エリジウム とは

elysium
エリジウム
(原題:Elysium)
日本公開日:2013年9月20日

2154年、富を持つ者は宇宙コロニー”エリジウム”に移住し、豊かな暮らしを。貧しい者は環境が悪化した地球で労働をしながら生活をしていた。
そんな地球で仕事の作業中の事故により、余命が5日と診断された主人公のマックスはエリジウムにある先端医療を受けるため、格差により入ることの出来ないエリジウムへ色々な手を使って乗り込もうと奮闘するSFアクション映画です。

オススメポイント

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PG-12指定なので、銃で身体が撃ち抜かれるなどの描写がいくつかありますが、性的描写などは全くありません。

第82回アカデミー賞4部門にノミネートされた「第9地区」を手がけたニール・ブロムカンプ監督 4年ぶりの作品。 マッド・デイモンを主演に、ジョディ・フォスターなど有名どころを起用した注目作です。

予告編

これより下記にはネタバレが含まれます

※これ以降は筆者の感想と共に作品の内容に深く関係する記述が多く含まれます。またこれは筆者の私見であり、矛盾や間違い等がある場合があります。それら全て含め、予めご了承頂いた上でご覧下さい。

あらすじ(ネタバレ)

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時は2154年。

地球は人口が増え過ぎた上に環境汚染で疫病が広がり、安定した生活を維持するために富裕層は宇宙にあるスペースコロニー”エリジウム”へ移住していた。
そんな中、親の居ないマックスは同じ孤児院で暮らしていたフレイという女の子に恋心を抱き、いつかエリジウムへ連れて行ってあげる。と言う約束を交わす。
それからマックスはエリジウムへ1日だけ行けるチケットを手に入れるため、盗みを繰り返すようになった。

そして月日が経ち、大人になったマックスは最近まで続けていた盗みから足を洗い、工場の労働者としてスラム街で一人暮らしをしていた。
マックスがバスに乗るため、列に並んでいると、警備ロボットが。
警備ロボットの尋問をジョークであしらうと、公務執行妨害として取り押さえられてしまう。

その際に腕を負傷したマックスは病院へ。
そこで看護師として働いていたフレイと久々の再開をする。
マックスはそこでフレイと食事の約束を取り付ける。
工場に戻ったマックスはいつも通り作業をこなす。
するとマックスが担当しているラインで機械が停止してしまう。
原因を取り除くため、マックスは閉鎖されている機械の中へ入ることを強要される。
中に入り、ドアに挟まっていた踏み台を取り除いた瞬間。突然機械が再起動。ドアが閉まり、マックスは機械の中に閉じ込められ、致死量の放射線を浴びてしまう。
医療ロボットの判断により、マックスの余命は5日と判断される。
工場の取締役であるジョン・カーライルはそんなマックスを見てすぐに解雇する。

一方エリジウムではエリジウムの保安機関を監督する防衛省長官のデラコートが、地球からエリジウムへ不法侵入してきた宇宙船を撃墜し、その撃墜方法が問題視され、更迭の危機に。
問題は宇宙船を撃墜し、多くの命を奪ったことと、その撃墜の為に雇っていたエージェントが地球に住むクルーガという危険犯罪者であったことで、クルーガからエージェントの資格を剥奪。
それらの契約内容はエリジウムのシステムに記憶。

地球ではマックスはなんとか自宅に戻るが、容態が悪くなり命の危機を実感していた。
なんとしても身体を治したいマックスはエリジウムへ行く方法を持っているスパイダーという人物に会いに行く。
一方、フレイは働く病院で白血病にかかり、手の施しようのない実の娘を入院させていた。
しかし担当医から、手の施しようが無く、再び症状が出るまで帰宅を強要され、仕方無く退院。
マックスはスパイダーに会いに、違法地帯へ。

早々にスパイダーにエリジウムへ行く為のチケットとIDを求めるが、スパイダーはマックスには渡せないと。
しかしマックスの危機迫る状態と本気の根性に心打たれたスパイダーはマックスにある話を持ちかける。

それは地球にビジネスを持ってきているエリジウムの者を捕らえ、その者の記憶にある銀行の暗証番号などの情報を盗み出すこと。
標的はマックスを工場から排除したジョン・カーライルに。
マックスはその為に、相手の記憶を奪い取る機器を脳に。不自由な身体に超人的パワーを与える機器を身体に取り付ける改造手術を受けることに。
一方エリジウムではデラコート長官がジョン・カーライルを呼び出し、エリジウムの政治体制をリセットする話を持ちかける。

ジョン・カーライルならそれが出来ると踏んだデラコート長官は、エリジウムのシステムをリセットさせることを指示。
無事デラコート長官が新総裁になったとき、ジョン・カーライルの会社と今後200年の契約延長と特別待遇を約束して。
地球では目覚めたマックスの身体は改造人間に。

そしてジョン・カーライルはエリジウムの再起動プロジェクトを進める。
ジョン・カーライルが地球の工場からエリジウムへ飛び立つ隙を突き、ジョン・カーライルが乗った宇宙船を撃墜。
その一報を受けたデラコート長官はエージェントを追放されたクルーガへ、エージェント復帰の約束と引き替えにジョン・カーライルを保護するように要請。
ジョン・カーライルから記憶の情報を抜き取ろうとしたところへクルーガ一味が乱入。

銃撃戦の中、流れ弾がジョン・カーライルに。
意識が遠のく中、何とかマックスの頭脳にジョン・カーライルの記憶をコピーするが、最終的に失敗?

ジョン・カーライルは死亡し、記憶をコピーしたマックスは追われることに。
何とか逃げ切ったマックスは負傷した身体を治すためフレイの病院へ。
政府に見つかるのを避けるため、フレイの自宅で手当を。

そこでフレイの娘を初対面し、シングルマザーであったことを知るマックス。
フレイは娘の病気を治すため、マックスにエリジウムへ一緒に連れて行ってくれと頼むが、マックスは危険だと止め断り、フレイの元を去る。
一方、マックスの居場所を突き止めたクルーガは直前まで居たフレイの家へ。
そこでフレイと娘を拉致。

マックスはスパイダーの元へ行き、ジョン・カーライルからコピーした記憶情報を解析。
それがエリジウムの再起動プログラムであることを知る。

マックスは自分の価値の高さを知り、手榴弾と持ち、いつでも自分の記憶を消せるようにしてクルーガに自らを差し出す。
マックスは乗ったクルーガの宇宙船でフレイと再会。
フレイを守ると約束するマックス。
そしてエリジウムへ。

少し遅れてスパイダーもエリジウムへ向かう。
エリジウムへ着地するすこし前、マックスは持った手榴弾を落としてしまう。
落ちた手榴弾を奪い合う中、手榴弾はクルーガの顔を吹き飛ばし、宇宙船はエリジウムへ墜落不時着。

マックスとフレイは捕らえられ、マックスはデラコート長官の指示で記憶を抜き取った後殺されることに。
エリジウムの医療ポッドで蘇ったクルーガは自らが総裁になることを望み、デラコート長官を殺害。クーデターを起こす。
一方、逃げ出したマックスはフレイを救い出し、スパイダー達と出会う。

スパイダーの部下と娘を治療するため医療ポッドのある場所へ向かうフライ。
マックスとスパイダーはエリジウムの中心部へ向かう。
が、しかしクルーガに追いつかれ、決闘。

なんとか勝てたマックスは、ついにエリジウムのメインシステム室へ。
エリジウム再起動プログラムを起動したスパイダーは地球の市民全員にエリジウム市民としての権限を与えるよう操作。
しかし次に画面に出たメッセージに手が止まる。
それはプログラムを実行することで、データ保持者の命を引き替えにするということ。

スパイダーはマックスにそれを伝えようとするが、マックスはそれを知っていたかのようにやってくれと。
マックスは最後にフレイと通信で言葉を交わし、マックスは自分の手で再起動プログラムを実行。
同時にマックスは命を落とす。

エリジウムのシステムは再起動され、地球の市民もエリジウム市民と見なされ、フレイの娘は無事に医療ポッドで白血病を治療。
そしてエリジウムのシステムは地球に向き、治療すべき市民が地球に居ると判断。
複数の医療ポッドが地球へ送られた。
そしてエンディング

エンドロール中にすぐに席を立ってしまったので、おまけがあったかは分かりません。

この作品を観るには

感想とか

舞台は意外と狭い

基本的に出てくるのはロサンゼルスと、宇宙コロニー”エリジウム”の一部地域での紛争です。
地球の危機と宇宙コロニーでの紛争事件という、なかなか世界規模な題材なのに描かれていない部分が多すぎて、世界観がすごく小さく見えてしまった。
他の国の情勢もチラ見させて欲しかった分、これは残念。

サブキャラの設定が伝わりづらい

あと、もうちょっと人間関係のドラマも見たかった。
友人であるフリオとは盗み仲間だったというのは分かるが、フリオが殺されたときのマックスの怒りに感情輸入できるストーリーもあったら、より良かった。
他にもジョン・カーライルが何故そこまで仕事を第一に考えるのかと言う点も。
例えばジョン・カーライルにもエリジウムに妻と娘などの家族が居て、生活のためにデラコート長官の指示にやむなく乗ったと言う物語があったら、より人間ドラマが深まったような気がする。

主要部分だけが進んでいく

つまり全体の物語が簡略的すぎる。
メインストーリーだけ進行して、それが何だったのか、どうなったのかに全く触れてくれないので、かゆい所に手が届かないまま終わってしまいました。
全く触れられていなかったエリジウム側の市民の想いというものも見たかった。

きちんとビジュアル化された世界観

しかし映像は良かった。
本当にその世界が存在しているかのような作り込みは流石。

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エリジウムのデザインもよく出来ていて感心した。

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流石なスター役者陣

主演のマッド・デイモンはやはり流石だと思った。

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身体がボロボロになっていく状態などの迫真な演技は、見てるこちらも息を飲んでしまう。
途中からマッド・デイモンの演技に注目して、今更言うことでも無いが、細かな表情や、一つ一つの動作など、実に芸が細かく感心した。

そして敵対する長官役のジョディ・フォスター。
いわずとも知れた名女優だが、本作の気高いキャラクターの役柄に見事マッチしていた分、あっさり殺されてしまったのはちょっと残念。
知的なキャラクターの配役だったので、どうせなら主役のマックスともうちょっと戦略的な争いを見たかった。


いわずとも知れた名女優だが、本作の気高いキャラクターの役柄に見事マッチしていた分、あっさり殺されてしまったのはちょっと残念。
知的なキャラクターの配役だったので、どうせなら主役のマックスともうちょっと戦略的な争いを見たかった。

色々なメッセージ性のある映画だったけど、そのメッセージが前に出すぎて、肝心な内容がスカスカになってしまっていたように感じました。
少し辛口だけど”中身があるようで無い映画”だと思いました。

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