映画『美女と野獣(実写版 2014)』感想(あらすじ&ネタバレあり)

美女と野獣(原題:La Belle et la Bête)
日本公開日:2014年11月1日

美女と野獣 とは

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財産を無くした一家の父親が雪降る山の中を彷徨っていると、目の前に古城が。
そこで色々な物を盗んでしまった父親は、そこに居た野獣に捕らえられてしまう。
しかし、父親を思う娘のベルは父親の代わりに自分の身を野獣に預けることに。

オススメポイント
一人で見る:
友達と見る:
デートで見る:
家族と見る:
お子様と見る:
ディズニーの作品の様なポップ感を思い描いていくとガッカリするかも。
全体的にしっとりダークな雰囲気で、内容も所々独自路線が盛られています。
抱き合ったり濃厚なキスなどの大人なシーンもチラホラありました。

あまり知られていませんが「美女と野獣」の実写化はこれが3作目。
ディズニーのアニメーション映画版よりも原作の設定が多く引き継がれています。

そして、なぜ王子は野獣となってしまったのかというストーリーをクリストフ・ガンズがより濃く描いています。


予告編

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これより下にはネタバレが含まれます

※これ以降は筆者の感想と共に作品の内容に深く関係する記述が多く含まれています。最低限の配慮はしていますが、今後作品をご覧になる際、先入観により純粋に作品を楽しめなくなる可能性があります。またこの感想は筆者の私見であり、矛盾点や間違いがある場合があります。それら全て含め、ご了承頂いた上でご覧下さい。


あらすじ(ネタバレ)

ある町の豪邸で商人である男が3人の息子と3人の娘と優雅な暮らしを送っていた。
が、商人が所有していた船が沈没。
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そこに積まれていた財産もすべてを失い、ついには豪邸から追い出されてしまう。

そして町の人等の目を気にして町外れのボロ家に住むことになった一家。
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財産をなくし、着る物も貧相になり、嘆く長女と次女。

妻を亡くしてから家族のことを一番に考えてきた商人の父親はいつか町に戻り、また息子や娘たちの笑顔を取り戻そうと決意する中、ただ一人、末っ子の娘 ベル はこの貧相になった暮らしを喜んでいた。

それは普段家を空けることの多かった父親と、すれ違っていた兄姉たちと普段より共に時間を過ごせることに喜びを感じていた。

が、そんな中、失ったはずの船が一隻見つかったとの朗報が舞い込む。
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そこで父親は長男と共にその船を受け取りに出かけることに。

自分の幸せがすぐに終わってしまったことにご立腹なベルとは違い、ほかの家族は大喜び。

そこで父親は娘たちにお土産を持って帰ることを約束。
長女と次女はそれぞれドレスや香水、口紅などを望む中、ベルは一人、この家の庭に植えようと思っていたバラを一輪持って帰ってほしいと。
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そして父親と長男は船に残された財産を受け取りに遠くの街へ。
しかしそこで残された財産はすでに自分たちの物ではなくなっていた事実を突きつけられ、長男は怒りそのまま失踪してしまう。

その夜、父親は長男を探し回り、ある飲み屋へ。
そこのマスターに長男の名を出し探していると告げると、マスターは顔色を変え、すぐにここを去った方がいいと。

何のことか理解できない父親の背後にある男が。
男の名はペルディカス。
ペルディカスは長男に大金を貸し付けており、丁度その長男を探していたところに、その父親が現れたと。
長男を差し出せと拳銃を抜くペルディカス。

が、そこで店のマスターがここで争うな とテーブルの下から拳銃を出し、ペルディカスへ銃口を向ける。
そのままマスターは父親を裏口へ誘い、逃がす。

追うペルディカスだったが、連れていた馬で何とか逃げ切る父親。


それから何時間馬で走ったか、気づいたら吹雪の森の中を彷徨っていた父親。
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そしてついに馬が足を怪我してしまう。
馬に別れを告げ、ここで倒れていれば長男が探してくれるだろうと諦めかけたそのとき、目の前に明かりが。

家がある!と向かった先には植物のツルに覆われた古城が。
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父親は重い扉を開け、中へ入るとそこは暖かい暖炉と美味しそうなフルーツや食事が。
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父親は誰もいない部屋に断りを入れて、そこにある食事をむさぼり食う父親。

そしてふと部屋の隅を見ると、なにやら宝箱のような物が。
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そこには、なんと娘たちに約束したプレゼントが。
するとそこに怪我したはずの馬が歩いて父親の元へ。
驚く父親だが、そのまま宝箱を馬に乗せ、城を後にすることに。

そして丁度城の庭を過ぎようとしたとき、目の前に大量のバラが咲いている場所が。
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ベルへのプレゼントを思い出した父親はそこから1輪のバラを摘むことに。
すると、丁度そのとき父親に向かって黒い影が。

宝箱だけではなくバラまでも盗むのかと怒り、父親を倒し覆い被さる謎の人物。
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謎の人物は人の形をしているが、見た目は獣そのものの野獣だった。
野獣は 1日だけ与える。家族に最後の別れを告げ、ここに戻ってこいと。
合い言葉を言えばその馬がここまで導いてくれると。

父親は戻るつもりはないと拒否するが、ならば家族全員の命はないと。


そしてそのまま家に戻った父親は、どう説明していいかわからなかったが、あったことを子供たちに打ち明ける。
そしてその野獣に襲われた原因がバラであったことを知ったベルは、私のせいだと思い、父親の代わりに自分を野獣に差し出すことを決意。
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そして家族が止める中、馬に乗って家を飛び出すベル。
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父親から聞いた合い言葉を馬にささやくと、古城までの道のりが開かれ、ついに城へ足を踏み入れるベル。
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城の中を彷徨い、ある部屋にたどり着いたベル。

その後、部屋にあったドレスを着て大広間へ出ると、そこには長いテーブルに用意された大量の食事が。

すると すぐに背後に気配を感じるベル。
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ベルはそれが父親が話していた野獣だと気づき、そこで死の覚悟までも。

すると野獣は食事を勧めたり、城の外へ自由に出ていいなど、しかし夜にはいつもここに居ろと、命を奪う気がない様子。
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その後、ドレスのあった部屋に戻ったベルは、そこで初めて一人で夜を過ごすことに気づき、孤独感を感じていた。


そしてベルはある夢を見る。
それは眠りにつく度に何度も。

その内容は、この古城がまだ綺麗で大勢の人の活気がある時代。
そこには愛し合う王子と王女。
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しかし森で狩りを趣味にしていた王子に王女は狩りを辞めてくれと。
わかったと返事をした王子だったが、それでも狩りを辞められず、その日もずっと追っていた鹿を狩るために仲間たちと森へ。

そしてついに王子の放った矢が鹿を捕らえる。
喜ぶ王子が、ふと捕らえた鹿を見ると、そこには矢の刺さった王女が。
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王女は森の妖精で、人間の愛を知りたかったがために人間の姿に変身をしていたと。
倒れる王女を抱え、自分のやったことを悔やむ王子。
だが、それは王女の父親である森の神の怒りに触れ、王子を醜い野獣の姿に変えてしまう。

森の神は、その呪いを解くのは女性からの愛だと。


そんな夢を見たベルは次第に野獣へと心を開き、野獣もベルが自分の心の隙間を埋めてくれる存在だと大切にしていた。

そんな中、ベルは野獣をダンスに誘う。
ダンスの代わりに家族に会わせてほしいと。

そしてダンスをするベルと野獣。
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そして野獣はベルと家族を最後に一度だけ会わせることを約束する。
ただし期限は1日。
それまでに戻らなければ私が死ぬことになるという野獣。
それを聞いて必ず戻ると約束するベル。


翌朝、ベルは馬に乗って久々に家に帰る。
兄姉たちと再会を喜ぶ。
そこで豪華なドレスに身を包むベルを見た長男と次男が、城に行けば大量の財宝が手に入り、借金も返済できると。
ベルが乗ってきた馬に乗り、城へ向かう。

そんなことはつゆ知らず、ベルが居なくなってからすっかり元気をなくした父親とも再会を喜び合う。
そしてそろそろ戻ろうとしたとき、三男から長男と次男がベルの馬で城に向かったことを知る。
そして三男とベルは別の馬で城へ。

長男と次男は借金をしているペルディカスを連れて城へ向かうことに。
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閉ざされた扉を強引に開けて中へ。
金目の物を根こそぎ奪い、城の中を荒らしていく一同。

奥の部屋ではひっそりとその行動に怒りを溜める野獣。
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そして一同は城を後にするが、そこに野獣が。
地面から飛び出した巨人を従え、ペルディカス等にお仕置きを。
次々とペルディカスの手下等を虐殺していく野獣。

一方ベルは、三男と共に城を目指していた。
が、導く力を持っていない馬では城へは行けず、足止めを食らっていた。
そこでベルの嘆きに森の神が答え、城への道が開く。
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一方でついに野獣が操る巨人の拳が長男に向かおうとする瞬間。
ベルが間に割り込み、野獣が急いで巨人を止める。

そしてベルは、全てのことを許してほしいと野獣に頼み込む。
野獣がベルの訴えに耳を貸しているその好きに
ペルディカスが野獣の胸に一本の矢を突き刺す。

倒れる野獣と、崩れ出す巨人たち。
そして庭から大量の木の根のツルがベルたちを襲い始める。
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長男、次男、三男は野獣を担ぎ、ベルの案内で城の中へ。
そしてベルが寝泊まりしている部屋に連れて行く。

しかしすでに息のない野獣。
一人逃げ切るペルディカス。
そしてベルたちを襲うツルはついにベルたちの元へ。


果たしてベルたちの運命は。

ディズニー版を意識するとガッカリ?

恐らくこの映画を見よう!と思った大半の人は、あのディズニーのアニメーション映画版を想像して見ると思います。

しかし本作ではそのディズニー版とはかけ離れた、かなりダークで大人な内容となっているので、人によっては色々な意味で裏切られると思います。
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姉が居る設定も原作の内容を引き継いでいるので、一見すると美女と野獣じゃない!と思われますが、どちらかというとこの作品の方が原作寄りではあります。

エピソードが物足りない

監督・脚本のクリストフ・ガンズが他の「美女と野獣」ではあまり描かれなかった王子がいかにして野獣になったのかというエピソードをこの作品で描いたというように、確かにそのエピソードは細かく描かれ、野獣となった王子の心の悲しみなどが真に伝わってきました。
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ただ、それ故に他のエピソードの掘りが浅く、どこか物足りなさを感じてしまいました。

特にベルの野獣への感情が恐怖から愛へと変わっていく過程があまり表現されず、いつの間にそんな感情を持ったの?と呆気にとられてしまうぐらい。
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そもそもベル自身のエピソードも兄姉との掛け合いも少なく、本来有るべき姉からの いびり も弱く、ベルの素性がほとんど宙に浮いてしまっていたので、感情移入ができず。

城でベルを孤独から救う子犬たちとのエピソードも、だいぶ勿体ぶっていた割りにほとんど描かれず。
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故に姉と子犬というキャラクターが居なくても内容的に成立してしまうストーリーに、少しガッカリです。

王子が野獣になってしまうエピソードを強く描くという点にこだわりすぎて、他のエピソードが等閑になってしまった印象がありました。

とにかく見終わった後に謎が沢山残る映画でした。

盛り上がりが盛り上がらない

映画の見所となる後半の盛り上がるシーン。
巨人等が暴れて逃げ惑う人間達という、いかにもハラハラドキドキのシーンも、どこか盛り上がりに欠ける演出に少しガッカリ。

背景に流れるBGMがしっとりとした音楽なのと、あまり緊迫感が感じられない演出も見られ、もうちょっと見る側を楽しませる演出が欲しかったです。

雰囲気や衣装はオシャレ

ここは流石フランス映画だなーと感心した部分。
劇中に出てくるドレスや城などの造形物も、作りが非常に美しく、その雰囲気だけでも そこそこの見応えがありました。
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クリストフ・ガンズ。
個人的に大好きな監督だったので、期待しすぎた部分もあったかも知れませんが、少しシーンを入れ替えるだけでホント良い映画になりそうで、非常に惜しい作品でした。

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