざしてしまった成瀬順。
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そんな順が、唯一言葉を解放できる方法は歌。

そして沢山の出会いと経験を経て、心に溜めていた言葉をミュージカルという舞台で形にし、自分が今まで言えなかった気持ちを物語として描くことに。
そして、順の勇気に周りも影響されていく。

周りが見えていない野球少年

チームのためを思い、人一倍厳しくチームを鼓舞する野球部の田崎大樹。
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が、それも逆効果で、後輩からはウザい先輩として、思いとは裏腹にチームのお荷物として認識されるように。
自分の意見を上手く言えない田崎は、そんな自分に苛立ち、さらにチームの雰囲気を悪くしてしまう。

そんな中、順が書いたミュージカルの物語に触発された田崎は、自分を見つめ直し、再スタートをするため、精一杯の気持ちを込めて後輩に腹を割って話を切り出す。

密かに後悔を引きずる少女

「あのとき言葉をかけてあげられていたら」そんな後悔を持つ仁藤菜月。
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それから菜月は、全ての事柄に決着を付けずに、何事もうやむやにして逃げてきた。

しかし拓実や順の言動に、このままの自分じゃダメだと思い始める。

本当の自分を隠してる少年

両親の離婚などをキッカケに、自分の気持ちを後回しにするようになった坂上拓実。
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周りへの優しさは自分を守る為。
いつしか自分の意見を無くしていた拓実は、順との出会いで、人に伝えたい気持ちを知り、自分も伝えたいことが沢山有ることに気付く。

あの花とのコラボも

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」と同じ埼玉県秩父市を舞台としている本作。

あの花であなるが良く利用していたハンバーガーショップ「ワクドナルド」が今作でも登場します。
さらにその店内では、あの花のオープニングテーマソング「青の栞」のメロディが流れるなど。

他にもファンをニヤリとさせる登場人物や演出も見られたので、そういった部分を探す楽しみを含ませたスタッフの遊び心は流石でした。

美しい歌と音楽

本作で一番特徴的なシーンである、物語ラストで、全員で合唱する「心が叫びだす~あなたの名前呼ぶよ」の部分で感動した方は多いはず。
プロの声優さんたちの美しい歌声で奏でられる合唱はとても聞き応えがありました

既存のミュージカル音楽を元にした楽曲が多く、「Over The Rainbow」や「Around the World」という、多くの人が一度は聞いたことのある音楽をアレンジしており、スッと耳に入ってくるので、聞いていて気持ちいいです。
また、その歌詞もまた物語の本筋をなぞっており、歌詞をよく聴いていると、登場人物の心情を受け取れるので、またより感動が増します。

合唱も入っているサウンドトラックは必聴です!

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