映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』感想(ネタバレ&あらすじ有り)

キック・アス ジャスティス・フォーエバー(原題:Kick-Ass 2)
日本公開日:2014年2月22日

前作「キック・アス(2010)」が面白かったので、あのコンビが帰ってくる!という気持ちで見に行きました。
色あせないキック・アスらしさに、笑いと涙を奪われました。

前作の続きなので、前作を見ていないと分からない部分も多くありますが、冒頭でざっとおさらいしてくれたり、簡単な補則も入るので、見たことない人でもそれなりに楽しめると思います。

キック・アス ジャスティス・フォーエバーとは

Kick-Ass2

特殊能力も優れた身体能力も無いなりきりヒーローな少年デイヴと、父親のスパルタ教育により、大人顔負けの戦闘技術を身につけた少女 ヒット・ガールが ある組織を壊滅させてから数年。
本物のヒーローを目指すことにしたデイヴは、ヒーローチームを作り上げ、ヒット・ガールの参加も打診したが、彼女は普通の少女として生きていくことを決めることに。そんな中、デイヴのヒーローチームはある事件に巻き込まれる。


オススメポイント
一人で見る:
友達と見る:
好きな人と見る:
家族と見る:
グロテスクなシーンや性的、暴力的な表現が数々。よく言えばTHEアメリカン。
R15+指定になってまいす。

前作から約3年を経て帰ってきました。
前作の監督、マシュー・ヴォーンは今作ではプロデュースの位置におり、監督や脚本は変わってしまったものの、主な出演者や場所、雰囲気などは前作を継承しています。

物語は原作コミックで言う「キック・アス2」「ヒットガール」の内容になっています。

アーロン・ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツ共々、素晴らしい演技とアクションを見せてくれました。


予告編

Kick-Ass2-00

これより下にはネタバレが含まれます

※これ以降は筆者の感想と共に作品の内容に深く関係する記述が多く含まれています。最低限の配慮はしていますが、今後作品をご覧になる際、先入観により純粋に作品を楽しめなくなる可能性があります。またこの感想は筆者の私見であり、矛盾点や間違いがある場合があります。それら全て含め、ご了承頂いた上でご覧下さい。


あらすじ(ネタバレ)

ビッグ・ダディの仇を取った事件から数年後。

ヒット・ガールであるミンディは父親の親友であった警察官のマーカスに引き取られ生活をしていた。
その中でもミンディは学校のシステムをハッキングし、きちんと出席しているように偽り、マーカスの目を盗んでは、ヒット・ガールとしての鍛錬を続けていた。
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一方、キック・アスであるデイヴはヒーローを辞めて退屈な日を送っていた。

そんな中、キック・アスの行動に触発され、街では”なりきりヒーロー”が次々と誕生していた。
それを見たデイヴはキック・アスの復活を計画。

まずはヒット・ガールであるミンディに話を持ちかける。
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ミンディはデイヴの真剣な表情を見て同意。
本気でやるなら とミンディから訓練を受けることに。

実践さながらの訓練に身体はボロボロになるものの、手応えを感じ、次第にミンディとの手合わせにも対応出るようになってきたデイヴ。
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しかし、ミンディの保護者であるマーカスは、ミンディの不審さに後を付け、学校に行っていないことを突き止め、ミンディに外出禁止令を。
しかしそれでもデイヴとの秘密訓練を続けていた最中、警察にヒット・ガールの装いを見られ、無線通信を受けたマーカスはまさかと思い一目散に家に。

同時にヒット・ガールも専用のバイクで自宅へ急行。
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お互いに家を目指し激走。
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ギリギリでミンディは部屋のベッドに潜り込むが、着替えるまでの余裕がなく、マーカスにばれてしまう。

マーカスはミンディの父親であるビッグ・ダディの遺言を守り、ミンディにちゃんとした生活を。そしてミンディを普通の女の子として育って欲しいことを告げる。
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それを聞いたはミンディはマーカスにヒット・ガールとしての活動を辞めることを約束。
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それからミンディは普通に学校に通うことになり、デイヴとの訓練は終了。

そんな中、キック・アスに父親を殺されたクリスは母親を謝って殺してしまい、父親の残した財産を引き継ぐことに。
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その中でクリスに何かが芽生え、ヒーロー レッド・ミストの過去を捨てて世界を壊すマザー・ファッカーとして叔父の部下であるハビエルを引き連れて悪の道を行くことに。

そして一方、デイヴは仲間を作るために街に出て、同じようなヒーロー達
ドクター・グラビティ、スターズ・アンド・ストライプス大佐、ナイト・ビッチ、インセクトマン、リメンバー・トミー、バトル・ガイ等と出会い、ヒーローチーム”ジャスティス・フォーエバー”を結成。
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そしてストライプス大佐の私有地に秘密基地を作り上げる。
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一方、ミンディは同級生のブルックの家へお泊まり会へ行くことに。
集まった女の子とは反りが合わなかったが、変わろうとするミンディは違う自分への一歩を踏み出す。
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さらにブルックの誘いでダンスチームへ加入。
そこでエースに駆け上がろうとしていたブルック。
発表会にて、突然名前を呼ばれたミンディ。
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とりあえずヒット・ガールの動きを思い出し、アクロバティックなダンスを披露する。
すると、その動きにダンスチームのみんなは賞賛。
ブルックは自らのエースへの道をへし折られたと、ミンディに嫌悪感を抱く。

一方、ヒーロー活動に精を出していたデイヴ。
ある日父親に不信感を抱かれるが、やましいことは何もしてないと言うデイヴは、その日ジャスティス・フォーエバーの活動で、麻薬犯のアジトを襲撃。
その一件で、チームの結束力は格段に上がった。
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そしてデイヴはミンディにジャスティス・フォーエバーへの加入を促すが、放っておいてと一蹴。

一方、ジャスティス・フォーエバーの活躍を知ったマザー・ファッカーことクリスも仲間を集め、マザー・ロシア、チンギス・半殺し、腫瘍(ザ・トゥーマー)、ブラック・デス等を従え、チームを結成。

そんな中、ミンディはクラスメートからの誘いでデートをすることに。
今までにないミンディの女の子らしい姿にマーカスは心地よく送り出す。

そしてミンディは車でパーティーに。
しかし連れて行かれた場所はパーティ会場があるとは思えない森林へ。

そして車を降りると、そこにはブルックを含めたクラスメートが。
ダンスでの仕返しにブルックを初めミンディをみんなで騙し、ミンディ一人を森林に置いて去って行く。
一人残されたミンディは涙をこらえ、歩いて帰ることに。

どうしたら良いか分からなくなったミンディはいつの間にかデイブの家に。
窓から部屋に入ってきたミンディに驚くデイヴだが、デイヴを見て泣き崩れるミンディに優しく対応するデイヴ。
どうしたらいいのか分からない。と言うミンディに、デイヴは ビッグ・ダディはもう居ない。君の人生だ。君はヒット・ガール。何でも出来ると。
痛めつけることではなく、彼女たちのフィールドで打ち負かすんだと言うデイヴの言葉に、翌日、ミンディはいつも以上に大人っぽく、女性らしい身なりで登校。
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その姿に、周りのクラスメートは目を奪われ、ブルックの前に。
ブルックはそんな恰好をしても私には永遠に勝てないと。
するとミンディは鞄からある装置を取り出す。
超音波によって人に下痢や嘔吐をさせる装置だと言い、ミンディをはめたクラスメートを含め、ブルックに仕返しをする。

一方、デイヴは父親に自分がキック・アスであることがバレてしまう。
父親はそれを批難し、デイブは反抗。家を出て行くことに。

そして、大した悪事を働くことのなかったクリスは、ハビエルと叔父が収容されている刑務所へ。
叔父と対面したクリスは、そこで本当の悪とはこういう事だと、叔父の命令でハビエルを殺害。
それまで従えてきたハビエルをいとも簡単に殺す叔父を見て何かが吹っ切れたクリスはジャスティス・フォーエバーの基地に。
そこに居たストライプス大佐を殺害。基地をめちゃくちゃに。
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さらにジャスティス・フォーエバーの一員、ナイト・ビッチの自宅を襲撃。
警官もマザー・ロシアの手によって瞬殺。
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このことにFBIはマスクを付けている者を片っ端から検挙。
デイブが家に帰るとそこにはパトカーに入れられる父親が。
父親がデイヴを守るため、警官に自らがキック・アスだと自供。連行されてしまう。

ニュースになったその事件を見たミンディは悪を止めないといけないと立ち上がろうとするが、マーカスに止められ、デイヴからの電話にも助けることは出来ないと。

収容された父親に会いに行ったデイヴは、父親にもう二度とキック・アスにならないでくれと言われ、やむを得ず約束を交わす。
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一方でキック・アスの正体がデイヴの父親だと睨んだマザー・ファッカー達は刑務所を襲撃。デイヴの父親を殺してしまう。
さらに父親の無残な姿を写した画像をデイヴに送信。
それをみたデイヴは膝から崩れ落ち、傷心。

葬式で父親と別れを告げたデイヴは、駆けつけたミンディと抱き合う。
ふとミンディが目を先にやると、そこにはマザー・ファッカーの手下が。
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乱撃するマザー・ファッカーの手下達。
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一瞬の出来事に手の出せないFBI。
そしてデイヴは連れ去られてしまう。

マザー・ファッカーの手下が車の中でデイヴに詰め寄る、が、そこにミンディが。
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ミンディの活躍により、デイヴを救出。

デイヴがミンディに助言した、これは君の人生だ。と言う言葉を今度はミンディがデイヴにかけ、デイヴはキック・アスとして復讐を決める。
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そして街中のヒーローたちに呼びかけ、マザー・ファッカーのアジトに乗り込み、ついにヒーローVS悪党の戦いが始まる。
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いたる場所での攻防戦の中、キック・アスはマザー・ファッカーと、
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ヒット・ガールはマザー・ロシアと激闘。
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マザー・ロシアの強靱な肉体に歯が立たないヒット・ガールはついに首を絞められ、危機的状況に。
そして最後の手段として持っていた注射器を刺そうとするが、マザー・ロシアに奪われ、それをヒット・ガール自身に注射されてしまう。

一方キック・アスとマザー・ファッカーは屋上へ。
詰め寄るマザー・ファッカーにほぼ互角の戦いをするが、争いの中で屋上の床が抜け落ちてしまう。


そして…


ついにキック・アスと
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ヒット・ガールの別れが。
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果たしてキック・アスとヒット・ガールの運命は!?


エンドロール後は しぶといな! って思うようなおまけがあります。

キック・アスらしさは健在

キック・アスと言えば、所々で笑わせてくれるユーモアなシーンがお馴染みですが、今作でも所々にちりばめられていて、面白おかしく観客を楽しませてくれます。
特にクリストファー・ミンツ=プラッセ演じるマザー・ファッカーは、前作同様多くの場面で良い味を出してました。
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軽快な音楽の中で残虐なシーン。
これこそキック・アスだと言わんばかりの演出は前作同様、今作にも採用されていました。
ただ、前作よりロックテイストな曲が多かったのが、少し残念。
もうちょっとポップ寄りな音楽の中で暴れ回って欲しかった。

さらに、汚い表現の中にも魅力を感じるアメリカンな演出が所々に見えて、あー、なんかアメリカ映画だなーと思わせてくれ、最近のアメリカ映画では無くなった懐かしさも感じさせてくれます。

物足りなさが残る

今作の一つの要点でもある沢山のヒーロー達。
しかしその沢山のヒーローが出てきてしまったが為に、少しキック・アスとヒット・ガールの存在が薄れてしまっていたように感じてしまいました。
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特にキック・アスのかっこよさが欠けており、まぁ元々なりきりヒーローではあるものの、前作ラストの勇ましさはどこへやら。ただ肉体がマッチョになっただけ。

デイヴとしてミンディを支えるかっこよさはあったけど、キック・アスとしてはイマイチ。
何よりジャスティス・フォーエバーに居るときのキック・アスの存在感がなさ過ぎるのに加えて、中盤は全くヒット・ガールが出てこないので、序盤と終盤以外に盛り上がりがありません。

ヒーローであるが故の苦悩も、もうちょっと違う見せ方があったと思うのですが。
原作ありきなので、仕方無いと言えば仕方無い展開なんですが、そこは映画オリジナルとして挑戦して欲しかったというのは本音です。

ただ、それらのシリアスなシーンが多い今作の縛られた展開がある中でここまでキック・アスらしさを保っていたのは逆に賞賛しても良いかと思います。

ただ、単純な映画として見るとやはり物足りなさはあります。

アクションシーンは前作以上

アクション部分は前作より多く、さらに激しくパワーアップしていました。

特に今作は沢山の人物が乱れ交わって戦いを繰り広げたり、キック・アスも冒頭の訓練により、前作以上にパワフルに戦うので、その立ち回りに目を奪われます。

それらアクションの一つ一つにも工夫があって見ていて飽きないのが凄い。
この立ち回りを考えたり演技指導してる人に拍手。

そしてなんと言ってもヒット・ガールのアクション。
クロエ・モレッツ自身も成長してるので、前作に見えた軽快でヒョイヒョイと敵を欺きながら対抗するのでは無く、立ち回りは相変わらず軽快ですが、そのアクションにも重みと威力を感じるものにシフトしていました。
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さらにバイクで激走するシーンも格好良くて見所です。
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極めつけは、前作のラスト、ボスのフランクに見せた壁を昇って相手の背後に回り込むアクションが今作でも再び描かれています。
これはヒット・ガールならではの立ち回りなので、前作を見たことのある人をニヤリとさせる要素の一つでもあります。

個性的な出演者

キック・アスを演じる主演のアーロン・ジョンソンは、本作では冴えないオタク少年を演じていますが、実は結構セクシーな人物だったりします。
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このレビューを書くために本人を調べてたら、まるで別人かと思うようなイケメン写真が沢山出てきて驚きました(笑)
流石の役者さんです。

さらにヒット・ガールを演じる、もう今や世界的なハリウッド女優になったクロエ・グレース・モレッツ。
今作では前作では見えなかった、一人の少女としての葛藤や、デイヴに見せた涙、セクシーな風貌など、色々な表情を演じています。
間の取り方や、表情など、女優としての成長を感じました。

そしてストライプス大佐役のジム・キャリー。
一度は聞いたことある名前だと思います。映画「マスク(1994)」でお馴染みの。
と言うか、見た後にキャスト陣の名前を見て彼の出演を知ったぐらい まさに”マスクマン”として登場しているので、本編では全く顔が出てきません。
これはジム・キャリーじゃなくて、誰でも良かったんじゃないかって思えてしまったのは私だけじゃないはず。

さらにマーカス役のモリス・チェストナット。
マーカス役は前作から変わってしまったものの、これほど子供思いな良いパパ像が前面に出ている役者も珍しいんじゃないかと思うほど良いパパを演じていました。
この微笑みはプライスレス。
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この人も注目。
マザー・ロシア役のオルガ・カーカリナ。
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見た目だけで言えばイスラエル版の神取忍。
女性でボディービルダー役者として活躍している彼女なのですが、なんと言ってもその鍛え込まれた肉体。
これで42歳と言うのだから、まさに超人です。
作品内でもヒット・ガールの卓越した立ち回りにもひるむこと無く追い詰める強靱なライバルポジションとして鉄壁の強さを演じています。

さらに映画バイオハザードシリーズのアイザックス博士でお馴染みのイアン・グレンもチラッと出演していました。
これが、劇中で登場したとき「うわっ、どこかで見たことある顔だ」って思い出せずずっと引っかかって、ホント映画を見るのに支障が出るぐらいモヤモヤしてて、見終わった後に調べてスッキリしました。
アイザックス博士でした。

続編について

今作は、原作コミックの第2章に当たる「ヒットガール」と第3章に当たる「キック・アス2」を題材としています。
原作は第4章の「キック・アス3」に続くとされているので、物語としては続くのですが、これが映画化されるかはまだ分かりません。

実際に原作コミック「キック・アス」が掲載終了してすぐに映画化され、今作も「キック・アス2」「ヒットガール」が掲載終了したとほぼ同時期に映画化された経歴を見ると、2015-2016年頃の映画化が濃厚だと見れます。
が、その年に主演のアーロン・ジョンソンは約25歳、クロエ・モレッツは約19歳と、原作がどれぐらいのキャラクター年齢設定か分かりませんが、似合う役者で居られるのかが心配ではあります。

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