グランド・イリュージョン 見破られたトリック とは

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グランド・イリュージョン 見破られたトリック
(原題:Now You See Me 2)
日本公開日:2016年9月1日

汚れた大金を盗み出し、世界から注目された4人組のイリュージョニスト集団「フォー・ホースメン」が次に狙うのは個人情報を不正に収集している企業。しかしホースメンをも欺く天才エンジニアが現れ、そこから数々の復讐劇が折り重なり、ホースメンも巻き込まれていく。

オススメポイント

一人で見る:

友達と見る:

デートで見る:

家族と見る:

お子様と見る:

必ず前作は見ておきましょう。 お復習いも前作を知っている方に向けたような簡単なものしかなく、前作に出てきた人物が重要人物として多く出てきます。相変わらずマジックショーを見ているかのような楽しい雰囲気に、今作は一緒に相手を騙しているかのように、最後はきっと誰しもが騙されたと思うような結末が待っています。

前作から3年を経ての続編です。監督は前作のルイ・ルテリエから、新たに「G.I.ジョー バック2リベンジ(2013)」を監督したジョン・M・チュウが抜擢。 キャストはほぼ全員前回から続投。今回新たに、ダニエル・ラドクリフ、ジェイ・チョウ等を加え、前作でホースメンのメンバーだったアイラ・フィッシャーだけは妊娠の為に降板。代わりにリジー・キャプランが起用。

予告編

前作の感想(ネタバレ&あらすじ)

これより下記にはネタバレが含まれます

※これ以降は筆者の感想と共に作品の内容に深く関係する記述が多く含まれます。またこれは筆者の私見であり、矛盾や間違い等がある場合があります。それら全て含め、予めご了承頂いた上でご覧下さい。

本作のあらすじ

作品内で種明かしされるマジックの種はあえて伏せてあります。

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前作から2年後。

下水道で壁に刻まれた目(アイ)の紋章を辿り、ある扉の前にやってきたアトラス。
扉の中に入ると、アイの声が。
アイはこれまで、ホースメン達に計画の指令などを出していた謎の人物。
しかし今までとは違うアイの雰囲気に不信感を見せるアトラス。

そして、アトラスが帰宅すると、自宅にはルーラと言う一人の女性が。

ルーラはホースメンに入りたいと志願し、アトラスにマジックを披露。

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しかしアトラスはそれを拒否。

が、その後ディランに呼び出された先で、何故かそこに居たルーラが正式にホースメンに加入することに。

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ディランも相変わらずホースメンを追う刑事と偽ってFBIで働いていた。

そしてディランから、新たなアイの計画がホースメンの4人に知らされる。

それはオクタと呼ばれる会社が発表する予定の新しいコンピューターに使われる基盤には、利用者の個人情報を収集するバックドアが組み込まれており、それをホースメンが世間に暴露するというもの。

そして早速計画が実行。

オクタ社の新コンピューター発表会のニューヨーク会場に潜入したホースメン達は、同じくFBIの捜査として潜り込んでいたディランの指示によって、華麗なマジックとチームワークで早速会場をジャック。

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そしてオクタ社の新コンピューター発表会が始まると同時に、ホースメンも華麗に登場。

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ホースメンの登場に沸く会場。

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ホースメンを追っていたFBIも会場に駆けつける。

そしてホースメンがオクタ社のコンピューター不正利用を暴露しようとした途端、ホースメンがつけていたマイクが故障。

途端に会場のスクリーンに謎の顔と音声が。

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その音声によって、ホースメンのジャックが生きていたこと。そしてディランがホースメンと繋がっていたことが暴露され、FBIから捕らえられそうになるところを、ディラン自身もマジックで回避。

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そして予め用意しておいた脱出ダクトを抜けて脱出するホースメンの4人。

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だが、着いた先はなんと中国のマカオ。

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一体何が起こったのか分からないホースメンの4人の前に現れたのは、メリットの双子の弟、チェイス。
チェイスも又メリットと同じく催眠術師であり、かつては双子コンビで活動していたという。
そんなチェイスと、中国マフィアの様な取り巻きに捕らえられてしまうホースメンの4人。

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そして連れてこられた先は、高級ホテルのような一室。

そこで待っていたのは、天才エンジニアのウォルター。

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ウォルターはホースメン達に一つの依頼を頼むことに。

それはオクタ社の開発した個人情報収集コンピューターに使われている基盤を盗んできて欲しいというもの。

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このために先のオクタ社の発表会をホースメンごと潰したのもウォルター。
基盤を手に入れる為にホースメンを招いたという。

そしてどうやってホースメン達を一瞬でニューヨークから中国に移動させたかの種明かし。

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この要求を断れば命は無いと言うウォルターに、ジャック、メリット、ルーラの3人は、ディランの許可が無ければそんなことできないと断固拒否。

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が、何故かアトラスはウォルターの要求に快諾。

そして他の3人も仕方なく協力することに。

一方、ディランは当初の脱出計画で落ち合うはずだったニューヨークのポイントでひたすらホースメンを待っていた。

と、そこに一通の電話が。

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電話の相手は、2年前に刑務所送りにしたサディアス。
サディアスは刑務所からディランに電話を掛け、今まさに危機に立たされていることをお見通しの様子。

ディランは全てサディアスの復讐だと言うが、サディアスは答えに含みを持たせる。

そしてサディアスはホースメンの居場所とホースメンを助けたければ、俺を刑務所から出せと要求。
ディランはしぶしぶそれを了承するも、腑に落ちない様子。

それは、これから何十年も前の話。

1984年、ニュージャージー州。

アメリカの全土が注目する世紀のマジックショー。
多くのマスコミが集まる中、リポーターとしてカメラの前に立つのはサディアス。
マジックを披露するのはライオネル・シュレイク。

シュレイクはディランの父親だった。

その場に来ていた幼きディランと、マジックの前に会話をするシュレイク。
シュレイクは心配する息子のディランに、もしもの時には袖にあるものが隠してあると言う。

常々、シュレイクがマジックを行う際には駆けつけて、シュレイクを煽るリポーターのサディアスは、この日もシュレイクを煽りながらも様子をリポート。
父親を侮辱するサディアスを幼きディランはにらみつける中、マジックショーが始まる。

マジックは大きな金庫の中に入ったシュレイクを金庫ごと川に落とし、そこから脱出するというもの。

だがしかしそのマジックは失敗。
シュレイクは命を落としてしまう。

かつての父の敵であったサディアスのことを、今でも根に持っているディランは、サディアスが捕らえられている牢獄に行き、FBIの力を使ってしぶしぶサディアスを連れ出す。

一方、ウォルターの計画に乗ったホースメン達は、チップを盗むために使うマジックの種を買いに、中国にある最大のマジックショップ「イヨング」へ。

中国語しか話せない店主のお婆ちゃんと、定員のお兄さんとなんとかやり取りしつつ資材を購入。

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作戦に必要なトランプの扱いも、トランプマジックの得意なジャックから手ほどきを受ける3人。

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そしていよいよ作戦実行。

いつものように、マジックと催眠術で最深部へ。

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そして練習したトランプ捌きを華麗に4人全員でこなし、役員の目を欺いて、チップを盗み出すことに成功。

一方、マカオにやってきたディランとサディアスは、サディアスが手に入れた情報を信じてイヨングへ。

しかしそこには既にホースメンはおらず、店主に導かれるがまま店の奥へ。
店の奥には有名なマジシャン達のマジック道具が沢山。

するとそこにシュレイクの名が書かれた棚が。
そこには試作品として作られたあの金庫が。
ディランがそれを見ていると、店主が一つの箱を差し出す。
その中には、あの日父親がつけていた腕時計が。

ディランは店主にお礼を言っていると、気付いたときにはサディアスの姿が無く、残されたメモには「次はお前の番だ」と。

そしてディランがマカオの街中でホースメンを探していると、丁度アトラスとバッタリ遭遇。

そこでホースメンが何かに協力していることを知るが、ばつの悪い様子のアトラスはディランと無理矢理別れると、そこにウォルターの姿が。

ウォルターはそこでアトラスにある種の催眠をかけていたことを暴露。
それが冒頭の妙な雰囲気のアイに隠されていた。

そしてチップを無理矢理奪おうとするウォルター。

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と、そこにさっき別れたディランが助太刀。

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アトラスを逃がして、ディラン自らマジックを駆使してウォルター等の手下を欺くが、ついに捕らえられてしまう。

と、逃げたアトラスは他のホースメン3人と合流し、すぐにディランを追う。

そして捕らえられたディランが連れてこられたのは停泊中の船の上。

そのディランの目の前には、かつてホースメンに大金を奪われたアーサーの姿が。

ウォルターはアーサーの息子で、大金を失ったホースメンへの復讐にディランに、シュレイクと同じ運命をと、イヨングから持って来た金庫の中にディランを入れて、海の中へ落とし、その場を後にするウォルターとアーサー。

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金庫の中では隙間から入ってくる水に、脱出の種も分からないディランはただもがくことしかできない。

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と、そこであの日父が言っていた言葉を思い出したディランは、そのヒントでなんとか金庫から出ることに成功。
丁度駆けつけたホースメンに見つかり、一命を取り留める。

その頃、アーサーの乗る車にはアーサーから大金をもらうサディアスの姿が。

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そしてホースメン達はイヨングで仕返しの話し合いを。

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アトラスとディランの機転で、ウォルター達に渡したチップは偽物。

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しかし今アトラスが持っているものも偽物だと分かり、どこに本物があるのかと混乱。

と、ウォルターは自分が本物のチップを持っていると思っていると、それを利用しすることを決定。

しかし、仕返しの作戦を実行するにも、時間も人員もないと嘆くホースメン達に、イヨングの店主が、実は私たちはアイのメンバーだと英語を喋りながら再登場。
強力な助っ人も加わり、作戦が実行。

まずはネット動画でウォルターに宣戦布告。

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案の定挑発に乗ってきたウォルターはアーサーと共にホースメン達を探すことに。

そしてディランも加わったホースメン達は5人それぞれニューヨークの別々の場所でマジックショーを披露する。

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これも全てホースメン達の作戦だったが、作戦中にメリットが弟のチェイスと遭遇。
チェイスの読心術によって作戦がバレてしまう。

作戦は中止。

華麗に逃げるホースメン達だが、ついにウォルターに捕らえられてしまう。

ウォルターのプライベートジェット機に連れ込まれ、隠していたチップも奪われてしまう。
そしてそのチップが本物かどうかを調べると言うウォルターに、ホースメンも偽物だとバレてしまう落胆。

が、そのチップが本物であると言い出すウォルターにホースメンの全員が驚きの表情。

そしてもう用は無いと、チェイスによって空飛ぶジェット機から一人ずつ生身の身体で落とされていくホースメン。

そしてジェット機で祝杯を挙げるウォルターとアーサーだが、突然ジェット機の円陣が停止。

何事かと思っていると、飛んでいるジェット機の窓にホースメン等の姿が。

そしてホースメンのマジックショーのラストが大々的に披露され、ウォルターとアーサーもまんまとマジックショーの見世物として、ホースメンにその悪事を暴かれてしまう。

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そこで盛大な種明かし。

そしていつも通り華麗に逃げるホースメン。

その後、ホースメン等がやってきた場所で、今回の全ての謎と、これまでずっと明かされてこなかった真実が語られる。

この作品を観るには

感想とか

共に敵を欺いているかのよう

今作は前作のようにマジックショーを見ているかの様というよりも、ホースメンと共に作戦を遂行しているような、より内側に近いシーンが多く描かれています。

特に、チップを奪うためにコンピュータールームで敵の目を欺くトランプのパスリレーは、色々とツッコみ所もありましたが、見ていて単純に面白かったです。
意味がある無いでは無く、ただ見ている者を楽しませる演出は流石でした。

それでも最後はホースメンにしてやられ、最終的には、ホースメンもしてやられていますが、これもこの映画のいつものパターンですね。

前作に比べると物語重視

前作に比べて、セルフを長々と話す場面も多く、ちょっと中だるみを感じるシーンもあったのが気になりました。
今作は、過去に関してのエピソードがメインで、そこに裂くシーンが多かったので、前作のように全体を通して単純に見て楽しむというものでは無くなっていたのが少し残念でした。

ただし一度マジックが始まってしまえば、楽しいマジックショーの応酬というのは、この映画の醍醐味で、健在でした。

またもホースメンは盛り上げ役

前作でも感じた所ですが、ホースメンの4人に関する物語が浅すぎて、今作もディラン一人にフォーカスが当たりすぎていて、ホースメン4人がただ会場を盛り上げる役者のポジションになってしたのが残念。
アイと呼ばれる首謀者にただこき使われ、言われるがままに動くだけの4人。

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もうちょっと、ホースメンとしての、それぞれの意思や考えを掘り下げて欲しかった。

悪役ダニエル・ラドクリフ

既に前作の時点で、マイケル・ケインとモーガン・フリーマンの2ショットに感動を覚えましたが、今作ではさらにハリー・ポッターでお馴染みのダニエル・ラドクリフも自身初の悪役として参戦

しれっとした表情で暴言を吐く見事な悪役を演じていました。
もしかしたらヒーローよりも悪役の方が似合ってるかも。。

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次回作・続編は

さて、気になるのは「グランド・イリュージョン3」ですが。

既に製作の準備は進められているようで、監督も今作のジョン・M・チュウが続投するとのこと。

しかも第3弾の製作の決定は、続編である今作が公開される前と言うことで、かなりこの映画に力を入れていることが分かりますね。

気になる内容はまだ分かりませんが、前作であった、マジックを使って警察官を次々と交わしていくのは見ていて楽しく、爽快なので、またあったら嬉しい。

今作では残念ながら降板となってしまったアイラ・フィッシャーも、是非次回作では復帰して、新メンバーのリジー・キャプランと女性二人のコラボイリュージョンも見たいところ。
そして何より、ホースメンのメンバーそれぞれの中身をもっと掘り下げて欲しいですね。

前作の感想(ネタバレ&あらすじ)

この作品を観るには